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ふたつの主役第5章～絡み合う種族～

第1話 - 医者の名家

2024年03月25日

#オリキャラ注意

#ファンタジー

#ご本人様には関係ありません

#ゲーム実況者

各部屋を支配する者は

様々な視点から部屋に査定される

性格・個性・アビリティー

そして、過去

それらによって部屋に認められ支配者となる

だが、その例外が

「無の羅針盤」だった

～第5章開幕～

＊人生の間＊

スカイの問いにしんぺい神は呆気にとられていた

しんぺい神

”生死についての考え”……か

しんぺい神

まぁ1人の医者の考えじゃ難しい問題だね

スカイ

自覚しています

スカイ

しかし、医者ならば少なくとも考えはあるでしょう

しんぺい神

……俺の応えを出す前に、君に質問は可能なのかな？

スカイ

ええ大丈夫です

スカイ

最終的に応えを提示して頂ければ、僕に出来ることは承諾しましょう

しんぺい神

周りに聞かれたくないんだ

しんぺい神

みんなに俺らの声を遮断できる技術はある？

グルッペン･フューラー

ペ神！何を言うんだ！？

スカイ

可能ですよ

スカイ

アビリティー解放【生者遮断】

パチンッ

スカイが指を鳴らすと

真っ暗な廊下に移動している

椅子に座ったまま移動しており、2人は座ったまま顔を合わせている

スカイ

景色は変わってますが、人生の間の中にいます

スカイ

これで、皆様には聞こえませんよ

しんぺい神

ありがとう、何個か質問させてね

しんぺい神

君は、何者なの？

スカイ

……僕はただアビリティーを持った医者です

しんぺい神

医師免許はアビリティープレイヤーが取得する方法はたった1つ

しんぺい神

不正したってことでいいのかな？

スカイ

そうですね。そうするしか、なかったので

医者免や会計士・弁護士などの国家資格は全て古代国として力を持ち、最先端な技術としてその技術を扱う人間が多い櫻の国で試験が行われ判断される

そして、櫻の国は他の国に比べ”目に見える差別”は少ないが”影の差別”が多い国

そんな国からアビリティープレイヤーが正式に国家資格を得る為には

ステナァ国の断崖絶壁の孤島に聳え立つ ”全世界監獄担当看守育成学校”の ”常駐医者科”に属し受験しなければならない

そこに所属し受験したアビリティープレイヤーしか、世界の認可を貰えないのだ

しんぺい神

君の出身は？応えられる範囲でいいよ

スカイ

……極東側としか言えませんね

スカイ

僕自身、祖国が嫌いなので

しんぺい神

(極東側だと、櫻の国・あかがみん国・運営国・朝鮮半島の4カ国)

しんぺい神

(その中で1番国内が荒れているのは朝鮮半島だけど……朝鮮人に水色の髪なんて特徴は無いしなぁ)

しんぺい神

どういった環境で育ったの？

スカイ

化学薬品と医療器具が身近にある環境でした

スカイ

母が科学者、父が医者でとある場所で働いていました

しんぺい神

(医者になる必要な技術や知識は父親から、薬品とかの知識は母親から得たのかな？)

しんぺい神

学生時代は？何処で何をしてたの？

スカイ

……運動部のマネージャーを

スカイ

僕、運動苦手なので

しんぺい神

(今の時代、そんなの当たり前だからなぁ……中々絞れない)

しんぺい神は密かに思っていた

彼自身、似ても似つかない医者の父親の元で育っており、母親の顔を知らずそれが普通だと思って育っていた

医者だった父親は水色の髪でも空色の瞳でも無かった

成長するにつれ、彼は理解していた

「実の父親では無い」と

自分の本当の家族が、何処かにいる事を

そして今、目の前に自分と瓜二つの男がいる

しんぺい神は何処の国で生まれ育ったかなど、全く覚えていない

彼は父親を亡くしたショックによる記憶喪失だと結論づけている

つまり、彼の知らない兄または弟がいても可笑しくはないのだ

しんぺい神

家族構成は？

スカイ

……母親と弟そして叔父の4人です

スカイ

父親は事故にあって借金を残して亡くなりました

しんぺい神

(事故前に借金……ギャンブルにでもハマってたのかな)

しんぺい神

……君は弟が生まれた時、どう思ったの？

スカイ

命にかけても守ってやる

スカイ

そう思いましたし、母親にも言ったそうです

しんぺい神

親御さんは、君の今の仕事に共感してくれてるの？

スカイ

「裏」でも「表」でも、人を救っているのには変わりありませんしね

スカイ

アビリティー解放【生命操作『西条薫』】

スカイが言葉を言うと

床が徐々に盛り上がり粘土のようなものが人型を創り出す

完全な人型になると

1人の女性が現れた

しんぺい神

！？

しんぺい神

西条家の……奥方

スカイ

聞いた事はありますよね？

スカイ

医者の名家で櫻の国と朝鮮半島の混血貴族

スカイ

櫻の国にある大樹の森の奥深くに本家を構える西条家

スカイ

この組織は家族や家系に対しトラウマを背負っている人が多いけど、僕は別に気にしていないので

薫

まさか、名医と呼ばれるしんぺい神様と謁見が叶うなんて、光栄です

しんぺい神

(気味が悪い)

しんぺい神

(アビリティーを否定する訳じゃない。人の生命を操作し、死んだはずの人をも操る)

しんぺい神

(間違いなく、姿・声・性格・仕草全てが生前の人同様に行え、ましてや術者の指示なく発言する……そこまでなら……理解出来る)

しんぺい神

(でも、西条家の奥方が死んで、もう12年以上は経過してるのに……なんで生きていたかのように、記憶の更新が出来ているんだ？)

死んだ人間が生きている人間同様に、記憶を更新して話について行く

アビリティーを理解していたはずのしんぺい神でも、気味が悪いと感じたらしい

人の記憶は、生きている人間だけが得られる特権であり、死後の世界があるかは不明だが、死んでいる限り記憶の更新は不可能

この世界での記憶の更新の定義は、大きな事件・事故・災害が起こった時代に ”存命”しているかどうか

死亡しているのであれば、存命していない出来事を知ることはできない

スカイ

僕の母さんは大学の研究室で、同じ研究室にいた学生を庇って亡くなりました

スカイ

葬式の立ち会いには、くられ先生や淡島りりか教授もいました

しんぺい神

つまり君は少なくともくられ先生と、面識があるんだね

スカイ

はい、くられ先生が覚えていればですが

薫

しんぺい神様、どうぞ粗茶ですが

知らぬ間に薫は飲み物を差し出していた

しんぺい神

……

スカイ

警戒するのは当たり前です

スカイ

貴方からすれば僕は敵で、薫は僕の手下

スカイ

そして僕は貴方に対して一種の拘束をしている

スカイ

口にしなくても大丈夫ですよ。母さん、後ろに下がってて

薫

かしこまりました、スカイ様

薫はスカイの後ろに立って、目を伏せた

しんぺい神

…………君は、弟以外の下の子を見た時は、どう思ったの？

スカイ

興味ありませんでしたね

スカイ

僕の中では弟が1番大切だったんです

スカイ

他の子なんか、興味の欠片もありませんでした

スカイ

死んでも生きてもどうでもいい

しんぺい神

医者らしくない発言だね……

しんぺい神

他に大切な人はいたの？

スカイ

……幼馴染がいました

スカイ

柚希という、同い年の男の子が

しんぺい神

(言い方的にこの子も亡くなってそうだね)

しんぺい神

(母親や弟の死は簡単に言ってたけど、幼馴染の話は少し詰まってる)

しんぺい神

(あまり語りたくないんだろうな)

しんぺい神

その子は、今どこに？

スカイ

……死にました

スカイ

僕らが6歳の頃、暴れ馬で牽いていた馬車に突っ込まれ僕を庇って……

しんぺい神

(馬の操作が誤って事故を起こした訳じゃなくて、あくまで暴れ馬のせいだと言いたいみたいだね)

しんぺい神

(馬の操縦士が知り合いだったのかなぁ？)

スカイ

それがトラウマで……僕は馬車に乗る事が出来ません

スカイ

組織の任務にも活動する範囲は徒歩圏内だけです

スカイ

車という最新の移動手段も……怖くて乗ることが出来ません

しんぺい神

(そりゃトラウマになるだろうね……)

しんぺい神

(にしても、幼い頃に幼馴染と両親の死)

しんぺい神

(弟がいつ亡くなったかは分からないけど、かなりの確率で亡くなってる……)

しんぺい神

(まるで死神みたいだ)

スカイ

僕が持つこの力を羨む人もいました

スカイ

簡単に亡くなった人を生きている状態に戻す事だって可能ですから

スカイ

でも、それはただの私欲でしかない

スカイ

僕の力は脅威だ

スカイ

簡単に人に生かす事も出来ますけど、簡単に人を殺す事も出来るんですから

しんぺい神

(人を生かす事は医者にとったら、医者人生最大の見せ場)

しんぺい神

(でも、患者を殺すことは医者人生最大の失態)

しんぺい神

(その両方を併せ持つ彼からすれば、医者としての技量もない人に、妬まれても仕方ない……けど苦労も知らない人に言われるのは苦しかっただろうね)

スカイ

見殺しにしたかった訳じゃないんです

スカイ

もう……僕に関わる大切な人達が、目の前で居なくなっていくのを、見たくないんです

スカイ

心の底から、弟がこの力を持っていなくて安心していた自分もいました

スカイ

僕は……強くないといけないんです

しんぺい神

……薫さん

後ろにいる薫に声をかける

医者の名家、西条家の奥方と呼ばれた彼女は世界的に有名で

原因不明だった病気の治療法と予防ワクチンの開発に貢献

世界中に広まったパンデミックを収束された一任者だった

科学者としても有名で、彼女が関わった患者や国は様々な形で回復・発展していた

そんな彼女も２児の子を育てた母親だ

薫

何でしょうか、しんぺい神様

しんぺい神

貴女は、彼の事どう思っていましたか？一母親として

薫

良い子でした

薫

父親を急に亡くして通っていた学校を中退してまで家計を支えてくれました

薫

私がこの子達を置いて先に逝ってしまったのは、本当に申し訳ないです

薫

この子も長男として、かなり色んなことを我慢してくれました

薫

幼い頃から、父親に憧れ力に頼らず医者になりたいとまで言ってくれました

薫

その夢だった医者を、形は違えど夢を叶えて歩んでいるのは誇らしい事です

薫

私はこの子が楽しければそれでいいんです…彼を縛るモノは私が全て壊します

薫

それぐらいの域です

しんぺい神

（主従関係が見えたから死体を操る奴隷みたいな扱いをしてるのかと思ったけど、違うね）

しんぺい神

(薫さんから出る言葉は全部子を思う言葉……全て壊す…か)

薫

だから、死んだ今でもこの子のために私は働く事を選んでいるんです

薫

この子は……簡単に人の命を奪う事はしない子だから

薫

この子の手を汚す訳にはいかないんです

薫

この子の親として、私が出来る最大限の尊重も愛情で、この子が求める結果を果たすだけです

そう語る薫の瞳には死人とは思えない強い決意を満ちた光が灯っていた

ふたつの主役第5章～絡み合う種族～

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