感情を無くした人形

俺がそう聞くと振り返り 静かな声で叶さんは言った

葵さんの…！？

叶さんっ

後ろから幼い声がした

あー…葵さんが この前言ってた子かな…

俺は気づかなかった

__後ろから来る バイクの音に

ﾌﾞｫｫｫｫﾝ

稀咲！？ 持ってるのって…！！

ｶｧｧｧｧｧﾝ!!!

頭から血を流し倒れる叶さん

そんな…叶さんっ…！！！

叶さん！！！

俺は声のする方向へ向かった

そこには泣き叫ぶレイと武道 立ち尽くす万次郎と

倒れてる叶の姿があった

は、？叶が？？

その後、緊急手術が行われた。

静かに眠る叶。 整った呼吸音。 頭に巻いてある包帯。 沢山繋がった管。

ダメ。ここにいたら 溢れ出てくる

余計な感情が 溢れ出てくる

万次郎は 失意のどん底みたいな顔してた

看護師さんが出してきたのは

___鍵のネックレスと手紙。

泣きたくない… 泣いたら「負け」になるから

レイは苦しそうな顔をしていた。

…ごめん。 俺がそうゆう顔させてるんだ。

葵！！

ぎゅっ

なでなで

おかえり！！

そんな声はもう聞けない。

俺は、ちゃんと笑えているだろうか

ガチャ

相変わらず綺麗だな。

でしょ〜？？w

気を抜くと溢れ出てくる 叶の言葉

ぽたっ…

気づいたら瞳から 涙が零れる

読まなきゃいけない気がした。

ｶｻｶｻｯ

葵へ もうすぐ出会って4年目だね！ 最初に会った時は 警戒しすぎで少し心配したよ。 沢山思い出作ったし、 これからも色んなところ行きたいね！ これは僕からのプレゼント！！ 喜んで貰えるといいな〜！

『葵。大好きだよ。』

辛辣だなぁ〜w

葵のそーゆーとこすき

大丈夫？

うんま〜♡

それちょーだい

心配だなぁ

葵は僕が守るよ！

ﾁｬﾘ

もう1回紙を見た

『鍵のヒントは僕の机』

と紙に小さく書かれていた

チラッと机を見たら 鍵付きの小さな箱があった

カチャ…ン

鍵は開いた。

入っていたのは…

____小さなペンダントだった

俺はペンダントを持って泣いた。 誰に見られても構わない。

____心が黒く 侵される前に

ピロンッ

パソコンがメールを受信した。

中身を見てみると

葵。明日。話聞く。カフェ集合。 By竜胆。

静かに呼吸する叶。

マンジロー元気ねぇな…

叶になんかあったのか、？

prrrr…prrrr…

葵にとって叶が どんなに大切か俺は知ってる

だからこそ。

ﾌﾟﾂｯ

『…』

『俺は大丈夫。』

そう言って電話は切れた

あれ？真ちゃん

ピンポーン

…ん？なんかおかしい もしかして…！！

がちゃ…ん

家の中に入ったら リビングで小さな女の子が寝ていた

ドンッ！！！

あっははは！！！

がちゃ…ん

部屋に入ったら 物が散乱していて 壊れている物もある。

部屋の中心には 暴走する葵と

叶のペンダントがあった

すると

ぎゅっ

葵が千咒を抱きしめた

もしかして、幻覚見てる、？

葵の目からは涙が 零れ落ちる

そう言って葵は 自傷の笑みを浮かべた