読者BAR『Cheese TELLER』の本棚

出掛ける準備をして駅前へ

祝日の昼間だとゆうのに 人通りは少ない

指定した場所に行くと 莉沙は既に着いていたみたいだ

目立つ赤のシャツに 花柄のロングスカート

少しメイクされた頬がピンク色で

素直に"可愛い"と思った

口に出しては言えないけど

莉沙は信じられない物でも見たかの様に

驚いた表情で俺を見詰めた

莉沙は呆れた様に肩を竦める

オシャレなカフェに行ったり

映画を観たり ショッピングモールを歩いたり

そんな理想のデートは恥ずかしくて

こんな味気の無いお出掛けだけど

俺にはこれで精一杯

膨れる頬を擦り寄せて

莉沙は俺の指と自分の指を絡めた

買い物を終え、 俺は莉沙を夕食へ招いた

買ってきた物を冷蔵庫等に詰め

俺は夕飯の準備に取り掛かる

多分そんな意図は無かったんだろうけど

それってまるで...

莉沙はまたもやプクッと頬を膨らまし

赤い顔を隠す様にテレビをつけた

テーブルに料理を運び テレビを見ている莉沙に声をかける

2人で他愛の無い話をしながら食べる

2人で過ごしていれば 時間は驚く程あっとゆう間に経ってしまう

莉沙の言葉を合図に、 それぞれで身支度を整える

俺のコートの袖を掴み

震える声で莉沙は呟いた

そんなの、 そんなの俺だって...ッ

莉沙は満開の笑顔で言った

溜まった涙で揺れる瞳

少し震えている手

そのどれもが可愛くて

俺は力強く莉沙を抱き締めた

例え莉沙の両親に 反対されていたって

必ず認めてもらう

認めてもらえる

だって

この世で1番莉沙を愛してるのは 俺なんだから

今はまだ寂しくても

必ず幸せにするから

愛してるよ 莉沙

〜CLOSE〜