樹
____、
樹
___う、
樹
冰!
冰
…ぁ"?
樹
えっ、寝起き悪
片方の目を開けて声の主を確認する
冰
田中…何でいんの…?
樹
昨晩泊めてもらいました田中樹でーす
冰
……ぁあ。
樹
お、把握した?
樹
てかみこちゃんやばくない?
樹
叩き起こされたんだけど
巫子
ごめんなさい、兄さんだと思って容赦なく起こしちゃって!
樹
ほら、学校行くよー
樹
遅刻!
冰
あ"?今何時?
まだ焦点が定まらない目でリビングに掛けられた時計を見る
冰
巫子…時計見て
巫子
5時ー!
冰
…何が遅刻だバカ
樹
ねーえ、弁当作ってよ
冰
たこ焼きでも食ってろよ…
樹
さっきから治安悪くない?
冰
Hey Siri、松村に電話かけて
こうなったら色んな奴巻き込んでやる…
北斗
え、何?
冰
お"はぁ"…
北斗
…冰?
北斗
声やばくない?
樹
俺もいまーす
樹
冰は今起こしたばっかでーす
北斗
は?……あぁ樹か
北斗
名前名乗ってくんない?
冰
田中…スマホ貸して
樹
何すんの?別に良いけど
ロックが外されたスマホを渡される
冰
Hey Siri、きょもに電話して
北斗
え?
北斗
破天荒すぎない?寝起き冰
大我
…樹、朝っぱらから電話してこないでよ
樹
いや、俺じゃないよ?
冰
きょも、おはよ…
大我
…ん?冰?
北斗
2人共名乗らない感じなのね
北斗
厄介だなお前ら
大我
あれ、北斗もいんの?
樹
北斗は冰のスマホ越しで話してる
大我
ふーん……顔洗ってきていい?
冰
んー…。
樹
ほら、冰も起きろ
冰
んー…
北斗
…てか、樹はもう意外とはっきり起きてんのね
北斗
遅刻ギリギリに引きずられてくるのかと思ってたんだけど
樹
そーれがマジでみこちゃんやべぇの
北斗
んは、そっか?
二人が話しているのを聞きながら起き上がり洗面所に向かう
顔を洗ったり等を終わらせて戻りキッチンに立つと1人分の声が増えている
…きょもが戻ってきたのだろう
樹
お、弁当作り?
僕の気配に気がついた田中はそう聞いてくる
冰
と、朝ごはん。
樹
朝はたこ焼きでいいべ?
冰
朝からカラシ入り当てたらたまったもんじゃないでしょ
北斗
ははっ、根に持ってる
大我
樹ー、ビデオにしてー
樹
おっけい
冰
いや、寝起きなんだけど
冷蔵庫に向けていた目を田中の方に向けると既にそこにはカメラのレンズ。
冰
…あ、田中
樹
ん?
冰
弁当箱、ないけど
樹
えっ!作ってくれんの?
冰
何、作らなくていいの?
樹
いや、違う!作ってください!!
樹
タッパーとか適当なのに詰めてもらえたら!それで!!
冰
んー。
樹
よっっしゃ、羨ましいかお前ら!
大我
ずるー
北斗
いいなー
樹
もうちょい感情込めろよ
冰
…田中
樹
はーい
「ん」と恐らくお弁当が入っているであろう保冷バッグを渡される
それを受け取る俺は冰が作ってくれた朝ご飯を食べていた
そう、撮るなと言われたあと餌付けされてちゃんとそれに釣られたのだ
樹
あ、冰
冰
…ん?
樹
今日昼一緒に食おうぜ
樹
昨日のタコパメンツだから
樹
もう全員知り合いっしょ?
冰
…いや、ちょっと昼用事あるから
冰
行けない
樹
ふーん…
樹
じゃあグループには入っとけよ
樹
ほらこれ「SixTONES」
冰
…何それ?
樹
この名前で、メンバーで、今年の有志出んだよ
冰
…へぇ
冰
それなら僕入っちゃだめでしょ
樹
曲作ってくれんだったら入ったほうがよくね?
冰
誰が作るなんて言ったの
樹
は?
冰
じゃあ、僕行くから
樹
あ?!え、ちょ、!
ツンとした表情の冰を追いかけるが追いついたときにはもうドアが閉じられるところだった
樹
…はぁ?
北斗
やっぱ距離、取られてんな
ミュートを外した北斗が話し始める
そう、二人には電話を切った風で話を聞いていてもらったのだ
大我
なんでなんだろ
北斗
今日の昼、本当に「用事がある」んだったらまだダメージは少ないけどね
樹
でも何で急に…
巫子
あ、あの
樹
ん?どうした?
ドアからみこちゃんが顔を覗かせる
…なんか昨日も見た気がすんな
巫子
昨日聞くの忘れてたんですけど、
巫子
集まってた人達ってもしかして去年の学祭で兄さんの曲歌ってた方達だったり…?
樹
え、うん!
巫子
やっぱり、そうなんですね…!
巫子
ふふ、そっかそっか…
樹
みこちゃん俺らの事知ってんの?
巫子
はい、兄さんの部屋に置いてある写真、2枚あるじゃないですか?
樹
(俺が見たのは1枚だけだけど…確かに写真立ては2つあったし)うん
巫子
あそこに、田中さん達…えっと6人かな?のライブみたいな写真があって
巫子
兄さんライブとか行く趣味はないんで多分学祭のだと思うんですけど…
巫子
田中さんの髪がピンクになっててさっきまで気づかなかったです!
一気に流された言葉を整理する
北斗
えっと…つまり…?
俺同様、北斗も情報を整理できていないようだ
大我
つまり…冰は俺らのことが好きってことだね
樹
…うん、そうだな
樹
そういうことだべ
北斗
よく分かんないけど多分そうだね
樹
自信持ってこーー!!!
大我
おーーーぅ!!
北斗
おーっ!!
巫子
その掛け声…
巫子
…えっと、体育祭ってまだ先じゃ…?
樹
みこちゃん、正解。