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春風が吹き抜ける
白い花びらが舞う長い坂道の先――
そこに見えるのは、巨大な白亜の校舎
魔法士育成名門校 ''ルミナリア魔法学園''
空へ伸びる時計塔
空中を漂う光球
校舎全体を包み込む巨大な魔法結界
この国で最も優秀な魔法士たちが集まる場所
そして今日、 新入生の入学式が行われる
りうら
校門前
赤髪の少年――りうらは、 時計をみて絶叫した
りうら
全力疾走
慣れない制服を翻しながら、 長い坂道を駆け上がる
りうら
周囲の生徒たちが驚いて振り返る
そのまま角を曲がった瞬間
どんっ!!!
りうら
誰かと正面衝突した
教科書が盛大に散らばる
???
慌てた声
りうらが顔をあげると、 そこには水色髪の少年がいた
りうら
りうら
???
2人で急いで教科書を拾う
その時だった、
ぱちっ、と。
りうらの指先から、 小さな炎が漏れる
りうら
反射的に手を引っ込める
りうら
焦った時、
感情が揺らいだ時
勝手に魔力が溢れる
昔から治らない癖だった
でも、 水色の少年は怖がらなかった
むしろ、 ぱっと目を輝かせる
???
りうら
???
まっすぐな笑顔だった
その反応に、 りうらは少し肩の力が抜ける
りうら
???
ほとけ
りうら
ほとけ
ふわっと笑う顔が、 春の空気みたいに柔らかい
その時
??
??
後ろから 優しい声が聞こえた
振り返る
そこに立っていたのは、 紫髪の少年
穏やかな目元。 柔らかな笑み。
どこか安心感のある雰囲気だった
ほとけ
ほとけが嬉しそうに駆け寄る
紫髪の少年は困ったように笑った
??
柔らかい関西弁が耳に残る
りうら
りうらが聞くと、ほとけが嬉しそうに頷く
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
りうら
りうら
初兎
りうら
その時だった
??
低く落ち着いた声
振り返ると、 金髪の青年が立っていた
背が高い
制服の胸元には、 3年生を示す銀章
さらに肩には、 S級魔法士を表す黒銀の紋章が輝いていた
周囲がザワつく
モブ
モブ
でも本人は気にした様子もなく、 静かにこちらを見ているだけだった
悠佑
落ち着いた声
りうら
悠佑
その名前だけで、 また周囲がザワついた
S級魔法士
学園最強クラス
1年生でも言っているほど有名人だった
その時
???
廊下の向こうから声が響く
桃色髪の少年が、 大量の資料を抱え走ってきた
???
???
??
その後ろを、 青髪の少年が気怠そうに歩いてくる
ないこ
いふ
そんなやり取りに 悠佑が呆れたようにため息をつく
悠佑
桃髪の少年――ないこは そこでようやく1年生組に気づいた
ないこ
ないこ
慌てて頭を下げる
その腕には、 生徒会長の腕章が付いていた
ないこ
いふ
いふ
青髪の少年――いふは、 眠そうな目のまま片手をあげる
その瞬間
ひやり、と
冷気がりうらの頬を掠めた
見ると、 いふの足元の地面が薄く凍っている
りうら
直感でわかった
ないこ
ないこ
いれいす
全員が同時に固まる
次の瞬間
いれいす
一斉に走り出した
笑い声が廊下に響く
それは、 どこにでもある青春の始まりみたいだった
――この時はまだ。
誰も知らない
この出会いが、 学園の運命を変えることになるなんて。