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アイテム番号: SCP-169
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: その大きさのため、SCP-169を収容することはできず、また将来に渡っても収容されることはないでしょう――なぜなら、地球上のどんな構造物も、SCP-169を収容するに足る大きさと強度を持たないからです。SCP-169の場所は正確には判明していませんが、衛星画像と地球軌道の偏心分析により、おそらくは南米大陸先端付近の南大西洋ではないかと思われます(補遺0-20を参照)。
SCP-169によって作られた大陸断層に関する衛星映像は、配属エージェントにより除去、破棄されます。
説明: SCP-169は古くから船乗りや口伝によって「リヴァイアサン」として知られる、巨大な海生節足動物でないかと推測されます。初めは神話伝説の類と思われていましたが、19██年██月██日に行われた機動部隊ガンマ-6による█████████列島(座標南緯██度██分、西経██度██分)付近における超常現象調査の最中にSCP-169は発見されました。ガンマ-6による調査の中で、████ ████████博士[ガンマ6-0912]は█████████列島が元の位置から少なくとも3kmは移動していることを発見しました。初め████████博士はこの動きを並外れて速い大陸移動によるものと考えていましたが、米海軍艦████████によって行われた調査ミッションにより、列島は巨大な有機体を覆う岩石状の突起であることが判明しました。危機管理にあたるため、即座に財団が招集されました。
████████博士と██████████博士[ガンマ6-0421]はSCP-169の体長は2,000kmから8,000kmの間であると推測しました。この生物は先カンブリア時代から生きていると考えられています。他の個体は一切見つかっていません。生殖能力(あるならば)や食料、住処(あるならば)など、SCP-169の習性に関してはほとんど何もわかっていません。SCP-169の観察研究は、承認が保留されています。
█████ █████████諸島として知られる列島は歴史的に無人島でしたが、17██年に███████に領有されました。財団に移譲されると、駐留███████は海面の上昇を口実に撤退しました。これまで数千年にわたり列島は海面上にあり続けてきましたが、SCP-169が少しでも深さを変えれば列島全体が姿を消す結果にもなりえます。SCP-169は1週間に1km未満のゆっくりとした速度で移動していますが、彷徨っているだけのようにも見えます。どうやって移動しているかは不明です。周期的な地震振動は、およそ3ヶ月ごとの「呼吸」を示していると思われます。島々の地形に小さな断層を引き起こしていますが、これはすなわち、この生物が恐らくは眠っていることを示唆しています。
規制情報: 米海軍艦████████はSCP-169の発見後ただちに、米国政府の許可のもと全乗員とともに撃沈されました。絶滅に瀕した固有の鳥類が多くいることを口実として、一般人はSCP-169によって形成された列島に近づくことを禁じられています。上述のとおり、衛星映像はSCP-169の動きに関する情報を制限するため改竄されます。SCP-169の存在を隠蔽し続けておく上でNASAは今のところ財団に協力しており、財団が撮影用途で彼らの衛星を使用することを許可しています。
補遺 [0-20]: 199█年、財団とは無関係かつ財団の存在に気づいていない米国機関である米国海洋大気庁は、南緯██度██分、西経██度██分付近、南米大陸南西岸からおよそ████kmの海中から発せられる、超低周波の音波を感知しました。
scp169spectograph.jpg
配属エージェント████ ████████[IA-1522]による最善の努力にも関わらず、音波に関する情報はメディアに漏洩し、重要な報道として受け取られました。財団の分析では海中の巨大有機体こそが音波の源であると結論付けられ、またその「頭」の位置がSCP-169の残りの部位の場所として想定しうる場所の範囲内であったことで、SCP-169がその源として仮定されました。音波は、SCP-169が途方もない大きさに達するというガンマ6-0421の仮説を裏付けました。科学者あるいは民間人による音源特定の試みは、将来に渡りいかなる手段をとろうとも阻止されなければなりません。
