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夢小説注意
題名『名も知らない関係』
それは風が体を突き刺す ように鋭く尖った一生忘れない日だった
三途 春千夜
偶々近くに寄った公園のベンチ
理由もなく葉が枯れた 何故か虚しいような木を眺めていた
『カシャッ』
シャッター音が聞こえ振り向くと
三途 春千夜
〇〇
彼女の目にはこんな 木々達も綺麗に見えるのかと思った
三途 春千夜
次の日も何故か足を運んでいた
三途 春千夜
今では古臭いカメラを 小さい手で持ち写真を撮っていた
三途 春千夜
〇〇
三途 春千夜
〇〇
〇〇
彼女が見せてくれた 写真には人の姿は無かった
ただ殺風景な景色と枯れた木
でも何故か
三途 春千夜
〇〇
そう口にしていた
この日以降俺は暇な時 この公園に寄ることが日常となっていた
次の日もまた次の日も
そして少し雪が溶け始めた頃
俺と彼女の関係は変化していった
三途 春千夜
〇〇
彼女の写真が自分を 癒してくれる一枚になった
ここに来れば彼女が居る
その状況が当たり前となった
三途 春千夜
三途 春千夜
〇〇
『病院に通院してるので』
三途 春千夜
三途 春千夜
〇〇
この時から時間が早く 進み出したと思うくらい速かった
お互い名前なんて知らない
でも2人で居る空間が1番安心できた
また数週間経った
〇〇
『入院する事になった』
急にサラッと流したように言った
三途 春千夜
〇〇
三途 春千夜
軽い気持ちでそう言う彼女に腹が立った
だんだんと彼女が 自分の前から消えてしまいそうで
怖かったのかもしれない
また少しして
三途 春千夜
見てみたら通院表のような物だった
そこには病院名も載っていた
三途 春千夜
三途 春千夜
三途 春千夜
〇〇
この日彼女はニット帽をしていた
特に変わりはなかったけど
髪の長さが変わった気がした
三途 春千夜
〇〇
三途 春千夜
何故か様子がおかしかった
今日彼女はおかしかった
〇〇
三途 春千夜
〇〇
三途 春千夜
〇〇
『パシャッ』
三途 春千夜
三途 春千夜
〇〇
三途 春千夜
思い過ごしか…
その日以降彼女の姿は見えなくなった
三途 春千夜
三途 春千夜
だが少し心配で
三途 春千夜
足を踏み込んだ
彼女の病室に行きたかったが
名前が分からなかったため 特徴を言って教えてもらおうとした
しかし看護師は俺を見た途端 何かを察したように病室を教えてくれた
三途 春千夜
『ガラガラッ』
三途 春千夜
ベットの机の上にいつも 手にしていたカメラが置いてあった
画面に映っていたのは…
三途 春千夜
そして下に紙があった
その紙には名前と手紙の 内容のようなものが書かれていた
そこには
三途 春千夜
と書かれていて…
カメラを俺はとって病院を出た
今日春が来た
桜がまだ完全ではなかったが美しかった
あんなにも枯れている ように見えた木は全て輝いていた
『パシャッ』
三途 春千夜
もしかしたら彼女は初めから
自身に死が近い事が わかっていたのかもしれない
データを見返すと、
三途 春千夜
毎日の木々の様子がわかった
少しずつ咲く蕾
最後に埋めたのは俺だった
三途 春千夜
彼女の最後の願いは俺が叶えた