月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんは今すぐUターン! ・まろにきが付き合ってます ・あにきの体調不良&まろにき喧嘩ネタです ・nmmn ・ご本人様方とは何も関係のないフィクションです ・口調&キャラ崩壊あり ・通報❌
月見。
悠佑
ゆっくりと、意識が浮上する。ぼんやりとぼやけた視界に、数回瞬きを繰り返した。
ここは、何処や?俺は、何をして・・・
そう考えた時、俺は今日の出来事を全て思い出した。
そして、家を飛び出す前に最後に聞いた恋人の言葉が蘇り、一気に視界が滲んだ。
悠佑
目からこぼれ落ちた涙が、顔の肌を伝ってぼたぼたと枕カバーにシミを作っていく。
思い出さなければ良い。思い出したくない。なのに、脳は勝手にあの時の光景を、嫌に鮮明に映し出す。
まろの溜息。面倒臭そうに頭をかく雑な手付き。イライラしているその視線。
そんな目で、見ないで。
悠佑
ぐすぐすと鼻を鳴らす。情け無いなと思いながらも、涙は止まってくれない。
その時、部屋のドアが開いた。
りうら
現れたのはりうらだった。ぼやけた視界でもその赤色はよく分かる。
それにしても、どうしてりうらがいるんだ。
すぐに俺の元へ駆け寄ってきたりうらが、俺の見て息を呑むのが分かった。
見られた。ああ、なんて言えば良いんだろうか。
りうら
なんて言うりうらの声が、何より潤んでいたから。ベッドの枕元のすぐそばに立って、俺の涙を拭う手がひどく優しいから。
悠佑
りうら
悠佑
りうら
悠佑
りうら
どれだけ拭っても涙が溢れてしまうから意味が無いというのに、りうらはずっと俺の涙を拭ってくれた。
いつも散々あにきあにきと呼ばれているのに、年下の、最年少のりうらにこんな風に泣き付いて申し訳ないと思った。
けれど、その優しさに甘えないと、もう無理だったのだ。
りうら
優しい声が鼓膜を揺らした。
りうら
悠佑
りうら
悠佑
頭を撫でる優しい手の温もりに、俺は重くなった瞼をそっと閉じた。
ないこ
りうら
ないこ
りうら
りうらがあにきへと視線を戻した。涙の跡が痛々しいが、さっきよりも寝顔は苦しくなさそうだった。
りうら
ないこ
りうら
返事が遅いと言うか、反応が少し鈍いりうらをそっと見る。りうらの視線はあにきに真っ直ぐ注がれていた。
天才最年少でも、大切な仲間がここまで弱って泣いたら、こうもなるよな。それが、いつも頼りになるあにきなら尚更。
りうら
ないこ
りうら
ないこ
あにきはいつも明るく、楽しそうに笑う人だ。関西出身のノリもあってか、湿っぽさなんて一ミリも感じられないその性格には俺もいつも助けられている。
りうら
ないこ
嘘の無い本心で返す。あにきの笑顔は俺も大好きだ。
こっちまで笑顔になってしまう様な笑顔で笑う兄貴を見ると、どんなこともどうでも良くなる。お前は一生笑っとけ、なんて思ってしまう。
ピンポーンピンポーン
その時、チャイムが廊下に響くのが聞こえた。
俺はハッと部屋のドアの方を見る。間違い無くまろだろう。
ないこ
りうら
りうらからの返事は無かったが、俺は寝室を出た。
ドアを開けると、そこには予想通りの人物。
ないこ
If
切れた息。その瞳が不安げに揺れていた。
ないこ
If
まろが何やら言い淀んでいる時、背後の階段から足音が聞こえた。
見ると、りうらが階段を降りて来ていた。
てっきりあにきのところにいるものだと思っていたから、降りてくるなんて予想外だ。
ないこ
名前を呼ぶが、りうらは返事をしなかった。斜め下を向いているその表情は上手く見えない。
りうらは真っ直ぐ俺達の方へ歩いて来て、まろの前で立ち止まった。
パンッ
乾いた音が響く。俺は目を丸くした。
目の前でりうらが、まろの頬を叩いたのだ。
ないこ
驚いた。が、俺はその行動を止めることも咎めることもしなかった。
まろも、りうらが怒っている理由を分かっているのだろう。叩かれたことに対して怒ることはせず、叩かれた後の状態のまま動かなかった。
りうら
If
りうら
If
りうら
If
りうら
If
まろが言葉に詰まる。りうらはまろに訴えながらも、泣きそうな顔をしていた。
ないこ
りうら
ないこ
If
まろは静かに首を縦に振った。まろも泣きそうな顔をしていた。
なんとなく、話を聞いていて予想は出来ていた。まろが普通の状態であにきにあんな酷いことを言う筈がない。
まろは普段から結構仕事で忙しそうにしているし、それを家に持ち帰ってまでしているということは随分多忙だったんだろう。
疲れが溜まった状態で、その疲れを上手く発散出来ないままあにきと会って。運悪くそれをあにきにぶつけてしまった。あにきにストレスをぶつけるのを、抑えられないくらい溜まっていたんだろう。
俺は小さく息を吐いた。あにきと一緒にいることでストレス発散が出来るんだろうに、それをあにきにぶつけるなんて。器用そうで時々凄く不器用なんだから。
ないこ
りうらの了承は聞かなかったが、特に反論してくる様子も無かった。
If
ないこ
If
まろが階段を登って二階へ消えていく。俺は視線を隣にいるりうらに向けた。
ないこ
こくりと頷いたりうらの頭を撫でる。頑張った最年少に、今度ポテトでも買ってやろうかな、なんて思ったのだった。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。