コメント
11件
テギいいいいいいいいいいい
テヒョンンンンンンン 何があったんだよぉ~
このお話が1日の楽しめです( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )❤︎
今、俺の視界に写ってるのは、 テヒョンではない。
俺の知るテヒョンは、 こんな顔をしない。
シーン…と、 静寂に包まれる生徒会室。
何か言おうかと悩む俺に届いたのは…
V
きっと今まで聞いたどんなセリフより弱々しい…… 声にならない声だった。
俺は、 こんなに切ない声を知らない。
SUGA
誰だ…?この人は。
そう思わずにはいられなかった。
テヒョンは、 いつも同じ顔で、 なんでも完璧にこなして、 弱みなんていっさいみせるもんかっていう人。
数年の付き合いの間、 この人が泣き言や弱音、 人の悪口や自分の話をしているところを、 俺は見たことがない。
疲れているところや、 怒った顔すら見たことがなかった。
動揺した顔も、 昨日初めてみたくらいで。
周りから見ればすべてがうまくいっているような人間なのかもしれない。
勉強も運動もできて素行もよくて、 おまけに生徒会長で、 それなのにテヒョンは、 いつだって何かに絶望したような目をしていた。
何か…じゃない。
生きることに意味かない、 まるでそんなことを思っているような気がした。
何かが足りないような、 その何か以外は必要ない、 とでも物語るように、 テヒョンには生気がなかった。
SUGA
俺なんかが首を突っ込むべきじゃなかったし、 踏み入っていいことじゃなかったかもしれない。
V
V
おぼつかない足取りで俺のもとへよってきたテヒョンは、 俺の両肩を掴み、 俯きながらそういった。
喉から振り絞るような、 もっと奥から必死に出しているような。
V
俺は見たことがない。
人が、 こんなに必死になる姿を。
動揺する姿を。 絶望する姿を。
SUGA
SUGA
V
その先の言葉を、 テヒョンが言うことはなかった。
でも、 わかってしまった。
テヒョンの全てが伝わってきてしまった。
ずっと不思議に思っていたんだ。
たくさんの人から好意を向けられ、 愛され、 尊敬され、 欲しいものはなんでも手に入るんじゃないかと思うテヒョンが、
たまに抜け殻のような表情をすることに。
でも、 テヒョンは、 本当に抜け殻だったんだな。
__この人の全身が、 グクが愛しいと叫んでる。
ぐくしかいらないと叫んでる。
それでも、 この人はグクを突き放そうとする。
きっとそこには理由があって、 そこに他人が入ってはいけない。
SUGA
思わずそう言った俺の顔を見て、 はっと我に返ったような反応をするテヒョン。
俺の肩から手を離し、 座っていた席へと戻って行った。
そしてまた、 キーボードを叩き仕事を再開する。
カタカタと響く無機質な弟の一つ一つに、 怒りが込められているような気がした。
V
冷静を取り戻したのか、 淡々とした声でそう言ったテヒョン。
SUGA
SUGA
SUGA
SUGA
SUGA
SUGA
V
そう言ったテヒョンの瞳には、 嘘や冗談はみじんも感じられない。
V
V
V
グクの幸せのためなら、 自分の人生も棒に振るっていうのか。
V
V
こいつは… 一体なんなんだ。
そこまでして愛してる人を、 どうして手に入れようとしないんだ?
SUGA
SUGA
SUGA
SUGA
無反応な突き通すテヒョンに、 そう叫ぶ。
するとテヒョンは、 作業する手を止めて、 ゆっくりと口を開いた。
その目には、 今までのテヒョンにはなかった感情がすべて込められていた。
苦しい、切ない、悲しい。
そして、もう1つ…。
V
__愛しい…。
SUGA
知らない間に、 目から涙が流れていた。
テヒョンの気持ちが、 ほんの少しだけ、 体の中に流れ込んできて、 けれどそのほんの少しが、 耐えられないような痛みで…。
だったら、 テヒョンは?
テヒョンはいったい、 どれだけ苦しい世界で生きてるんだろう。
V
テヒョンの掠れた笑いが、 静寂を破る。
V
V
V
V
そう言ったテヒョンの表情にまたしても、 俺の目から涙がこぼれる。
V
V
V
V
最後にそれだけ言われ、 俺はもうそれ以上なにもいえなかった。
呆然と立ち尽くし、 キーボードを叩くテヒョンの、姿をただ見つめる。
先ほどから必死にパソコンでなんの資料を作っているのか、 最後の最後にそれだけ気になって画面を覗いた。
俺の視点に映った、 その文字は……。
【早見ゆかり・処分検討書】 という文字。
SUGA
SUGA