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練習が終わる頃には、 外はすっかり雨になっていた
激しく窓を打つ音に、 体育館内の空気も少し冷えている
朝
帰りの支度をしながら朝がぽつりと呟く
その声を耳にした影山は、バッグから自分の折りたたみ傘を取り出して、無言で差し出した
朝
影山飛雄
顔をそむけたままぼそっと言う影山に、 朝の頬がふわりと赤くなる
朝
雨の音が傘の上に響く
二人で差すには少し小さめな傘
自然と肩が触れ合う距離
朝はいつもより静かな影山の横顔をそっと見つめた
朝
影山飛雄
朝
朝
影山飛雄
影山飛雄
その言葉に朝の胸がドクンと鳴る
彼の声が真っ直ぐすぎて、 少しだけ照れてしまう
朝
影山の足が一瞬止まる
影山飛雄
ぎこちなく返すその声に、 朝はそっと笑った
朝
その言葉に、影山の耳が真っ赤になって、思わず傘の持ち手を強く握った
あと10センチ、あと5センチ
近づきたいのは距離じゃなくて、 心かもしれない
その日、二人の帰り道は、雨音よりも心臓の音の方が大きく響いていた