その日は運命の日だった
茜
あ〜あ、
茜
友達誘ったのに誰一人暇じゃないなんて泣
茜
ついてないなー
今日は市が主催の吹奏楽祭
市内の各高校の吹奏楽部がこのイベントに出るため、現在中3の私はここに来た
蒼真
ほら、早くしろよ
楽器搬入遅れてるぞ〜!
楽器搬入遅れてるぞ〜!
男子高校生
ごめんて、そうま〜
男子高校生
そうま〜これどこ持てばいい?
蒼真
あああああーー!!
そこ触るなバカヤロー
そこ触るなバカヤロー
男子高校生
まあまあ、本番まで時間はあるし焦るなよー
蒼真
お前が言うなって…
茜
(出演者の人達かな?
どこの学校だろう…)
どこの学校だろう…)
アナウンス
プログラム4番
県立白羽高等学校
県立白羽高等学校
蒼真
……
茜
(あっ、さっきの人だ!)
茜
(ドラムの前にいる…打楽器なんだ)
蒼真
……クスッ……
____♩____♩♩__!!
茜
…!!
茜
(すごい…)
さっきまで静かだったのに、途端に盛り上がって…
蒼真
ニカッ
茜
すごい笑顔…
それに上手…!
それに上手…!
茜
(いいな…私もやりたい!)
茜
かっこいいしなんか…すごく好きだな、
音も姿勢も全てが完璧であるように思う 何よりも仕草が綺麗だった
茜
思わず魅入っちゃうよ……!
茜
(“そうま”って言ってたっけ)
茜
白羽高校…って、県内トップの進学校だよね?!
茜
う〜ん、白羽高校かぁ…
入学式
茜
……
茜
結局入学しちゃった
茜
県立白羽高校に…!!
茜
(別に、めちゃくちゃ勉強頑張ったとかじゃないけどね??)
茜
これで吹部に入れる!!
茜
あの、吹奏楽部ってここですか?
女子高生
そうだよ^^
女子高生
体験かな?場所はね〜、
パーカスがここで…〜
パーカスがここで…〜
パーカスとは打楽器のことだ
茜
(パーカスが目的だし!ここにいればいいよね!)
蒼真
?
蒼真
もしかして体験の子?
茜
……!!
茜
(あの先輩だ…!!)
考えるよりも先に、体が動いていた
茜
あっあの!!
私、先輩に憧れてここに来たんです!!
私、先輩に憧れてここに来たんです!!
茜
そうま先輩、ですか…?
蒼真
えっ!?
そ、そうだけど…
そ、そうだけど…
茜
私、先輩の音が!
茜
姿勢が!
茜
仕草が!!
茜
大好きなんです!!!
蒼真
えっ…?!と…///
茜
私を、パーカスに入れてください!!
蒼真
え、あっ、とその///
男子高校生
おいおい、なに照れてんだよそうま〜
蒼真
べべっ別にいいだろ!!
蒼真
お前は早く練習に行け!!
男子高校生
はいはい(笑)
しばらくして、他の先輩方は他の教室に行ってしまった
残ったのは私と先輩の2人だけ
蒼真
な、なるほど…
それで俺のことを知ったんだ
それで俺のことを知ったんだ
とりあえずお喋りをすることになって、先輩を推している経緯を説明した
茜
はい!
もう本当に大好きで!!
もう本当に大好きで!!
蒼真
ぁうっ…///
蒼真
どっ、どうも……///
茜
(か…)
茜
(可愛らしい!!)
演奏スタイルからするに強い人なのかと思ってたけど…
どうやら照れるタイプの人らしい
蒼真
お、俺、こんなに言われたことないからびっくりしてて…
蒼真
反応の仕方わかんなくて…なんか、違ったらごめん
茜
あっいえいえ!こちらこそ!(?)
茜
(反応?大正解です尊い…)
蒼真
…でも、俺を見たのってそこだけだろ?
蒼真
なのにそこまで好きでいてくれるって…
茜
初めて出会ったんです
茜
こんなに楽しそうにかっこよく演奏する人に
茜
だからこれからも推させてください!!
蒼真
…///
蒼真
おっ、俺に止める権利はないからな!任せる…///
ああ、受験頑張って良かった
幸せすぎる…(昇天)
こんな形で私の高校生活は幕を開け、無事に先輩に認知されたのであった