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桃
青
桃 side
桃
桃
青
いつも の 帰り道 。
そう 思っていた 。
この 瞬間 までは 。
キキーッ!!!
桃
桃
反射的に 青 の 腕を 引っ張った 。
目の前 で 、 車が 歩道 に 突っ込んでいく 。
耳が 痛くなるほどの 衝突音 。
青 は 助かった ものの 、 目の前で 人が 倒れている 。
桃
動かない 。 息をしている感じがしない 。
青 は 俺の 腕の中で 固まり 、 ただ 、 虚ろ な 目で その人を 見ていた 。
青
桃
でも 、 青 は 俺を見なかった 。
この日 から 、 弟 は 静かに 壊れていった 。
事故 が 起きた 翌日 。
桃
青 は 、 椅子に座ったまま じっと どこかを見つめている 。
どこを 見ているのかも 分からない 。 それが 怖い 。
桃
青
手も 動かさない 。 目も 合わせない 。
桃
桃
返事はなかった 。
事故 が 起きて から 3日目 。
桃
桃
青
青 は 布団 を 勢いよく被って 、 俺 から 遠い 方 へ 転がった。
桃
布団の中の 小さな背中 は 、 震えている 。
桃
青
桃
俺は 、 声が震えるのを 必死に 隠した 。
事故が 起きてから 5日目 。
桃
俺 が 帰ってきた瞬間 、 青 は 顔を 伏せた 。
桃
青
桃
青
この 沈黙 で 、 胸が 痛くなる 。
事故が 起きて から 8日目 。
青 は 、 バナナ スイーツ が 好き だから 、 キッチンで 料理をしてるらしい 。
桃
青
俺 が キッチンに 来た瞬間 、 青 は キッチンの隅に 逃げた 。
桃
正直いって 悲しい 。 辛い 。
青 の かわいくて 明るい声を もう一度聞きたい 。
青 は 、 まるで 俺が 怖いものかのように 縮こまる 。
桃
青
返事は無い 。 まぁ 、 分かりきったこと 。
でも 、 震えは 伝わってきた 。
桃
俺は 床にしゃがんで 目線を合わせる。
桃
俺は それだけ言って 部屋を出た 。
事故 が起きて から 13日目 。
今日は 、 青 が 3歳の 時に ずっと 読んでいた 本を 読み聞かせ することにした。
桃
桃
ページをめくるたび、 青 の 肩 が 少しだけ揺れる 。
桃
桃
桃
13日間 ずっと 同じ言葉を 言い続けている 。
桃
青
何十回 言ったか 分からない 。
それでも 、 諦めない 。
事故 が 起きてから 14日目 の 夜 。
今日は 一緒に 寝てやることにした。
桃
青
やっぱり 沈黙 。
また 返事 はない 。
こいつは 一生 喋らないのだろうか?
あの 可愛くて 愛おしい声は 一生 聞けないの か ?
青
小さすぎる声 。
桃
青
桃
青
青
桃
久しぶりに 、 こいつ の 声を聞いた 。
青
青 の 肩の 震え が 強くなる 。
青
青
喋らなかったが嘘かの ように 、 どんどん 大きくなる 声 。
青
桃
堪えきれず 、 俺は 青 を 抱きしめた 。
桃
桃
桃
青
青 が 、 声を あげて 泣いた 。
翌日
青
桃
青 は 、 少しぎこちない 笑顔を 見せた 。
青
桃
桃
胸が 熱くなったけど 、 泣くのを 必死にこらえた 。
桃
青
青
その言葉が 全て だった 。
END