コリウスの花が枯れることを祈って

結局あの後話が脱線したりして 1時間くらいやり取りをしていた。

返事とは言えない返事をし、 目を擦っていると 類がオレの髪を整え始めた。

適当に会話をしていると、 突然類の手がオレの頭から離れた。

何事かと思い、 目をぱっちり開けると目の前には冬弥がいた。

突然類の腕を掴んだかと思えば 今度はオレの肩を強めに掴む。

謎に、そわそわしている自分がいた。

小さくクラスメイトと冬弥の会話が聞こえた。

屋上に続く階段を登っていると 話し声が聞こえた。 普段あまり人がいない場所だから 人が居るだけでも驚いた。

弁当を開けながら、 少し寂しそうな声で言う。

ただ優しさで言っているだけとは思えず、これ以上否定するのはやめておいた。

先輩は俯いていた。

ここまで落ち込んでいる姿を俺に見せるのは初めてだった。

いつもだったら無理して笑っているのに。

無理して笑ってほしい訳では無い。

ただ、いつもと違う。

傷付いた。

司先輩が泣いている。

初めて見た。

何も出来ない。

抱き締めたいと思った。 でも、

先輩は求めていないかもしれない。

嫌がるかもしれない。

司先輩の背中を摩ると、 ビクッと反応して少し俺から離れる。

そう言って先輩は弁当箱を置いて、 走って行ってしまった。