しあ
しあ
りうら
生きるのを諦めている。 俺はそう思った。 いや、そう思わざる得なかった。
瞳には光源はなくハイライトのハの字すらもかすっていない。
ほとけ
ほとけ
前世の敵であったホトケ・ステラフィアは、不自然な笑みを浮かべ俺にそう言った。
りうら
奴隷と主人。 絶対に埋まることの無いその立場の差に絶望した。前の主人は俺の肉体、精神すらも脅かした。
今さっきからの態度は前の主人であれば鞭打ちと冷たい地下牢へ直行であろう。ちなみに性行つきである。
かつての敵であったホトケ・ステラフィアは、大雑把で適当男に媚びを売り太りきった肉肉しい体で近寄る気色が悪い奴だった。
俺は今の姿立ち振る舞い、体型などを一通りみて同一人物であると思えなかった。 俺は、前世コードネーム、ローズとしての一生を全うし死に際に転生したサラマンダーの最後の末裔。別名炎の妖精。
りうら
俺の理性も身体も何もかもそう感じた。ホトケ・ステラフィアを置いて行っては行けない。そう思ったから。前世も同様の人格形成で容姿だったのであれば。
このまま逃げれば、革命は起きてしまう。それかそこ前に……
いや…… 変なことを考えるな。 第5英雄の1人、ローズ。 原名、リウラ・フェルミ そんな不吉なこ……
ほとけ
ホトケ・ステラフィアは、暴れ出す。 瞳は、既に充血していた。 此奴泣く姿を見られたくないのか? そう直感が働いた。
りうら
りうら
りうら
りうら
ほとけ
ほとけ
ほとけ
嘘だ。こいつ。 なんなんだよ。
ほとけ
ほとけ
りうら
確かに力については一理ある。 ていうか、逃がそうとしてるんだよね。何でコイツは奴隷奴隷連呼する訳!?
事実だよ。 事実。確かにコイツは前世イケメンの男奴隷を気色悪い扱い方をしニヤニヤしていた。でも。
なんか違う。 カマをかけてみようか……?
りうら
りうら
ほとけ
ほとけ
ほとけ
りうら
りうら
ほとけ
やだっやだやだやだ。 止まってよっ ねぇ
そんなこと考えたって滞りなくこぼれ落ちる雫を止めようと上を向く。
りうら
ほとけ
何で…… いやずっと居た。でも。
ほとけ
感情は既にごちゃごちゃで頭の中は、混乱していて。リウラ・フェルミという現時点で画面の中でしか見た事のないほぼ他人に泣き顔を見られた。
ほとけ
みないでっ なんで。
りうら
リウラ・フェルミは、僕のすぐ側まで来てそのまま僕を抱きしめる。
何で逃げないの。 優しくしないでよ。リウラ・フェルミは何を考えているの?
もう何も分からないよっ……
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