先輩のことが…

高校1年生の私、ちさとは吹奏楽部の先輩に恋をしてしまった。

去年の学校説明会の時、吹奏楽部に入る予定だった私は私立陽炎高校の演奏を聴きに行った。

その演奏会で、フルート奏者の先輩に初めて会って、その演奏に一目惚れした。

ソロの際には、周りを圧倒させるくらいの迫力があり、乱暴ではなく、力強い演奏だった。

繊細なビブラートを綺麗に決め、綺麗な指で華麗に連符を決めていく様には周りも息を飲んでいた。

その演奏を聴いて、私は偏差値のそこそこ高いこの高校を目指して必死に勉強した。

また先輩に会えるかもしれないという希望を抱いて…

入学式の日

しゅんたとは幼稚園からの幼なじみで家も近くの腐れ縁。

教室に入ると大体揃っていた。隣の席の子と、前の席の子と軽く会話を交わして緊張をほぐしていたらあっという間に入学式になった。

話して見た感じ、隣の席のあやかと、前の席のともえとは仲良くなれそうだ。

しかも、あやかは私と同じ吹奏楽部に入部したいらしい。

入学式の後の部活体験のことを考えていたらあっという間に入学式は終わっていった。

いよいよ部活体験か… またあの先輩と会えるとなると緊張するなぁ

そんな風にあやかと話してるうちに音楽室に着いてしまった。

今日は楽器体験があるから先輩と近くで話せるチャンスかも！ 頑張るぞ！！

そんな感じで部活体験が始まった。