葵
馬地せんぱーい…
葵
そろそろ降ろしてほしいかな、なーんて……
場地圭介
オイオイ、見ろよ
一虎が綱引きやってんぞ
一虎が綱引きやってんぞ
場地圭介
引き摺られてるけど
ガン無視を決め込む場地先輩。
クソ… せっかくの『タケミッチ愛され体育祭計画』が…!!
葵
うぅ…
場地圭介
ア?泣いてんのか?
私の顔を覗き込みながら 袖で頬を乱暴にごしごし拭いてくる。
痛い……
場地圭介
泣くなよ葵
ブスになるぞ
ブスになるぞ
葵
言い方が酷い……
もう場地先輩に降ろしてもらうのは 諦めて、虚無の表情でいると
突然、ほっぺをむにっとつままれた。
葵
んむ
佐野万次郎
ふふ、変な顔
葵
……?!?!?
マイキーさん?!?!?!
なんでここに?!?!
場地圭介
お、マイキー
来てたんだ
来てたんだ
佐野万次郎
まーね
佐野万次郎
タケミッチも出るんでしょ
仲良さげに話す2人を横目に、私はパニクっていた。
まずい。ひじょーにまずい
なぜなら、
佐野万次郎
そういえばさー
佐野万次郎
俺、ずっと公園で待ってたんだけど、オマエなんで来なかったの?
葵
ヒエッ……
そう。
私は結局例の呼び出しをスルーしてしまっていたのだ。
朧月くんと話してたら普通に忘れてしまっていた。
佐野万次郎
ねぇ、なんで?
葵
え、あ、えっと……
顔は笑っているのに、目は笑っていない。
こわいこわいこわい!!!!
場地圭介
バカ、あんまいじめんなよ
すると、場地先輩がヒョイと私を持ち直して、マイキーさんから隠すように立ってくれた。
佐野万次郎
はー?場地はソイツの肩持つワケ?
場地圭介
まぁ、一応俺の後輩だし…
葵
一応ってなんですか!
一応って!
一応って!
場地先輩はちょっと笑ってから 教えてくれた。
場地圭介
マ、そんな怖がんなよ
場地圭介
コイツだって、本気で怒ってるワケじゃねーし
葵
え?
佐野万次郎
あ、バカ!言うなよ!
佐野万次郎
反応面白かったのに…
マイキーさんはにぱっと笑った。