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冴内蒼空
シエルとのことが どうしても頭から離れない。
蒼空は最大限に溜め込んだ息を まとめて吐き出した。
周りの世界がいつもより更に 眩しいものに見える。
冴内蒼空
冴内蒼空
悔やんでも悔やみきれないとは、 きっとこういう時に使うんだろう。
余談も含めそんなことを考えつつも 足はしっかりと教室に向かっている。
最上勝
冴内蒼空
元気のいい声が聞こえたと 思うのと同時に背後からの衝撃。
蒼空とは打って変わって 輝くような笑顔の最上だった。
最上勝
最上勝
廊下にカラカラした最上の笑い声が響いた。
この人に落ち込むという感情は あるのだろうか…
引きつった笑顔を最上に向けると つられるように乾いた笑いが 蒼空の口から漏れる。
最上勝
冴内蒼空
あれから結局一睡も出来なかったのだ、 クマくらい出来てもおかしくないだろう。
日々の楽しい徹夜とは比べものにならない。
あまりの大事件で“眠る”の概念を 通り越していたのだから。
最上勝
最上勝
冴内蒼空
見透かしたような最上の言葉に 一瞬体が跳ねるが すぐに落ち着きを取り戻す。
趣味の話は誰にも 打ち明けたことがなかった。
昨日シエルに話したのを除けば。
最上の性格を一言で言えば、天然。
周りとは少し違う感性を持っていて、 だけどそれに関して 劣等感を抱くことはない。
それどころか、 変わっていることに気付いていない。
明るい性格、抜群の運動神経、 場を和ませる発言に 持ち前のリーダーシップ。
最上の周りにはいつも自然と 人が集まっている。
教室で何度も見た光景から 蒼空は最上にそんな印象を抱いていた。
けれど、だからか、 天然なはずの最上は たまに核心をついてくることがある。
最上勝
冴内蒼空
嫌味のない笑顔で蒼空を見る最上。
唐突なその言葉に間の抜けた声が出る。
最上勝
冴内蒼空
冴内蒼空
冴内蒼空
最上勝
冴内蒼空
最上勝
冴内蒼空
最上勝
冴内蒼空
クラスメイト
蒼空の声はクラスメイトの声に 掻き消された。
最上勝
クラスメイト
最上勝
最上とクラスメイトは 昨日テレビでやっていた サッカーの話で盛り上がり出す。
サッカー部の次期エースと 呼ばれている最上の 周りからの信頼が厚いことが見てとれる。
気付かれないように忍び足で その場から離れようとする蒼空。
最上勝
どんなに遠くても聞き取れるんじゃないか、そんな疑問が浮かんできそうなほど通る声のおかげで注目は蒼空に向けられる。
冴内蒼空
渇いた笑い声はあまりにも小さく、 クラスメイト達のざわめきで 誰の耳にも聞こえなかった。