あぁ歩き疲れたな
この下駄はもうダメだ
足が紅蓮華の用に
真っ赤に染っている
あぁ
雨が降ってきた
通りすがりに貰った
真っ白な番傘を
さして行こう
どれだけ疲れても
歩き続ける
天候がどれだけ変わっても
雨が降ろうとも
風が強かろうが
どれだけ寒かろうが
暑かろうが
止まらず回り続ける
ビー玉みたいに
永遠(トワ)に歩き続けるんだ
孤児になったあの日
父が旅立ったあの日
母が倒れたあの日
思い出す度に
藍白色(アイジロイロ)が
私の頬を濡らす
こんなに切ない感情は
久しいな
通りすがりの私の事を
周りはクスクスと笑う
袴に振袖羨ましいな
私の服とは比べ物にならない
半紙のように真っ白だった
この和服は
今となっては薄汚い灰色に
変わってしまった
あぁ足が痛いな
紅蓮華の用に染まっていた足は
もっともっと染っていた
歩いてゆく道が
私の血で赤く染まって行く
血の赤さで思い出した
幼い頃によく遊んでいた
真っ赤で綺麗な鞠
あぁ懐かしいな
あの鞠でよく遊んでいたな
折り紙でよく母に折った千羽鶴
よく紙を破り父に叱られた
懐かしい襖
父母が亡くなった時
嗅いだ線香の香り
私を孤独(ヒトリ)にしないで
あぁ思い出すだけで
懐かしいな
寂しいな
あぁ
孤児少女、孤児少女
やっぱり寂しいね
人の温もりが恋しいんだ
父と母に
会いたいな
私も今からそっちに行くよ
待っててね






