001×456でアイドルﾊﾟﾛ

客「ワァァァァァァァァ！！」

両隣の客含め会場全体が咆哮を上げた。

客へのイライラもギフンのハツラツとした眩しい笑顔で溶けていく。

バチッ

目が合った。

ギフンはそのまま他のアイドル達と共にステージから軽やかに去っていった。

興奮やら優越感やらが溢れ出し、その場で叫んでしまった

他の客からの視線が刺さるが、そんなものお構い無しだ。

今から会えるであろうギフンのことを考えて胸が踊る

軽快な足取りで会場を出て、握手会に向かった

握手会にて…

次の方、どうぞ

ギフンはきょとん、としてすぐにあくどい笑みを浮かべた

ギフンが耳元に顔を寄せてきた

小さな声で自慢したつもりなのだろうが、声量が大きすぎる…耳の奥が痛い

いや。問題はそこではない

ギフンはわかりやすくしゅんとして、上目遣いで俺を見る

先程からずっと背中に隠していた紙袋を取り出す。

ギフンは嬉々として紙袋を受け取り、中を覗き込む

ギフンが紙袋を両手で抱擁する。いかにも「大事にする！イノさんだいすき！」といったその仕草が愛くるしい

ギフンが紙袋を机上に置き、手を握ってきた

ギフンの潤んだ瞳が心臓の鼓動を早める

ギフンの両手に包まれた手が緊張からかじんわりと熱を帯びる

パッと手が解放され、久しく外気に触れたためか爽快感を感じる

ギフンの上目遣いの破壊力といったら。

可愛すぎて目に余る

踵を返し、振り向かずに去っていく

大抵のファンはここでギリギリまで話していたいと粘り、迷惑になってしまうだろう

優越感のまま耳にイヤホンを挿し、ゆっくりと歩いて帰路に着いた

控え室にて

扉の開閉音が聞こえ、2人が出ていったことが予測される

イヤホンを外すと、熱くなった耳が外気で冷やされた

壁を見遣ると一面にあるギフンの写真と目が合う

ライブや日常生活での隠し撮り、高額なチェキなどで地道に手に入れたものだ