TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

今日も二人から頼まれて、一緒に飯食べにきたのだが、既に席順からしておかしい。

もそもお互いを食事に誘いたいから、ついてきて欲しいと頼まれてついてきた筈なのに、何故か、俺が二人の間に座らさせられているのだ。

浅倉潤

本日はお日柄も良く

苅込一輝

いや、今日は仏滅やから、日柄悪いやろ

城戸丈一郎

今日はいい天気やな

苅込一輝

いや、外めっちゃどしゃ降りですやん

浅倉潤

城戸の兄貴に、今日も綺麗ですね、って伝えてくれ

苅込一輝

そんくらい自分でいいや

城戸丈一郎

何で自分そんなに男前なんって、浅倉に聞いてや

苅込一輝

あーもう!俺を間に挟んで話せんといてや!そもそも、この距離なんやから、俺が伝達せんでも、互いの会話聞こえるやろ!なんでわざわざ、俺を経由して尋ねるんや?それと自分等、俺のことなんや思とん?

城戸丈一郎

伝書鳩やろ

浅倉潤

伝書鳩以外ありえへんやろ

苅込一輝

誰が伝書鳩やねん!ええ加減にせぇ!俺帰るわ!!

俺が席を立つと両脇から服を掴まれる。

城戸丈一郎

帰らんとって

浅倉潤

帰ったらあかん

苅込一輝

なんでや?俺いたら邪魔やろ

城戸丈一郎

気まずいやん

浅倉潤

何話してええかわからん

苅込一輝

ええい!まどろっこしい!

流石の俺も頭にきたんで、二人の頭を掴み、お互いの頭に打ち付ける。

ゴンという鈍い音に続いて、ガチっという小さな音が響く。

浅倉潤

○×△□~////!!

城戸丈一郎

○×△□~////!!

どうやらぶっかったのは、頭だけじゃないらしい。双方の口から血が出ている。

城戸丈一郎

なんてことしてくれるんや!

苅込一輝

ええ年して、モダモダしてるあんたらが悪いんや

城戸丈一郎

今ので、赤ちゃん出来てしもたやないか!

苅込一輝

は?

城戸丈一郎

苅込は知らんのんかいな。キスしたら赤ちゃん出来るんや

苅込一輝

そんなアホなことあるかい

あんな迷信、誰が信じるんや?ありえへんやろと思っていたが、まさか実際に信じとるやつおるとは、思わんかったわ

浅倉潤

き、城戸さん、俺、責任とります!!俺と結婚して下さい!

城戸丈一郎

浅倉、お前ええやつやな。二人で赤ちゃん育てていこな

浅倉潤

任せて下さい。俺、育児にも協力しますから

こうして、まんじりとも進まないと思われていた二人の恋愛物語は、苅込によって一気に進展を遂げた。

苅込一輝

いや、そうはならんやろ

どうやら、苅込は伝書鳩ではなく、キューピッドだったようだ。

二人の世界に入った二人を残し、これでバカップルから解放されると、せいせいとした気持ちで、事務所へと戻った苅込だった。

しかし、残念ながら、そうは問屋がおろさない。ここでも勿論、一波乱待っていた。

般若の形相をした高見沢が、苅込を出迎え、開口一番に尋ねる。

高見沢斗真

苅込、どういう事や?

高見沢斗真

さっき、城戸から赤ちゃん出来てもうたって、事務所に電話がかかってきたんやけど。どういう経緯で、そうなったのか、説明聞かしてや

苅込一輝

あれは城戸の兄貴のただ思い込みです。俺がしたんは、二人をキスさせただけやし

高見沢斗真

き、キス!?あんたなんでそんな事したんや!キスやかしたら、赤ちゃん出来てまうやないの!

苅込一輝

いや、高見沢さんも、その迷信信じとんかいな

韮沢伸次郎

高見沢さん、それは迷信ですよ

俺たちの様子を見守っていた韮沢が、話に割り込んでくる。

苅込一輝

韮沢だって、こう言ってるでしょ?ほら、韮沢からも説明したってや

韮沢伸次郎

ええですか、高見沢さん、キスでは赤ちゃんは出来ません

韮沢伸次郎

何故なら、赤ちゃんは、コウノトリが運んできますから

苅込一輝

お前もボケんのかい!

俺は勢いよく、韮沢の頭をはたく。

大嶽徳史

韮沢、それは間違っとるで

苅込一輝

大嶽のカシラ~。カシラからも言って下さいや

大嶽徳史

ええか、赤ちゃんは、キャベツ畑から産まれてくるんや

苅込一輝

大嶽のカシラ、その顔でキャベツ畑はないです

苅込一輝

あー!もうツッコミきれへんわ!

今日もこうして苅込の1日は潰えていくのだった。

おわり

あとがき よくあるあるネタ。お前を橋の下から拾ってきたと同じくらい、子供の頃によく聞く話。 コウノトリはともかく、キャベツ畑から生まれてきたところを想像すると、貞○を超えるほどのホラー展開よな。普通に、トラウマになりそう。

この作品はいかがでしたか?

511

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚