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里奈
応答なし
里奈
ママ
里奈
ママ
ママ
里奈
里奈
今日は何時に帰るのかなんて 確かに滅多に聞いたことがないので 母が不思議に思うのも無理はない。
しかし私は 学校帰りに自宅の最寄り駅で あるものを見てしまった。
里奈
紗良
学校帰りに友人の紗良と 駅で話していた時に 偶然見てしまったもの それは……
ママ
?
父ではない見知らぬ男と 腕を組んでやけに親密そうに歩く ママの姿だった。
紗良
里奈
紗良
紗良に肩を揺さぶられ 一気に周りの音が耳に流れ込んできた 怪訝そうな顔をする紗良に謝りつつ 急用ができたと嘘をつき 家に走った。
家に着けばママがいる。 そうすればさっきのは見間違い。 きっと私の早とちりであると 信じ込み、玄関を勢いよく開けるも
ガチャッ
里奈
家の電気は全て消えており 物音1つしない 当然返ってくる返事もなく 私はさっき見たものが 見間違いでもなんでもないことを 思い知らされた
里奈
信じたくない私は冒頭のようにママにラインを送った。 しかしそこで分かったことは ママの潔白でもなんでもなく ママが平然と嘘をついたという 現実だけだった。
里奈
里奈
未だに私は受け入れきれずにいた しかし 数日前の学校での 紗良との会話を思い出した。
紗良
里奈
紗良
里奈
紗良
里奈
この時は噂好きの紗良の話を いつものように聞き流していた 不倫…ただの一般人でも… 遠い話だと思っていたものが 一気に身近なものになってしまった。
結局ママは7時半どころか 時計の針が24時を回っても 帰ってくる気配がなく 私は全く眠れずにいた
里奈
自然と夕方に見たものを 思い出してしまう。
里奈
里奈
里奈
そう、私のパパは普段は とてもいい人なのだけど お酒を飲んだり機嫌が悪いと 物にあたったり怒鳴ったりと 少し問題がある。 私はそんなパパが少し苦手だった。
里奈
そう思った時 ガチャガチャと乱雑な音を立てて 玄関が開いた。 それと同時に物凄い音を立てながら 階段を上がってくる足音。
パパ
パパ
そう怒鳴りつけながら パパは手に持っていたスマホを 私に向かって投げつける。 私ではなくそばにあった花瓶に当たり 音を立てて花瓶が割れる。
里奈
里奈
パパ
しばらくこちらを睨みつけたあと 無言で部屋を出ていくパパ。 扉が閉まったことを確認して 深い溜息をつく。
里奈
一言呟き、私は眠りについた。
~夢の中~
里奈
里奈
気付くと私はとても懐かしい場所にいた ここは昔まだパパもママも普通で 幸せな家族だった頃に3人で来た 遊園地。
ママ
パパ
里奈
ママ、私、パパという順番で 手を繋いで歩いた。
里奈
ママ
"びっくりハウス"と看板に書かれた 箱型の建物の中から こちらへ手を振るパンダを見つけた。 ママの呼び止める声も聞かずに 私は繋いでいた手を離し そのパンダを追いかけて建物へと入った。
私が中に入った瞬間 ガチャリ、と重い音をたてて ドアが施錠される。 さっきのパンダを探して 辺りを見渡していると
スピーカー
どこかから無機質な声が聞こえてきた
里奈
スピーカー
里奈
なぜか恐怖心はなく 今から何が始まるのかとわくわくした
スピーカー
里奈
スピーカー
楽しそうなBGMが流れる。
スピーカー
スピーカー
里奈
スピーカー
スピーカー
里奈
スピーカー
里奈
スピーカー
里奈
スピーカー
里奈
すごく優しくて 嫌なところはないと答えようとした時 ふと見知らぬ男と歩く ママの姿が頭をよぎった。
里奈
スピーカー
里奈
スピーカー
スピーカー
里奈
スピーカー
スピーカー
スピーカーがそう言うと さっきまでただの壁だったところに 扉ができていた。
里奈
スピーカー
スピーカー
言われるがままに扉を開ける。 さっきの部屋より少し大きな部屋。 変わったことといえば 正面の壁に3つの扉があること。
スピーカー
スピーカー
里奈
スピーカー
スピーカー
スピーカー
スピーカー
スピーカー
正直イマイチ意味がわからなかったが どれを選んでも少しは 今よりも静かな生活が来るようだ。 足音や物に当たる音にも参っていた私は 真ん中の扉を選んだ。 扉を開けると
スピーカー
スピーカー
スピーカー
スピーカー
反省はしてほしい。 だけど ママの裏切りが無かったことになるなら それがいいのかもしれない。 それとも ずっと家にいてくれることがいいのか 私は悩んだ。
スピーカー
里奈
最終的に私は ママの裏切りがなくなることを望んだ 真ん中の扉に手をかけ 勢いよく開けると
スピーカー
気がつくと私は 夢から覚めていた。 時計は夜中の3時を指している。
里奈
喉が渇いた私は キッチンに向かった。
するとそこには
一面に飛び散る血。血。血。 パパは舌を抜かれて手足が切断されていた。 ママは顔も体も 原型を留めないほど何かで殴打されていた。
里奈
里奈
私が寝汗だと思っていたそれは 光で照らすと かなりの量の返り血だった。 リビングに転がる包丁とレンガを見て 全てが繋がる。
里奈
もう怒鳴ったり物に当たることも しないパパと もう他の男の人の知らない姿のママを 両手で抱きしめて 私は2人に話しかけた。
里奈
里奈
里奈
里奈