陛下はツンな令息を落としたい

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あれから数日がたち、今日はついに結婚式の前日、リハーサルの日だった。

まだ朝の冷たい空気が残る式場の大広間に、俺とttの足音だけが響く。

流れを一つずつ確認していく。

照明が柔らかく落ちる空間は、やけに静かで、逆に緊張を煽った。

ttが歩き出した瞬間、その足がふらりと傾ぐ。

間一髪で手が届く。

軽い身体が胸に収まって、思わず息が止まった。 ちゃんと食べてるのかな……

ttが目を逸らした拍子に、耳まで真っ赤なのが見える。

リハーサルが一段落して、城の廊下をふたりで歩く。

静けさの中、さっきの温度がまだ残っている気がした。

一瞬ためらってから、声を落とす。

足音が止まった。

顔面の温度が一気に跳ね上がったのが分かる。

その小さな声が、逆に意識を刺激する。

息が触れそうな距離で言うと、 ttの指先が震えながら俺の袖をつまんだ。

そして。

扉の影から飛び出してきた使用人の声が、 広い廊下に全力で響き渡った。