私屋上で靴を
脱ぎかけたら
そ
こ
に
部活の先輩に
声を掛けてしまった
国見
ねぇやめませんか?
口をついて出ただけ
本当は
国見
(どうでもよかった)
先をこされるのが
何となく癪だった
部活の先輩は語る
国見
(どっかで聞いたようなこと)
及川
運命の人だった
及川
どうしても愛されたかった
国見
ふざけんな
及川
!!
国見
そんなことくらいで
国見
俺の先をこそうだなんて
国見
欲しい物が手に入らないなんて
国見
奪われたことすらないくせに
及川
話したら楽になったよ
って
及川さんは消えてえた
さぁ
今日こそはと靴を脱ぎかけたら
そ
こ
に
部活の先輩に
また声を掛けてしまった
部活の先輩は語る
クラスでの孤独を
岩泉
無視されて
岩泉
奪われて
岩泉
居場所がない
んだって
国見
ふざけんな
岩泉
ビク
国見
そんなことくらい
国見
俺の先をこそうだなんて
国見
それでも
国見
家では愛されて
国見
暖かいご飯もあるんでしょ
岩泉
腹減ったな
と泣いて
岩泉さんは消えてえた
国見
そうやあって
国見
何人かに
国見
声を掛けて
国見
追い返して
国見
俺自身の
国見
痛みは誰にも
国見
言えないまま
初めて見つけたんだ
国見
(似たようなうな悩みの子)
何人目かにあったんだ
部活の同級生
金田一
うちに帰る度に
金田一
増えつっける痣を
金田一
消し去ってしまうため
金田一
ここに来た
っと言った
口をついて出ただけ
本当はどうでもよかった
思ってもいないこと
でも
声を掛けてしまった
国見
ねぇ…やめてよ…
金田一
…
国見
(あぁどうしよう)
国見
(この子は止められない)
国見
(俺には止める資格がない)
国見
それでも…
国見
ここからは消えてよ…
国見
君を見ていると苦しいんだ…
金田一
じゃあ今日は辞めておくよ
って
目を伏せたまま
消えてえた
今日こそは誰もいない
俺一人だけ
誰にも邪魔されない
邪魔してはくれない
ジャージの上着を脱いで
軽く髪をといて
背の高い俺は
国見
今から飛びます
国見英 × 私のアール