気になるあの人

高校2年生になった春

私はいつも通り電車に揺られていた

最初で最後のクラス替えにとても緊張していた

なぜなら気になるあの人 というか好きな人と離れる気しかしなかったからだ

いつもは別の高校に行ってる元中がいるけど

まだ学校始まってないらしく今日は一人

最悪、好きな人と同じになれなくても仲良い人とは同じになりたいなと思っている

だが、全員離れるような気がする

いつも通りSNSをチェックしていた

そこに1件の連絡が

琴音、通称委員長とは去年同じクラスだった友達である

下の名前で呼ぶよりは“委員長”と呼ぶことが多かった

…委員長ではなくなった今、なんと呼ぼうか悩んでいる

あまりの出来事に泣きそうで心臓バクバクだ

未来くんとは私の好きな人、未来公平くんだ

去年同じクラスだった人だ

かなりの人見知りで女子と話すのに3年かかるとか

でも去年、私と葵で話しかけまくった結果、｢人見知り治りそう｣とは言ってたけど

本当のところわからない

しかも運動神経抜群で

小学生からバスケをやってたって

中学では副キャプテンやってるくらいのベテランさんだ

私も中学3年間やってたけどガチ勢じゃなかったしベンチだったからそこまで上手くない

去年、バスケやってる姿を見てギャップがすごく興奮したものだ

とみーとは富澤幸次郎のこと

去年同じクラスだった人で たまにゲームをしたりする仲だ

不真面目だが実は良い奴

授業中はほぼ寝てる なんなら休み時間イヤホンして寝てる

たまに誰かと話してる時もあるけどね

去年、1回だけだけど

左腕に包帯巻いて学校来たことがあった 怪我もしてないのに

いわゆる、厨二病ってやつ？

こいつもバスケやってた 走り方ちょっと独特だったけど

とみーも去年同じクラスだった人だ

彼とは1度しか話したことがない

彼のおかげで未来くんと関わることが出来たといっても過言ではない

葵もクラス同じだった人で初めて友達になった人だ

彼女とは恋バナとか相談事とか色々話したりする

学校裏までバスに乗り、そこからほんの少し歩く

5段しかない階段をおり玄関に向かう

玄関の入口にはたくさんの人が

私はもうクラスを知っているため、すぐ玄関の中に入る

外靴はとりあえずバッシュケースの中に入れ上靴を履く

そして新しいクラス、2年3組の教室へ

席は出席番号順なっていて席は窓側の1番前

窓側は太陽の光が入ってくる

だから私はあまり好きじゃない

だって眩しいし

荷物を机の横に掛け、上着を後ろに掛ける

そして私は教室を出て友達を探した

タッタッタッ

久々に会った友達と話すのはこんなに楽しかったっけ

そう思うと去年のクラスがとても懐かしく思える

なんなら、クラス替えなんて要らなかったんじゃないか

そう思ってしまった

楽しかった時間はここまで

ここからは友達出来るまで緊張と孤独な時間が始まる

席を座る前にちょこっと彼の席を見る

その姿はいつまでも見れる

1番前ということもあって中々彼のことを見ることは出来ない

あの二人はかなりのゲーム好き

何話してるんだろうと思ったらほとんどがゲームの話

もう何回も見てきてるけど仲良いんだなって毎回改めて思う

ホームルームを終え、みんな一斉に教室を出て帰る

未来くんはスクールバス組の人だ

まれにスクバの来る時間が遅くて普通のバスで帰ったりすることもある

そう、私はLINEするだけでも緊張する

ちゃんと返信が来るか不安なのだ

ピコン♪

帰りはほとんど1人なことが多い

たまにバイトしてる友達と帰ったり

葵と帰ったりする

今日は1人の気分

こういう時はBluetoothのイヤホンを出して

耳に装着し、好きな音楽を流す

それだけで充分楽しい

恋愛系の歌が流れると頭に未来くんが浮かぶ

大江山くんとは

去年同じクラスだった大江山遥斗のこと

彼もバスケをやっていた

スリーポイントシュートがとても綺麗だ

ところが彼もゲーム好き

よく未来くんと中村くんという去年同じクラスだった人とよく一緒にいる

中村くんとは中村悠一くんのこと

彼はTheオタクって感じの人でゲームはもちろん、絵がとても上手い

学校でよく見るのは音ゲーをしている

それと常にイヤホンしている不思議系男子だ

そんなことを考えながらバス停に並んでいると

ピコン♪

続く…