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それから数日後の休日の朝
ピロン
一件の通知がメールから届いた
開くとそこには
一次審査通過 ○月○日△△ビルの5階にお越しください
とシンプルなメール文があった
あっきぃ
審査通ったんだ
アイドルになりたい理由なんてないのに
よっぽど人が足りてなかったんだろう
そう思いながらテレビを点けると
「最近話題のアイドルオーディション 応募人数が凄い事になってるそうです」
その話題は俺の応募したオーディションだった
「ええ、はい若者に大人気だそうです」
「でも一次審査を通るのすらごく僅かな人だけだそうですよ?」
「そりゃぁ、大手ですからねぇ」
その後はくだらない話がつらつらと述べられているだけだった
テレビの電源を落とし考える
なんで俺なんかを通したんだろう
メールミスかもしれない
でも一つの希望に賭けたくてその日まで待ってみることにした
数日後俺は指定されたビルにきている
アニメやドラマで見たことある様なシンプルなオーディション会場
パイプ椅子がいくつか並べられ横長の机が遠感覚に並んでいる
パラパラと人はいる
それでも10分前まぁ早い方だろ
キュッキュッと音を立てながら椅子に座る
あっきぃ
周りは誰かと話している
でも俺にそんなコミュ力はないのでスマホと睨めっこ
しばらくして違うところの扉が開き審査員らしき人が入ってくる
人気アイドルのマネージャーらしい人
大手広告会社のマーケティング部の社員
色んな歌手の作詞作曲をし自分も歌手として活躍してるシンガーソングライター
全員集まったのを確認すると審査が始まった
左側から軽い自己紹介に特技、アイドルを目指した理由を話す
俺はダンスが得意で…
あっきぃ
くだらない
主観で見た特技なんて大した事はない
所詮自分の思い込みでしかない
そんな事を考えていたらいつの間にか俺の番になっていた
次の方どうぞ
審査員に言われ立ち上がり
あっきぃ
審査員の口角が上がったのがわかった
やっぱそうだ
誰も俺のキャラ作りに気づかない
俺の本性に気づかない
じゃあ最後にアイドルになりたい理由は何かな?
まるで子供に話す様に優しく優しく聞いてくる
あっきぃ
ありません