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sparkle

5 - 消せない想いがある

♥

1,225

2024年06月04日

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この人達の狙いは

 

---さぁ、一緒に来てもらおうかな?

これは桃虹組の痛手になるだろ

一般人を巻き込むなんてな

 

ゆあんくんだ。

 

 

おい!聞いてるのか!

男たちのうち一人が私の腕を強く引っ張った。それを合図として私は

runa

---えいっ!!

 

バッシャァ!

 

 

ぎゃあぁあ!

 

痛いなんだこれ…っ!

 

しみるっ…!

振り返る瞬間 持っていた消毒薬を男の人たちに 向かってぶちまけた。

runa

…!(今だ!)

タタッ!

 

あっ!!待て!!

相手に一瞬の隙ができる その好きに私は保健室から飛び出した。

用意…パァン…ン

 

しばさん

---!

no

!!

yanくん

発砲音!?

 

絶対そうだ! うまく被せてはいるらしいが 何せここにプロが三人

オレたちの耳にははっきり ピストルの音ではない---

 

yanくん

っるな!

 

救護テントに目をやると、さっきまで見えていたるなの姿が見えなかった。もちろんクラス席にもグラウンドにもいない

 

yanくん

るながいない!!

しばさん

なんだって!?

 

こんな体育祭に銃声が響くなんて

関係するとしたら オレかるなしかいない。

 

しばさん

お嬢のGPS…!

険しい顔をしたシヴァさんが スマホを忙しなく操作する。

no

すごい速さで校内移動してる…

 

やっぱりるなに何かあったんだ!!

 

yanくん

オレいく!!

yanくん

GPSの位置は!?

しばさん

どこだ…とりあえず北校舎内だな

 

yanくん

なおきりさんは姉さんに連絡と、えとさんとヒロくんに姉さんの護衛頼め!!

悩んでる暇なんてない

yanくん

その後なおきりさんは周りを警戒して状況把握と細かい情報収集!

すぐに行かないと

yanくん

あと、持ってるな!?ちょっと貸して!!

オレはなおきりさんが隠し持つ ハンドガンを奪って 後ろのポケットに突っ込んだ。

no

ちょっと若!!

 

しばさん

うちのお嬢に手を出すとはいい度胸だな…

シヴァさんも内心穏やかではないらしい (当たり前だけど)

背負っていた、紐で縛ってあった筒のようなものを取り出す。

しゅる

特徴的なあの歯で器用に紐を解いた。

no

なにそれ…

しばさん

スナイパーライフルに決まってるだろ

no

狙撃する気!?

シヴァさんは オレに向き合ってこう言った。

しばさん

…オレはじゃぱぱさんと合流する。

しばさん

その後すぐ向かう!それまでどうにかしろ!!

yanくん

わかってるよ!

しばさん

死んでも守れ!!
できるな!?

yanくん

当たり前だ!!

言われなくともそのつもりだ

no

うちも若いなくなったら困る!!無理はしないで!!

 

 

yanくん

(るなが校舎に入るとしたら、保健室から…!)

きっとそこを狙われたんだろう

yanくん

(オレが行くまでなんとか逃げ切れ…!!)

とにかく早く 保健室がある北校舎へとダッシュした。

 

runa

はぁあ〜どぬくさん

runa

速すぎますぅぅ…

どぬ

るなさん

どぬ

一直線をただ闇雲に走ったら

どぬ

捕まえてくださーいって言ってるようなものだよ?

runa

だって他に何をすれば…

もふくん考案の"鬼ごっこで学ぶ護身術"

鬼役のどぬくさんに言われた…

どぬ

るなさんは足が遅いからぁ〜そうだな…

どぬ

障害物を作りながら走るの!

runa

障害物?

どぬ

例えばだよ?走ってる最中にゴミ箱とか段ボールとかなんでもいい。全部なぎ倒しながら進むの。

どぬ

そしたら追ってる人の時間のロスになるでしょう?

runa

そっか…

どぬ

使えるものは全部使って!

どぬ

あとはこう道がわかりにくいとこに逃げ込むよ!

runa

そんな場面でくわすかな…

 

なんて呑気に言っていたけれど…

runa

はぁっはぁっ!

runa

うわーん!まさか学校で遭遇するなんて!

 

長い廊下を全速力で走る

どぬくさんに教えてもらった技を駆使して

runa

えいっ!

体育祭の準備で廊下にそのまま出してあった荷物を床に散らばせながら走る。

runa

ちょっとでも…!

二階と三階へ行くと 西校舎とつながっており

少し構造が複雑だから

なんとかなるかもしれない…!!

希望を胸に私はとにかく走った。

 

runa

(グラウンドには出れない!!)

runa

(みんながいるところで銃を使われたら…!)

大惨事だ

 

待て!!

runa

もうきた!!

後ろから追ってくる男の人たち…!

runa

もうちょっとで階段っ…

さっきの銃の音 もしかしたらお兄ちゃんかシヴァさんが気づいてくれてるはず!!

だからそれまでどうにか…!

 

runa

わあっ!?

 

 ザッ

つまずき転がってしまった。

 

 

ちょこまかと!!

runa

痛いっ離して!

追いつかれてしまい 腕を掴まれ引っ張り上げられる

 

こっちに来いって!

runa

いやったらいや!

必死に抵抗するけど 男の人の力に敵うはずはない。

runa

やだーっ

 

このっ!

両手首を取られ 壁に力強く押さえつけられた。

runa

んん…!!

男の人たちが私の周りに集まって 話し始めた。

 

よくみればかわいい顔してるな…

 

捉えた後は好きにしていい

runa

…!?

ゾッとした

 

やったぁ!オレ好みなんだよねー!

 

見る目あるな若頭

runa

(気持ち悪い…!)

お兄ちゃんやゆあんくんじゃない 知らない男の人たちに

女としてみられることが こんなに恐怖だとは

runa

やぁだ!

 

知ってるか

 

そう身を捩るのもただの煽りにしかなってないんだよ

runa

…っ!!

 

どうしたらいいの

大人しく連れて行かれるの

連れて行かれたらどうなるの

 

runa

(んん…だめだ力強過ぎ…)

 

こわい

頭の中に浮かぶのは

たすけて

大好きな

 

---るな

 

 

バァン!

runa

!?

 

なんだ!?

近くの教室のドアが突然倒れる

 

強い力で打ち破られたらしいドアは

 

強い衝撃でひしゃげている。

 

 

いきなり何…!?

 

---おい

中から出てきた人物に 男の人たちは言葉を失った。

低い声がもっと低い

男の肩越しに目につく赤いメッシュ

runa

あ…

全身が毳立つような殺気

 

なっ…!

普段とは想像つかない

 

若頭!?

開かれた瞳孔

 

---ガチャ、カッ

手に持つハンドガンのスライサーを引き

 

yanくん

汚い手で触るな

yanくん

…離せよ

 

私を押さえ込んでいる男の人の頭に 銃口を突きつけた。

 

若頭!?

ゆあんくんの登場に慌てているよう

yanくん

お前らと会話する気はない

冷たくて低い声が廊下で響いた。

 

違います!!若頭!その…!

yanくん

言ったろ、会話する気ないって

 

yanくん

…オレの言葉聞こえてないの、な!!

バァン!

runa

ひゃあっ!

 

銃を構えた一人の男に向かって ゆあんくんが即座に引き金を引いた。

 

 

くそ!なにす

yanくん

どけっ!!

 

と思えば今度は私を押さえ込んでいた男の顔面めがけ肘を突く。

 

yanくん

るなっ下がれ!

runa

う、うん!!

 

私はゆあんくんに腕を掴まれると、隠されるように後ろへ引っ張られた。

 

 

ふざけんなよ!

一人ゆあんくんめがけ突っ込んでくる。

yanくん

邪魔ァ!!

ドッッ!!

くるんと回ったかと思うと 胴体目掛け、鋭く蹴りを入れ

 

 

うぐあっ!!

 

男の人はよろけて そのまま地面へ崩れ落ちた。

 

runa

強い…

yanくん

るなっ!遅くなってごめんね大丈夫!?

私の目の前にいるのは いつものゆあんくんだった。

私の肩を掴み、遅れてごめん 何かされてないかと何度も口にする。

runa

大丈夫、大丈夫だよっ՞ ՞
びっくりしたけど…

先ほど 知らない男の人と近距離でいたからか

今目の前にいるのがゆあんくんで 気が抜けたように安心した。

yanくん

なんでうちの組の奴らが…!

runa

あのね!あの人たちの目的はゆあんくんなの!

yanくん

オレ?

runa

るなを人質にして桃虹組を潰そうとしたみたい

runa

るなのことわかってなかったよ、天龍会の人間だって…だからゆあんくんがほんとに目的だったんだと思う。

 

yanくん

…っつ!!

yanくん

巻き込んでごめん…!

 

ぎゅうっ

 

苦しそうな表情をしたと思えば

突然 引き寄せられて強く抱きしめられる。

yanくん

本当怪我なくてよかった…!

私の後頭部に手が回り、力強く胸の中に押し込まれた。 首筋に、ゆあんくんのさらさらした髪があたってくすぐったい。

runa

…来てくれると思ったから

runa

ありがとう

ぽんぽん ゆあんくんの背中を優しく叩いた。

 

ゆあんくんのにおいがする。

息を吸って吐いて…無事を実感した。 よかった…

 

 

runa

大丈夫だから---

いたぞ!あそこだ!

yanくん

くそっ!まだいるのかよ!

 

保健室のあたりからまた数人 男たちがこちらへ走ってきている。

yanくん

何人いるんだ…!

runa

ゆあんくんとりあえず上に逃げよう!グラウンドに行ったら危ないよ!

yanくん

そうだな、西校舎にぬけるぞ!!

runa

うん!!

私たちは西校舎へ続く階段めがけ 全速力で駆けた。

no

組長代理!

しばさん

ボス!

銃声だと気付いた後 なおきりさんとシヴァさんが こちらへ飛んできた。

noaさん

なおきりさんっ!

noaさん

ゆあんくんは!?

ゆあんくんの姿が見えず顔が青ざめる。

no

銃声を聞いて北校舎に…

jpp

ということは

jpp

…るなか?

noaさん

そんな、るなさん…

じゃぱぱさんをまとう空気が張り詰める

しばさん

俺行く。じゃぱぱさんはもう戻って。

jpp

一人で行ける?

noaさん

なおきりさん!

no

わかってますよ

no

一応こっちにあと三人いますから。

no

加勢します。

しばさん

なおきりさんあんた何でやるの?ゆあんくんにハンドガン取られたろ。

no

拳?

しばさん

えぇー…マジで?

拳を作りにっこり笑ってるが… 表情はどことなく冷たい。

no

代理はもう戻って!えとさんとヒロくんがここへきますから、一緒に本邸へ戻ってください!

noaさん

そんなっ

no

たっつんさんには連絡しておきます。

仕方のないことだけど 私はこんな時も何もできないなんて…

悔しい

 

jpp

のあさん、ここは戻った方がいいよ。

jpp

るなが追われているのなら

jpp

うちがしっかり落とし前つけるから

noaさん

…!わかりましたっ!

 

しばさん

なおきりさん、行こう

no

シヴァさんこれあげる。
インカム

しばさん

サンキュ

no

ふたりで動くの、高校以来かぁ。懐かしいな

しばさん

…思い出話は後だよ。

しばさん

お嬢とおたくの坊ちゃんが先だ!

バタバタバタバタ

 

yanくん

どこまで追ってくるんだよ!

runa

はぁっ足がっ…!

西校舎へと入り 私とゆあんくんは相変わらず 逃げ回っている。

yanくん

しつこいっ!

runa

まって!!

runa

前からも!!

進む先にも 数人こちらに突進してきた。

---挟み撃ちだ

  

 

ur

伏せろ!!

runa

!?うりりん!!

yanくん

危ないっ!!

ゆあんくんが私に覆い被さる。

 

ガッシャァン!!

 

ゆあんくんに庇われて身を低した。 床に目をやると ガラスの破片が散らばっている。

ur

間に合った!

うりりんが窓ガラスを突き破って中に入ってきたらしい…って

ここ2階なんだけど!?

yanくん

なんで窓から!?

ur

3階から降りてきたんだよ!

runa

ベランダないのに!?

ur

壁づたいに降りた方が早いから、な!

会話なんてしてる場合じゃない すぐさま乱入してきたうりりんに男たちが襲いかかる。

ur

あっぶね!若頭!前!

runa

…すごい

相手の攻撃から綺麗に避けきった。 無駄な動きが全くない。

yanくん

わかってるわぁ!
るなちょっと…

yanくん

下がっててね…どけっ!!

runa

ひゃあっ!

 

ゴッッ!!

 

低く鈍い音が響いた。

私たちに襲いかかってきた男 ゆあんくんは避けることなく 右ストレートでお迎する。

 

runa

(ゆあんくんあんな力あったんだ…!)

ur

…ちっ

うりりんも身を屈め 大柄な体のみぞおちめがけ膝蹴り

 

ぐっっ!!

 

ur

ど け やぁぁあ!

 

長い足がすらりと高く上がったと思えば

ドッ!!

 

うぐぁあ!

屈む相手の背中へと 足を振り落とした。

前かがみになりながら倒れていく。 だけど後ろからまた現れた別の男の手に

runa

うりりん、あぶないっっ!

ur

--!!

 

カッッッ!

 

銃が天井に叩きつけられている。

構える手めがけ 思いきり足で蹴り上げたところだった。

 

runa

(ふ、ふたりとも…強い!)

 

拳で、足で、二人とも怯むことなく 相手と同等…ううん、二人の方が強い。 立ち向かっていく。

runa

(わかってはいたけど…)

 

 

---いたぞ!!

---あそこだ!!

runa

さっきの人たち!

yanくん

バケモノ!どこまでくるんだよ!

私を最初に襲った人たちが うりりんの後方に現れる。

ur

クッソ障害物なさすぎてやりづらい…!

ur

若頭、屋上だ!

ur

オレは少し時間を稼ぐ
上に行け!

yanくん

るな行くよ!!

yanくん

おいで!!

差し出された手をしっかりと握る

runa

うん!

さらに固く手を繋ぎ 二人屋上への階段を駆け上がった。

 

 

runa

屋上まで来たのはいいけれど…

runa

ここから先どうしたら

グラウンドではまだ体育祭が続いてる。

みんなの声援がよく聞こえた。

yanくん

…ヒロくんとなおきりさん、シヴァさんがじきにくるよ

ガチャ、ガッ

ゆあんくんが銃のスライサーを引き 安全装置をかけた。

yanくん

とにかくもう、
無駄な発砲はしたくな---

 

ヒュッ

 

カンッ!

 

甘い

 

yanくん

…っ

runa

ゆあんくん!

何かがフェンスに当たる

何が起こったのかすぐ理解できなかった ゆあんくんの肩が少し破れてる…

撃たれたんだ。

yanくん

かすめただけだよ

runa

でもっ

ジャージが少し、赤く染まった。

yanくん

…誰だ

 

 

 

…甘い
遅い

 

そんなんだから

 

桃虹組は落ちぶれていくんだよ

 

…若頭

屋上入り口の後ろから 一人の男の人が出てくる…

口元をいやらしく吊り上げて こちらに銃を向けていた。

yanくん

るなは関係ないだろ

 

 

馬鹿ですか?手段を選ぶはずがないでしょう。

 

若頭に関係するもの全てを使って

 

潰す。
いまの組は脆弱(ぜいじゃく)さが露呈しすぎてます。

 

他に食いつぶされる前に組織を改めなければ…

 

先代たちが泣きますよ。

yanくん

yanくん

"先代たちが泣く"ねぇ…

 

なので

 

死んでくださいね?若頭

 

 

…スゥ

ゆあんくんが静かに息を吸う

次の瞬間肺に溜めた空気を 思い切り吐き出した。

 

yanくん

シヴァさん!!頼む!!

 

 

どこにいく…!

 

うわぁっ!!

runa

えっ?えっ?

男は痛そうに手首を押さえている

 

なっどこから!

 

うわあっっ

男の足元に、何かが幾度も当たった

 

yanくん

るな!捕まって!

yanくん

走って飛ぶぞ!

runa

えっ

runa

ええっ!

ガッシャン

ゆあんくんが私を抱き抱え フェンスまで走り軽々とよじ登る

runa

うそうそうそ!!

展開についていけない。 飛ぶって何!?!? 飛ぶってどこに!?!?

yanくん

目ぇつぶってしがみついてて!!

言われた通りに力いっぱい しがみついて目を閉じた。

runa

えええっ…!?

もしかして飛ぶってまさか そう考えてようした次の瞬間

 

 

yanくん

いけぇーーー!

runa

っっきゃあああ!!

 

 

 

体が浮いたと思ったら 力強い引力で

…真っ逆さまへと引っ張られていった。

ここまでお読みいただき ありがとうございました☺︎

次回ですが

土曜日はお休みして 一週間後になりそうです。

出せそうなら土曜日出しますが…

出なかったら あ、出せなかったなと思ってください笑

その際は火曜日までお待ちくださいませ

のなな

今回戦うシーンを書くのがきつかったです…。

のなな

ありがとうございました!

この作品はいかがでしたか?

1,225

コメント

10

ユーザー

いや、うますぎね!?!?

ユーザー

戦うシーン、お疲れさまです!めちゃくちゃ迫力があって読み応えがありました!✨✨✨なんかもう凄くて…語彙力が湧いてきません……。 うりりんは敵だと思ってた…え、まさかの味方!?じゃっぴとうりりんがわかんないし、なおシヴァの過去も気になりすぎる!1週間後まで、楽しみに待ってます!(長文失礼しました)

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