かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
そう言って通話は切られ、映し出されたトーク画面をじっと見つめる。するとすぐに「ポケおやすみ、早く来週が来たらいいな」と送られてきた
それに「おやすみ」とだけ返信をして画面を閉じ座っていたベッドに寝転がった
ポケカメン
俺とかにちゃんは付き合っている。だがかにちゃんとは遠く離れて暮らしている。いわば遠距離恋愛というやつだ。ほんとにどんな頻度で会えるか次いつ会えるかもわからない俺らは週に何度か通話をしてお互い寂しくなりすぎないようにしている
けど声は聞けても顔を見れないとどうしても寂しくなってしまう。だから来週は通話じゃなくてかにちゃんと顔を合わせられると思うと嬉しくてつい口角が上がってしまう
ポケカメン
その日はかにちゃんとの通話の余韻に浸りながら幸せな気持ちで眠りについた
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
ずっと待ちわび続けた今日、かにちゃんと久しぶりに会える日が来た
ポケカメン
ポケカメン
今日はどんな一日になるのかな
楽しみすぎて10分以上早く来ちゃった…まだかにちゃんいないだろうな、でも心の準備したかったから丁度いいかな
ポケカメン
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
待ち合わせ場所に行くと既にかにちゃんは到着していて嬉しさと驚きでつい名前を呼んでしまった。距離もあるし声量もなかったから気づかないと思ったがかにちゃんはすぐに見つけてくれて俺の方へ走って抱きついてきた
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
俺の心を読んでいるかのようにドンピシャで当ててくる彼に付き合った当初に言われた「好きな人だもん、なんでもわかるよ」という言葉を思い出してしまい思わず顔が熱くなる
かにちゃん
ポケカメン
久しぶりのかにちゃんとのデートは本当に楽しかった
まず待ち合わせ場所の駅の近くのショッピングモールに行ってゲームセンターに行ったりお揃いの服を買ったりした、昼ごはんも一緒に食べて夜遅くまでたくさん遊んだ。こんなにも楽しい日は久しぶりでやっぱりかにちゃんが好きだなと改めて実感できた日だ
かにちゃん
ポケカメン
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
駅の前で少し話をしてホームへと歩いていくかにちゃんが見えなくなるまで手を振ってお別れをする。
ポケカメン
ポケカメン
駅でかにちゃんと別れてそそくさと家に帰り倒れ込むようにソファに寝転がった
今日のかにちゃんとのデートは本当に楽しかった。ようやく会えてかにちゃんと沢山遊んで本当に楽しかったはずなのに、どこか寂しくて心が痛い
かにちゃんが働いているところは一人だけ嫌味な上司がいるらしい。同僚も社長さんとかもいい人みたいだけどその上司だけ何故かかにちゃんだけに仕事を押し付けたり嫌なことを言ってきたりするらしい
そんな会社に…というより上司に嫌気がさしているらしく最近は少し辛そうだ。今日も心做しか以前あった時より落ち込んでいるような感じがして少し心配だった。俺の都合でかにちゃんが休める時間を潰してしまっているんじゃないかって
ポケカメン
ポケカメン
もしかにちゃんがせっかくの休みなのに無理して俺に会いに来ているんだとしたら俺もかにちゃんに休んでほしいし無理してほしくない。それだったら電話だけにして会うことは極力控えるという形を取った方がかにちゃんは疲れないのか、とついマイナスなことを考えてしまって勝手に涙が出てくる
ポケカメン
かにちゃんが忙しくて会えないって言うんだったら、俺はいくらでも待ち続ける。かにちゃんが無理をせず幸せでいられるように
ポケカメン
カーテンの隙間から漏れる眩しい光で目を覚ます
ポケカメン
ポケカメン
時間を確認するために携帯の電源を入れると8:30という数字と共にたくさんの通知。その中に一つかにちゃんからのメッセージが届いていた
『ポケおはよ!まだ寝てるかな?昨日のデートめちゃくちゃ楽しかったね!!ポケ可愛すぎて思わず抱きしめちゃった!w頑張って予定空けるからまたデートしようね!!今日の通話楽しみにしてる!』
ポケカメン
昨日かにちゃんのために会うのを控えようと決めたのに、こんなこと言われたらまた会いたくなっちゃうじゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
大袈裟に言うかにちゃんに思わず笑いがこぼれる
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
俺も会いたい
なんて彼女としてかわいらしい言葉は出てこなかった
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
そんなの嘘。予定なんて入れてない、ほんとは早めに通話を切る口実がほしいだけ
これ以上長く続けたら気持ちが抑えられなくなる。かにちゃんも朝早いみたいだしゆっくり寝てほしい
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
ポケカメン
それから約半年以上、俺とかにちゃんは一度も顔合わせることがなかった。
かにちゃんは休みができた日毎回「会えるよ」と伝えてくれたが俺はそれをはぐらかし続けた、毎日大変な彼に休んでほしかったから
通話は変わらず続けている、でもその度会いたい気持ちが強くなっていって、嘘をつき続けている罪悪感と嘘をつきたくないかにちゃんと会いたい気持ちで次第に通話をする時間が俺にとって幸せであり酷な時間になった
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
正直どうしたらいいのかわからない。
かにちゃんは俺と会うことを望んでくれている。でも俺はそれを素直に受け止められない。かにちゃんにゆっくり休んで元気でいてほしい。かにちゃんの休む時間を削ってまで俺のわがままに彼を付き合わせたくない
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
かにちゃん
ポケカメン
なにかがつっかえたみたいに声が出ない。その代わりとでもいうように次第に涙が溢れてくる
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
電話を切っても一度零れた涙は止まってくれなくて次々と溢れ出す。次第に嗚咽も混じり本格的に泣きやめなくなってしまった
ポケカメン
ポケカメン
それでも俺の思いを表すあの一言は出てこなかった
あの日から約一ヶ月、俺らは電話もトークでのやりとりもしなくなった
まぁ俺が一方的に未読無視を続けているだけだがそれを続ける度に心は痛くてすごく寂しくなる
まぁあの時はしばらく会えないと言っていたし既読をつけて返信する勇気も俺にはなくきっとこのまま自然消滅してしまうんだろう
たった一言なのに…伝えられない、言葉にできない
言葉にしたら思いがどっと溢れてきてしまいそうで怖い、この言葉を口にして溢れてしまった時俺はどうなってしまうのだろう
でも、もう限界だよ。
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
今まで言葉にできなかった、まだ伝えられた訳でもないのに会いたいと言葉にするだけで涙が溢れてくる、毎日散々泣いたのに、俺は泣き虫だ。
ポケカメン
すると突然インターホンがなった
ポケカメン
宅配便…?いや、頼んだ覚えはない。友人か?でももう夜も遅いし来るならきっと連絡をするはずだが誰からも連絡なんて来ていなかった
急いで涙を拭き玄関に向かい扉を開ける
ポケカメン
かにちゃん
開けた先に立っていたのはずっと思いを馳せ続けたかにちゃんだった
ポケカメン
かにちゃん
最初は驚きすぎて放心状態だったがすぐに戻って衝動のままに扉を閉めようとしたがかにちゃんがそうはさせまいと扉の隙間に足を挟んできた
衝動的に閉めてしまっていたからガンッと鈍い音がしてかにちゃんが座り込んでしまった
かにちゃん
ポケカメン
ポケカメン
怪我をしたんじゃないか心配で今までのことを忘れてかにちゃんのそばにしゃがみ込んだ。怪我をしてないか確認するためにかにちゃんに触れようとしたがふと今までしてきた失態に気づいてすぐ離れようとしたがかにちゃんに腕を掴まれて久しぶりのかにちゃんの体温と突然の出来事で身動きが取れなくなってしまった
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
かにちゃん
ポケカメン
何を言っても引いてくれない彼をとりあえず家の中にいれてソファに座ったがろくに会話もできず沈黙が流れる
ポケカメン
気まずい空気を何とかしようと声を絞り出して立ち上がりキッチンへ行こうとすると言葉を遮られるように座っていたソファに押し倒された
いつぶりだろう、彼に押し倒されるのは。いや、ソファに押し倒されるのは初めてか
なんて誤魔化してみるけど久しぶりに見る下から見上げる彼はすごくかっこよくて顔が熱くなっていく
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
嫌いなわけない。ずっとあなたを好きでい続けた。あなたを嫌うわけない
ちゃんと否定しなきゃ伝わらないと思いつい大きな声が出てしまった。目の前の彼もびっくりした顔をしていてやってしまったと思ったら体の力が抜けたように覆いかぶさっていた彼が俺の上にストンと落ちてきた
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
何が彼をそう思わせたのか、なんてもうわかってる。
全部俺のせい
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃんは色々教えてくれた。なんでここにいるのか、そして俺が彼を避けていた時彼がどう思っていたのか
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
かにちゃん
かにちゃん
そっか、ちゃんと気づいてくれてたんだ
かにちゃん
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃんはあの上司が嫌いだっただけであの会社や他の社員さんの事は大好きだと聞いていたから正直驚いた。
かにちゃん
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃんは、どんな時でも俺を第一に考えてくれてたんだ。あんなに好きだった職場をやめてまで
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
泣いている俺にずっと優しく笑って抱きしめてくれる
彼の温もりを感じるのは本当に久しぶりでもっと涙が溢れてくる
かにちゃん
ポケカメン
ちゃんと、伝えられた
抱きしめられながらどちらからともなく顔を近づけて今までで、いや世界で一番幸せなキスをした
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
やばいやばいやばい、思いきって言っちゃった…!!敬語だし途切れ途切れになっちゃったし…!!めちゃくちゃ恥ずかしい…
かにちゃん
ポケカメン
すごく顔が熱い。勢いでこんなこと言ってしまったがかにちゃんは嬉しそうながらも俺ほどじゃないのかもだが顔が赤くなっていて俺も余計に恥ずかしくなってさらに顔が熱くなった
かにちゃん
ポケカメン
二人して敬語になってしまってそれが少しおかしくて二人で笑いあって…幸せだ
かにちゃん
ポケカメン
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
お互い照れてしまい変な沈黙が流れて少し変な気分になる
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
かにちゃん
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
ポケカメン
かにちゃん
かにちゃん
意味をなさない言葉を発した彼の顔はすごく真っ赤でこっちまで恥ずかしくなってくる
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
彼の不意の言葉にまた顔が熱くなる。なんか俺今日照れてばっかりだな
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
俺は耐えきれずかにちゃんを置いて自室へ走った
自室へ入りベッドへダイブするとかにちゃんも一緒に入ってきてベッドの横に優しく乗り俺を抱きしめる
かにちゃん
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
無意識なんだろうけど、かにちゃんからの攻撃が多発して俺はもうキャパオーバー寸前
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
等々俺までおかしくなってしまったのか、いつもは言わないようなことを言ってしまった。やばいと思いすぐ手で口を塞ぐが時すでに遅し、彼の顔はみるみる赤くなっていく
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
かにちゃん
ポケカメン
いつもは感じないいい匂いが鼻を掠めてふと目が覚める
見覚えのあるようなないような天井といつもよりも質のいいベッド。カーテンはしまっていたが隙間から見える光はそう明るくなくまだ早い時間なのがわかる
かにちゃん
そう呟きながら伸びをすると腕になにか当たった
かにちゃん
ポケカメン
腕に当たったのはどうやらすぐ隣で寝ているポケだったらしい
そっか…僕たち一緒に…
へ、待って俺なんかしちゃってないよね?我慢できずに手出したりとか…まって記憶ないんだけど…
かにちゃん
ポケカメン
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
やばぁぁ…寝起きのポケ超かわいいぃぃぃ……♡
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ちょっと、僕の彼女かわいすぎやしません?
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
ポケカメン
今日はずっと待ち侘びた日。かにちゃんが俺の家に引っ越してくる日!!
かにちゃんが言ってた時間だともうそろそろ最寄り駅についている頃合いだろう
ポケカメン
どこへ向かってるのかって?もちろんかにちゃんを迎えに最寄り駅まで
かにちゃんには外は寒いから待っててと言われたがようやく一緒にいられるようになったのに待ってるだなんて出来ない
ポケカメン
ポケカメン
辺りを見回すとちょうどホームからたくさんの人が出てきた。もしかしたらあの中にいるかもとしっかり見るとスーツケースを持ったかにちゃんが出てきた
ポケカメン
周りの人なんて気にせずかにちゃんの方へと走るとかにちゃんはすぐに俺に気づいてくれた
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
かにちゃん
ポケカメン
こんな幸せな日が続きますように
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