青
……来てたんですね、
桃
ぁ……はい、
桃
お邪魔させて頂いてました……今帰ろうと……したところです、
青
そうなんですね……
学校も同じなのにどうしてこんなに敬語で他人行儀かと言うと……
実際学校ではあんまり関わんないし急に橙と仲良くなった俺をきっと怪しんでるんだと思う
桃
ぁ……もし良ければ日にちが合う時に橙とお出かけ…してもいいですか?
青
……
青
どこに……ですか?
桃
えっと……
桃
動物園とか……いいなって思ってて……
青
……
青
……無理
桃
……ッ、
橙は沢山恐怖症を持ってるし……増してや動物園なんて……許可降りねぇか……
青
恐怖症とかもそうだけど……
青
やっぱ信用できない
桃
……え、?
青
まだ僕は……桃さんのこと信用できないんだよ、
桃
なんで……ボソッ
全然信用を得られないしいつまで経っても同じ謙虚な態度だし……
青
僕達の親は早く他界したの……
桃
……ッ、!
青
それからおばあちゃんが助けてくれてなんとか……僕と橙くんは生活することが出来た、
青
でも……橙くんは生まれつき恐怖症がめちゃくちゃ多くて……耳も聞こえなかったから……入院生活をずっと……
桃
……
青
僕は一人で生活してた……毎日橙くんに会いには行ったけれど……
桃
……
青
ある日……病室に行ったら一人の男が橙くんと話してたんだ、
青
僕はその時嬉しくて……橙くんに友達ができたんだって密かに喜んでた
桃
……
青
でも……そんな喜びは一瞬で消えた
桃
……、
青
その男……橙くんを困らせてたんだ、
青
告白しては振られて……強引に迫ってきたりしてたりしたらしくて……僕はそれに全然気づけなくて……
桃
……っ、!
青
僕は泣きながらもう来ないでって言ってそいつは来なくなったんだけど……
青
それから今まで以上に橙くんを守らなきゃって意思が強くなって……
青
桃さんが悪い人……とは思わないけど、一回信じていた人に裏切られたから……信じられなくて……
桃
……そうだったんだ、
桃
話してくれてありがと……
青
……
桃
俺は絶対橙を守ってみせる……
青
……、
桃
信用されなくてもいい、信用されるように行動で示すから……
桃
青さんは……少しづつでも俺を信じていってほしい……
青
……
確かに……そんな過去があったら俺を信用出来ない気持ちも分かる、
でも俺はあの日惚れた橙を悲しい思いには絶対させない