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私と彼のヒミツの自由

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私と彼のヒミツの自由

4 - 私と彼の意外な特技

♥

32

2023年05月31日

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由紀(中身辰哉)

やっぱここだよな

由紀(心の声)

ゲームセンター、ですか?

私がゲームセンターに来たのは人生で数えるほどしかなかった。 お父さんから、ゲームセンターは不良の行くところだとずっと言われ続けていたからだ。

由紀(中身辰哉)

オレがこのモールの中で1番好きなところだ

由紀(中身辰哉)

まあオレ出禁だから元の体じゃ来れねえけどな

由紀(心の声)

えっ!出禁!?

由紀(心の声)

何をやらかしたんですか?

由紀(中身辰哉)

まあ見てりゃわかるって

由紀(心の声)

悪いことしないって言ったじゃないですか!

由紀(中身辰哉)

別に悪事働こうってわけじゃねえよ

由紀(中身辰哉)

とりあえずUFOキャッチャーで欲しいものあったら言えよ?取るから。

由紀(心の声)

何を企んでるんですか?

由紀(中身辰哉)

何も企んでねえよ

由紀(中身辰哉)

ただオレはゲーセンで遊びたいだけだっつーの

由紀(心の声)

…じゃあ、そのぬいぐるみが欲しいです

由紀(中身辰哉)

え?このちっこいやつでいいのか?

由紀(心の声)

はい、大きいやつだと持ち運びに困ります

由紀(中身辰哉)

ふーん、まいいや

由紀(中身辰哉)

3回くらいでいけるか?

彼は財布から300円取り出すと、慣れた手つきで連投し、UFOキャッチャーを操作し始める。 筐体には真剣な私の顔が映った。

由紀(中身辰哉)

距離感は…こんなもんか
眼鏡があると狂うな

1回目は失敗だった。

由紀(中身辰哉)

…よし、だいたい掴んだ

由紀(心の声)

ああっ、惜しい

2回目はぬいぐるみを掴んだものの、途中で落としてしまう。

由紀(中身辰哉)

…で、引っ掛けてっと

由紀(心の声)

えっ!?アームがチェーンに!?

3回目は、ぬいぐるみの頭部にあるチェーンを器用に引っ掛けて、景品取り出し口まで運んだ。

由紀(中身辰哉)

よっしゃ、やっぱこれだわ

由紀(心の声)

すごい、たった3回で

由紀(中身辰哉)

これだよ、出禁の原因

由紀(心の声)

え?

由紀(中身辰哉)

オレUFOキャッチャーめっちゃ得意でさ、うますぎて経営成り立たなくなるからって出禁食らってんの

由紀(中身辰哉)

だからこうやって他人の体借りて遊びにきてるってわけ

由紀(心の声)

それならそう言ってくださいよ
何か悪事を働いたのかとてっきり

由紀(中身辰哉)

まあ、そう思われるのも無理ないか

筐体に映る顔は、少し寂しそうだった。

由紀(中身辰哉)

…んじゃ、そろそろ帰るか

由紀(心の声)

…ごめんなさい

由紀(中身辰哉)

ん?

由紀(心の声)

あなたのこと、疑ってました

由紀(中身辰哉)

いいよ別に、オレは問題児なんだからさ

彼はそのまま、フードコートにある自分の体の元へ歩き出した。 そのあいだ、一言も会話することはできなかった。

由紀(中身辰哉)

じゃあオレ戻るわ

彼は自分の体のもとに戻ると、財布などの持ち物を自分のバッグに戻し、椅子に腰掛けたあと全身の力を抜くようにして口を開けた。 すると、ぞわぞわとした感じと、何かが体から抜けていく感触がした。

私と彼のヒミツの自由

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