コメント
30件
いつも素晴らしい作品ありがとうございますm(*_ _)m
感動して泣きそう(´;ω;`)
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
桃黒
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんはUターン! ・桃黒です ・2人は付き合ってます ・“初挑戦の”桃黒です(うるさい)(保険をかけるな) ・nmmn
月見。
俺はいれいすのママらしい。
いや。別に認めてる訳でもそれを認めたい訳でもないんやけど。なんなら俺長男やと思ってるんやけど。メンバーは口を揃えてママと言う。
挙句の果てには“ママにき”なんて呼ばれ出す始末。毎回思うけどママにきってなんやねん。ママなんかあにきなんかどっちや。
・・・とまぁ、今はそこじゃないか。
別にママにきと呼ばれるのが嫌な訳ではない。いや嬉しいかって言われるとそういう訳でもないが、その呼び方嫌だからやめろと声がけをする程でもなかった。
・・・でも、時々複雑な気持ちになる。
それが特定の状況でのみ起こることを、自覚はしていた。
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いれいすで集まっていた昼ご飯。久しぶりにあにきのご飯食べたい!というほとけの言葉により、俺が料理を振る舞うことになった。
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楽しそうに喋る4人を横目に、人の3倍は食う男、ないこが黙々と料理を口に運んでいた。
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他の4人も続々と席に着き、箸を動かす。俺が作った料理を笑顔でいっぱい食べているメンバーを見ていると、なんだかこっちまで嬉しくなってしまう。
・・・こういうところがママなのだろうか?
分からん。考えるだけ無駄な気もする。
水
黒
ほとけの言葉に、俺もさっと席に着いた。
キーボードを叩く音が静かな部屋の中に響く。
ここを、こうして・・・。
最後にエンターキーをおせば、軽やかな音が小さな余韻を残して部屋の中に消えて行った。
黒
今日は歌ってみたを数本撮り、そのうちの一本を編集までしてしまった。明日にでも投稿するかな。
今は何時だろうとスマホを見れば、日が暮れてからかなりの時間が経過していた。熱中すると時間がすぐに去って行く。この前なんて日付が変わっていた。
ぐっと背伸びをしながらスマホをいじり、なんとなくツイキャスを開いた俺は、上に出てきた配信のサムネを見てふと手を止めた。
桃
気付けば、その配信を開いていた。
スマホから流れて来るないこの声。長時間パソコンと向かい合って変に強張り固まっていた体から、じわりじわりと力が抜けて行くような感覚がした。
桃
めっちゃ鍋推すやん
鍋いいですよね!
最近マジで寒い
寒暖差でしんでます
鍋食べたいです・・・!
6人で鍋しないんですか?
桃
動物園ですもんね!!
配信待ってます((
冬ツでしてくだい(は?)
むしろ静かだと怖いw
桃
いややらんわ。
桃
彼の口から飛び出した自分の名前に、ぴくっと肩を揺らした。
桃
食べたいです・・・
流石あにき!
ないくんいつも悠くんのご飯美味しい美味しい言ってますねw
愛が凄い
みんな大好きあにきのご飯!
いふくんあにきのハンバーグ大好きですもんね!
料理男子てぇてぇ
桃
愛を語るないくん
大好きじゃんかわいいな
ください()
世界一は愛しかない
メンバーに手料理振る舞うあにきもそんなあにきの料理大好きなメンバーもみんな尊い
桃
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無意識なのか、狙っているのか。・・・恐らく前者なのだろうが、彼の口から漏れた言葉に顔が赤くなる。
メンバー達からご飯が美味いとか、あにきの料理好き!とか言ってもらえるのは充分嬉しいことなのだが、ないこが言うとその喜びの大きさがまた違う。
桃
保護者組てぇてぇ
ふ○さと納税www
出たww
めちゃ仲良しじゃないですか・・・
かわいい
牛丼!いいですね!!
桃
桃
その言葉に、俺は一瞬息を止めた。
桃
やっぱママにきなんだよな
ママにきw
尊敬ですよね!
ママにきママにき!
あの人はママであり幼女(((
桃
どういう討論ww
結論:あねき
ママにき(幼女)ってこと・・・?()
要素多くて草
最近は最早ばぶいですよ((((
桃
・・・彼が話す言葉を遮る様にして、俺は配信を見るのをやめた。
あの後何を言おうとしていたのかなんて、知ったこっちゃない。聞きたくもない。
・・・いつの間にか、彼が俺を“ママ”と呼ぶことが、どうしても耐え切れなくなっていた。
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桃
黒
ないこはうすに現在集まっているのは大人組。元々俺がくつろぎに来ていたのだが、今日は休みでやることがないというまろが途中から参戦して来た。
そんなこんなで、自分の家の様にくつろいでいたないこはうす。まろと最近ハマっている曲について話していると、ないこがこっちに向かって歩いて来た。
桃
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桃
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ぽえぽえボイスでくっついて来るまろの頭をわしゃわしゃと撫で回し、ソファから立ち上がる。
完成した料理を出した時の2人の笑顔を想像すれば、キッチンへ向かう足取りはこれでもかというほどに軽かった。
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ないこから皿を受け取り、キッチンに戻ってその皿にまたパスタを盛っていく。
そう言えば最近新しいやつ作れる様になったんよな。今日は材料的に作れんかったけど、そのうち作ってやろうかな。
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桃
黒
動かしていた腕が、止まる。
・・・もう気にするな。ママ呼びされるのは別に今に始まったことじゃないだろう。
そう自分に言い聞かせても、胸に広がるもやもやは消えてはくれなくて。
・・・こんな気持ちになるのは、もう懲り懲りだ。
青
黒
気付けば、まろがすぐ隣に立っていた。その手には空になった皿。
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ちらっとないこを見れば、ツイートでもしているのだろうか、何やらスマホをいじっていた。
・・・料理のこと、だろうか。
ご飯作ってもらった、みたいなこと書いてるんかな。
・・・ママにきがどうのって、書いてるんかな。
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黒
驚いた声を漏らし目を丸くするまろの姿がじんわりと滲む。
頬を伝う冷たいもの。指で触れてみれば、あっという間に指先が濡れる。
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あ、もうなんか、駄目だ。これは。
黒
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ないこのパスタも、涙の理由も全て投げ捨てて、俺はキッチンから飛び出した。
まろの声に反応したないこが顔を上げて、この顔を見られてしまう前に、1秒でも早くここからいなくなってしまいたかった。
焦った様なその声に顔を上げた時、丁度あにきが廊下へと出て行ってしまった。
空の皿を手に、あにきが消えたその扉を呆然として見つめていたまろに声をかける。
桃
どうしたの、と言うかあにきは?と尋ねる。まろはすぐに答えてくれなかった。
その時、バタンと少し大きな音が廊下の方から聞こえて来た。
今のは、玄関のドアが閉まる音?
あにきが出て行ったのか?なんで急に?何か用事でもあったんだろうか。
青
桃
唐突な質問に、思わずぽかんと口を開けた。
・・・変わったこと?
そんなことあっただろうか。あにきに?
最近の記憶を遡ってみるが、そんな心当たりは出て来なかった。
桃
青
桃
噛み付く様に叫んだまろに目を丸くする。え、何、どうしたの?
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桃
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桃
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あにきの美味しいご飯に集中すれば良いものを、食事中だろうとギャーギャー騒がしいメンバー達に半ば呆れ気味になる。
青
ふと、飲み物を取りに行くと言った彼が中々戻って来ないことに気が付いた。
部屋を見渡せば、冷蔵庫の前で彼がぼんやりと立ち尽くしていた。
丁度ご飯をおかわりしたいと思っていたところだったし、と立ち上がり、俺は彼がいる方へと歩を進めた。
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赤
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水
お前ら全員うるさいわ。と心の中でツッコむ。この短時間でここまで騒げるん逆に尊敬するわ。てか内容滅茶苦茶どうでもいいし。脳死か。
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ぼーっとしているあにきに声をかければ、あにきはぴくっと体を揺らした。
青
何か困ったことでもあったのだろうかと尋ねてみれば、いや、とその口が動いた。
黒
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なんだかいつものあにきの笑顔と違う気がするのは気のせいだろうか。
まぁ何も無さそうなら良いのだが、とそこまで深く追求するつもりもなく炊飯器の元へ行こうとした時、ないこの声が聞こえて来た。
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相変わらず騒ぎまくっている四人に思わず溜息を吐き出す。
ないこ最近あにきのことめっちゃママって言わん?マイブーム的な波が来てるんか?
前に個人配信であにきがあにきっずのみんなからママにきママにき呼ばれて、なんやねんママにきってやめろや!とキレていたのを思い出す。
勿論ガチギレなんかじゃないしあにきに良くある“にこにこで「怒ってるよ」って言うやつ”ではあると思うが。ママにきって呼ばれてあにきはどう思ってるんだろうか。
青
ちらりとあにきの方へ視線を向けた俺は、思わず目を見開き変なところで言葉を終わらせてしまった。
・・・斜め下を向くあにきの顔が、なんだか泣きそうに見えたから。
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戸惑いながらも声をかけると、あにきはハッと顔を上げ、そして笑った。
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俺の手の中から茶碗を攫って行ったあにきを、俺はその場に立ったまま眺めることしか出来なかった。
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桃
俺が、そう言う度に?
青
桃
青
桃
あにきの、気持ち。
いつも明るく笑ってて、ご飯は世界一と言っても嘘じゃないほど美味しくて、誰にでも優しくて。
俺はそんな彼が大好きで、そして。
桃
彼のことを考えたら、じっとしてはいられなかった。
何処にいるのかも分からないくせに、俺は家を飛び出した。
その手を、今すぐ掴む為に。
青
飛び出して来たないこはうす。逃げ込む様に帰って来た自分の家。
自分の家に来て少し落ち着いたら、なんでこんなことをしてしまったんだろうと後悔を感じ始めた。
黒
まろ、困ってただろうな。心配してくれた上にご飯のおかわりまでしたいと言ってくれたというのに、あんな投げ出す様な形で出て来てしまった。
そもそも、逃げ出して来た理由がしょうもなさすぎる。
・・・ないこにママって呼ばれるのが嫌だなんて。
わがままにも程がある。別に良いだろ、って話だ。メンバーとしてのいじり。ないこの中での最近の流行りというか、ハマっているだけだろう。それにとやかく言って気にしたり傷付いたりする必要も意味も無いのに、俺は。
そもそもなんで俺は、ないこにそう言われるのが嫌なんだ。
逆に俺はないこに、なんて言って欲しかったんだろう。
桃
黒
桃
黒
桃
黒
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・・・なんで今、あの時のことを思い出したんだろう。
ママと言うないこからの信頼も愛情も、ちゃんと分かっていたつもりだ。受け取っていたつもりだ。
それでも、俺はわがままで。
自分はないこの恋人であると、自覚出来るような。彼が俺の特別で、俺が彼の特別であるような安心感が欲しかった。
ママなんかじゃなくて、もっと恋人として、彼に。
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突然聞こえて来た声に、バッと振り返った俺は目を見張る。
黒
桃
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嘘だ、全く記憶に無い。そんなに深く考え込んでたか?俺。
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赤くなった目がバレないように、視線を逸らした。もしかしたらもう遅いかもしれないが。
桃
なんや、いつもはあにきとかママにきとか呼ぶくせに。
桃
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ないこが頭を下げた。思わず顔を上げて彼を見つめる。
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桃
でも、無理じゃん。とないこが言う。この交際のことはメンバーには言っているが、リスナーのみんなには言っていなかった。
桃
明かされていく、彼の気持ち。
桃
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桃
ないこはまだ、頭を下げたままだ。
・・・最低?ないこが?
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桃
そっと、その頭に手を置いた。くしゃくしゃと軽く頭を撫でてから手を離せば、ないこは驚いた表情で顔を上げた。
黒
胸の中で渦巻くもやもやの正体が分からず、ずっと悩んでいた。
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桃
それが俺のもやもやの原因だとしても、彼が自分を想ってくれているからこそなのだと思うと、なんだか愛しくて仕方がないのだ。
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桃
答えなんて決まっているのに、何を今更改まって。
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満面の笑みを浮かべたないこが飛びついて来るまで、あと2秒。
───“ママにき事件”は無事に解決した、筈だったのだが。
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顔を真っ赤にして怒る彼が実は満更でもないこと、分かっているから、俺は大きく笑った。
囚われる必要なんてないんだ。伝えたいことは伝えなきゃ。特に誰かを愛しいと思う気持ちは。
ママなんかじゃなくて、君は僕の大切な──。