あの夜を咬み殺す

気怠い身体を無理矢理動かして時計を確認する

針は7時を指している

リビングの前に立って扉を開けようとした時に

話し声がきこえた

おそらくお母さんの声だ

こっちはお父さんの声

多分ボクの話をしている

まただ

またボクを否定される

少し時間が経ってシャワーを浴びていた

鏡に写るボクと目が合い、逸らす

布を剥がしたボクは

ただの長髪の■だ

鏡はそのままを写し出す

いい意味でも、悪い意味でも

黒とピンクのスカート

いつも通り可愛い服を選んでるこの時間

その時間が少し楽しくて、少し苦しい

この鏡に写るボクはボクで好きだ

嫌な所を全部覆ってくれる布があるから楽なんだ

取り繕って、まだ、バレてない

空元気とか言うけど、外がしっかりしとけば案外バレない

ボクのことだって、外しか見せなかったからバレなかった

絵名とパンケーキを食べていた時に背後から声を掛けられた

友達、か

絵名には聞こえてませんように

パンケーキを食べ終わった後

近くの洋服屋でアクセをみていた

ボクはシルバーネックレス

絵名はダブルリングを左手の中指に

それぞれが選んだアクセを買った

大体昼ぐらいにでて

今日は絵名とずっと遊んでた

凄く楽しかった

けど、ちょくちょく入るノイズが目立った

そのままのボクは、やっぱり許されない

絵名はボクのことをどうおもっているのだろう

あのことを聞いて、またねといってくれて