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放課後の図書室。
窓から差し込む西日が、埃の粒をキラキラと反射させていた。
その「特等席」には、いつも通り梟谷学園の背番号5番が座っている。
京治
低くて落ち着いた声が、静寂に波紋を広げる。
隣の席。
赤葦くんが参考書から目を上げ、私の手元にある小説を見て、少しだけ眉を下げた。
來
來
京治
京治
さらりと言ってのける。
彼は自覚学校あるのかないのか、たまにこういう「トドメ」を刺してくる。
私の心拍数が少し上がったのを知ってか知らずか、赤葦くんはまたペンを動かし始めた。
來
京治
來
ありふれた、空想の話。
彼は少しだけペンを止め、顎に手を当てて考えた。
数秒の沈黙。
図書室の古い時計が刻む音だけが響く。
京治
京治
そこで言葉を切って、彼は椅子を私の方へ少しだけ寄せた。
机の下で、私の指先に、彼の長い指がそっと触れる。
京治
京治
夕日のせいで赤くなっているのか、それとも。
赤葦くんの耳たぶが、ほんの少し赤らんでいるのが見えた。
來
京治
彼は繋いだ指に少しだけ力を込めて、真っ直ぐに私を見つめた。
眼鏡の奥にある瞳は、驚くほど真剣で、熱い。
京治
京治
そう言って困ったように笑う彼に、私の心はもう、バレーボールを打ち込まれたみたいに、逃げ場もなく射抜かれていた。
神咲 來 (カミザキ ライ 高2
17時のアウトライン ~𝐄𝐍𝐃~
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