「美術部のあいつ」

日曜日

らんの笑顔を向けられる度、 俺の鼓動が早まる。

かわい。

らん、あのときいるまがプレゼントした指輪着けてる…

俺も一応用意したけど…

食事中

なつ、俺との食事にこんなにお金をかけてくれてるけど

あの恋人さんは、大丈夫なのかな

このレストラン、夜景綺麗だな

ｶﾞﾀｯｯｯ

ｶﾞｻｶﾞｻｯ

なつのバッグから、 オシャレな紙袋に入った小さな箱が零れ落ちた。

箱の字は、明らかに高そうなブランド名

俺はそれ等を直ぐにバッグに戻した。

今、らんは何を焦っていたんだろうか

まさか、見られた？

らんが食べてる姿は、とても可愛い。

だから、俺はらんの隣で、

らんの恋人として、

ずっとずっと、

この幸せそうな笑顔を見ていたい。

だから、俺は今日、勇気を出す。

そう心に決めてきた。

告白する。

なつ、何を言ってるんだ？

恋人が居るんでしょ？

そんな軽く、人に好きとか言わないでよ

期待しちゃうじゃん

隣に俺が並べたらなって 思っちゃうじゃん。

らん、ばかって言ったか？

俺、何かしたかな…？

でも、今は…

正直言って緊張する。

てからんにばかって言われたばっかだし

でも、ここで勇気を出さないと、 俺の望む未来は絶対に起こらないだろう

たとえらんがいるまと 付き合っていたとしても

何の話だろう。

さっき見てしまった箱はなんだったんだろう。

あのお兄さんに渡すのかな

もしかして、あのお兄さんに俺、 嫉妬されてるとか、？

なつと話しすぎたのかな？

人の恋人を奪おうとか、 俺、最低笑

いるまと、付き合ってる…？俺が？

あの時感じた視線はなつのだったか

恋人じゃなかったのか

じゃあ、あとは

らんが俺の告白を、気持ちを

受け取ってくれるかどうかだな

勇気出して、告白してよかった。

気持ちを伝えて、良かった。

なつと俺が、付き合う？

俺が勝手に勘違いして、

なつは俺の事が好きじゃないって思い込んで、

勝手に諦めて

勝手に悲しんで

なつに気持ちを伝えることもせず