テラーノベル
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眩い光を抜けた瞬間、6人は勝利を確信して叫んだ。……けれど、その歓喜は一瞬で凍りつく。頬をなでたのは涼しい秋風ではなく、建物の焼ける臭いと、肌を刺すような熱風だった
葉蘭奈
葉蘭奈が呆然と立ち尽くす。校門の先に広がっていたのは、自分たちが知っているコンビニや街灯のある風景ではない。瓦礫の山と化した住宅街、そして空を覆い尽くさんばかりの黒煙だった
卓郎
卓郎が指さす先、真っ青な空を銀色の巨体――B-29の編隊が、不気味な唸りを上げて横切っていく。直後、遠くで「ドォォォォン!!」と大地を揺らす爆発音が響き、巨大な火柱が上がった
たけし
たけしがパニックになり、地面に這いつくばって頭を抱える。ひろしは震える手でメガネを押し上げ、足元に転がっていた「防空頭巾」を拾い上げた。そこには、血の混じった泥がこびりついている
ひろし
藍は自分の手を見つめた。あんなに強く輝いていた蒼い光は、この時代の圧倒的な暴力の前では無力だったのか、ガラス細工のように儚く砕け散っていた
藍
遠くから、空襲警報のサイレンが悲鳴のように鳴り響く。それは、終わりのない新たな地獄の始まりを告げる合図だった
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