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んー…

ちょっと言い過ぎたか、という反省をしながら机に突っ伏す

よりにもよって体育祭近く

このままあの輪からフェードアウトかなぁ…

なんて考えていると

北斗

冰っ、おはよ

…ん?

北斗

挨拶されたら挨拶し返せよっ

…おはよ

北斗

おはよう!

変にテンションが高い松村

恐らく田中の話は既に松村に渡っていて無視パターンだと思っていたのだが…

てか、なんで僕も返してんだ

そう思い顔を背けてまた突っ伏すと松村のくすりと笑う声が聞こえる

(分かんねぇ…)

漫画とかではここで一回決別したりするんだけど。

そんなことを思ったのはこの瞬間だけでなく。

慎太郎

あ!猫ちゃん先輩じゃないすか!

なんだそのあだ名

…僕のこと言ってる?

慎太郎

冰くん以外います?

…あほくさ。

慎太郎

もうっそんなこと言って〜!

慎太郎

冰くんのツンデレっ

森本くんも離れるどころかなんか距離感は近づいているし

(…もしや田中言っていない?)

と思えば

冰〜

…あ?

普通に話しかけてくる…どころかテンションが高い

なぁ、そっちのクラス今日体育ある?

体育…はないけど?

忘れ物しちゃってさ

貨ーして

松村に借りなよ

北斗

えっ俺?…いや貴方と同じクラスだから俺もないよ?

あ、いたんだ…

北斗

マジで言ってる?割と長い時間視界に存在してたと思うよ?

やーだー

冰のがいー

北斗

ねぇ俺可哀想じゃない?

僕無理。やだ。却下。

つれねぇなぁ

インスタで彼女のフリして匂わせしてやろうと思ってたのに

言ってることヤバイよ?

北斗

えーぐい

まぁでも、冰くゆのツンデレも尊いっ!

北斗

くゆ…?

くゆ…

僕が当たった張本人もこんな様子である

「謝らなきゃな」なんて思っていたのに拍子抜けだ

…こんな感じでも体育祭へのカウントダウンは静かに行われていた

冰!いけ!抜かせ!

北斗

あと20センチ!!

(半周の差がどうやったら20センチに見えんだよ…!)

今はリレーの練習中で、勝手に観戦しているのが2人。

他委員会の人も2人の熱意に引いている…と思ったが顔がいい分女子には熱い視線を送られている

そんな考え事をしながら走ったリレーの結果は1位。

北斗

ナイスー?!!

おいアイツ汗一つもかいてねぇじゃん

大我

かっけぇー!!

増えてる…

カナ

すっごいね…!冰くん

カナ

私なんか全然なのに…

…どうも

慎太郎

冰くんかっけぇ!

優吾

さすがアンカー

なりたくてなったわけじゃないんすけどね

ビブスを脱ぎながらそう言葉を交わす

優吾

その件はごめんって

慎太郎

本番も1位とるぞー!

…それ昨日も聞いたな

ジェシー

HAHA!実行委員はえー!

慎太郎

だろ!俺たち最強なんだぜ

他委員会の中の一人だったジェシーがそう話しかけてくる

優吾

この調子で本番も勝てたら良いけどな

慎太郎

直前で誰かが怪我しちゃったり〜?

優吾

よし慎太郎、そのフラグ自分で回収しろよ

慎太郎

今までありがとう!!

ジェシー

AHAHA!!

3人で話していると視界の隅で三沢ちゃんが冰くんに話しかけているのが見える

こーちとジェシーが話し始めたのでこっそりそっちに耳を傾けてみた

カナ

ほんっとうにすごいね…!

カナ

アンカーが冰くんで良かったぁ…

カナ

ほら、私足遅いから!

内容としては三沢ちゃんが冰くんをベタ褒めするといったものでそれに対する冰くんの返答は冷めたものだった

確かにここまで褒められたら返事困るよなぁなんて軽く考えていると

カナ

冰くん、何でもできちゃうね!

……そうだったら良かったんすけどね

耳が良くてよかった。

三沢ちゃんが聞こえていなかったその返答は俺の耳にはしっかり届いていた

冰くんにとって「何でも出来る」は地雷みたいだ。

慎太郎

あっ、ねぇ

とあることを思い出し冰くんに話しかける

ん?

慎太郎

冰って呼んでもいいっすか?

優吾

あー、確かに慎太郎のくん付けって稀だよな

慎太郎

ついでにタメも

え…いや、別にご自由に。

慎太郎

マジ?

慎太郎

やった!許可制かと思ってた!

えぇ……

承諾されるまで少し粘ろうとも思っていたタメ・呼び捨ては案外簡単に受け入れられた

慎太郎

よっしゃ〜…!!!

…そんなに嬉しい?

嬉しさが全てを打ち消して、このときにはもう数分前の記憶は遠くなっていた

そのせいで「覚えていれば、あのとき思いだしていれば、捻れることはなかった。」と後々思うことになるのだが。

まぁ、このときの俺が幸せそうならいっか。

人生山あり谷ありだよね〜

人気者になんてなりたくありませんでした

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