空の彩

絵を描くことが嫌いになりそうだ

好きで描いてるというより

評価求め頑張って描いてる 気がしかない

楽しくない…上手く描けない！

神絵師と呼ばれる子と比べられ

私自身の 世界観と絵柄が分からなくなった

私は

「 空色の絵の具がついた筆を折ろうとした 」

ｶﾞｻﾞｶﾞｻ

描くの楽しくない＿

静まっている教室 涼しい風に靡くカーテン

外からの声が響く

椅子から立ち上がり 窓から空を見る

いつもなら絵にするから 写真を撮るのだけれど

たまにはそのままで楽しもう

自分が思ってるよりすごく私の絵を好きでいてくれてる子がいるのかな

うんん。

絵を嫌いにならなきゃ

どうでもよくない 震えた声が

私も感じるほどに震えていて

本当は 無理だった

筆を折ればいいんだ

私は手元にあった空色の絵の具が 着いた筆に触れる

蒼空の絵なんなんの？

どうして下手くそなの！？

蒼空の絵は才能ないよ

万人に見てもらえるような絵柄がいい

絵柄〇〇さんに似てない？

本当にパクリだねww

気持ち悪い

私は蒼空の絵好きじゃない

どこにでもあるような絵だわ

絵、描くのやめな？

やめろ！

やめろww

絵を描くのやめろ！

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

その筆折るのやめてください！！

誰かが好きでいてくれる

絵を誰かに見せてからみんなから

下手 才能ない 絵が無理 絵柄似てる

嫌いになるまで言われた もちろん上手いねとは言われたけど

気になって嫌な方が評価になってしまって

それが全てだと思っていた

けどそれは違う…

見ていたものが全てじゃない

私の絵を好きでいてくれて

そして絵を描くの好きになる子だっているんだ

それなのに自分の絵が嫌いな私は 絵を好きでいてくれる子まで嫌いになろうとしていたのかな

私は…

周りの評価に追い詰められて

評価ばかりを気にして絵を楽しめなくなったんだ

それが絵を描く上で全てだと思っていたから

涙が零れた

笑った顔初めてみたかも…

それから1週間が経った

八雲くんとは仲良くなり 毎日のように話をする

呼びかける名も少し変わって

色々な話しをしたりもする

1人でも自分の絵を好きでいてくれる

けど、評価ばかり気にしたり求めすぎたらいつしか自分の絵も絵を描くことも嫌いになる

自分の世界観と絵柄は 絵を描いてれば見つかって安定する

誰に絵柄が似てても一つ違えばその人の絵柄に違いないと思う

私は絵を描くことが好きだ__

うぉ！！すげぇ！！

蒼空ちゃん！空みてみ！！

ん？

わぁ…！

今までにみたことないくらい

綺麗な空

ねぇ今日はこれを描こうよ！俺と！

えっ！？一緒に？

2人でみた景色だ！

2人でキャンパスに彩ったら

さらに素敵になるよっ！

すぐに美術室に行き

八雲と私は 2本の筆を手にとる

2人で見た

景色を空を描こう

それと…

これからのお話も

絵にはいろんな思いが込められている

私と君が描く絵も

きっと…

最高に素敵だ