遅れてすみません そして1000いいね以上 ありがとうございます
続きどぞ
うりが私を信じてくれるなら、 私もうりを信じたい。
なんてのん気に思っていられたのは、 この頃までだった。
高ニの夏休み。 うりの部屋に泊まっていた私は、 深夜にうりがベッドから おりる気配を感じて目を開けた。
のあ
私に背中を向けてスマホを いじっているうりに訊くと、 肩が大きく跳ねた。
うり
のあ
しつこく問い詰めてしまったのは、 昨日からずっともやもや していたせいだった。
デートの約束をしていたのに、 うりからドタキャンされたのだ。 初めてではなかった。 うりはたまに急用が入ったと 言ってくる。 用事なら仕方ないけれど、 昨日は会えそうだったら 連絡すると言われたきり、 深夜までうりからの メッセージが届くことはなかった。
うり
のあ
ずっと抱いていた疑念を初めて口にする 昨日だけじゃない。 用事を済ませたうりに会った時、 そしてうりの部屋に入った時、 必ずと言っていいほど 慣れない匂いをかすかに感じていた。
それでも、否定してほしかった、 のだと思う。 匂いだけで確証はない。 全部私の勘違いであってほしい。 そんなわけないだろって、 そんな私の願いも 虚しく、うりはあからさまに 目を泳がせてから俯いた。
うり
否定してくれなかったことに 愕然とした。 私とのデートの約束より、 他の女の子を優先してたってこと? ショックだった。 たとえ本当に友達だとしても、 さすがにそれはない。 いくらなんでもひどい。 それに
香りが移るくらい近距離で接していた ということだ。
のあ
うり
のあ
布団から出て床に散らばっている服に 手を伸ばすと、その手をうりに掴まれた。振りほどこうとすればするほど うりは手に力を込める。 そのまま腕を引かれて 後ろから抱きしめられた。
うり
のあ
うり
うりが震えていることに 気付き、ためらいながら 振り向いた。
するとうりは、唇を結んで 涙をこらえている私の頬に 触れて、少しずつ、 顔を近付けた。
うり
そんな言い方、 ずるい。 そう思ったのに、顔を背けることは できなかった。
のあ
ちゃんと声に出せていたのかは、 わからなかった。
約束が守られることはなく、 うりは相変わらずだった。
もはや隠す気がないのか、 単に嘘が下手すぎるだけなのか、 女の子と会っていることがばればれだった。だけど私がなに言っても 「友達を放っておけない」 の一点張り。 そんなの私がある程度譲歩するしかない。
学校でたまに見かければ、 私が知らない派手な女の子と いちゃついている。 高校に入ってからの2年間で すっかり見慣れていた。 一年の頃みたいに乱入はしない。 しても無駄だと学んだからだ。 免疫なのか麻痺なのか 諦めなのか、 学校でいちゃついている程度なら そこまで気にならなくなった。
なんていうのは強がりだと 自分でもわかっていた。 喧嘩になるのが嫌で、 というより 嫌われるのが怖くて、 結局何も言えないだけ。
私は病気なのかもしれない。 恋の病なんて可愛いものじゃない もっともっと重病で重症だ。 だって私、どれだけ傷ついても、 どうしてもうりのことが好きなんだ。
るな
うりと出会って 三年が経とうとしていた 高三の夏休み初日、 学校の昇降口で私を呼び止めたのは るなちゃんだった。 呼んだのはるなちゃんなのに、 やば、って顔をしている。 るなちゃんもまさか私と 会うなんて思っていなかったから、 驚いて反射的に声が出てしまったのだろう。
るな
のあ
夏休みとはいえ、 大学進学組は任意で 講習を受けることができる。 私とえとは札幌の大学へ 行くつもりだから、 夏休み返上で講習に参加する予定だ るなちゃんは、と言いかけてやめた。 言い方から察するに 補習組なのだろう。 講習と違って補習は強制だ。 参加しなければ卒業は危うい うりも補習組なはずだけれど、 ちゃんと来ているのだろうか。
勘だけど、うりが会っている 女の子の中にるなちゃんは 入っていない。 クラスも離れたのか、 最近では一緒にいるところも見かけていないだから一年の頃みたいに 警戒はしていないものの、 それはそれで逆にどう察したらいいか わからない。
るなちゃんも似たようなことを 考えているのか、 なんとも気まずい無言の 数秒間が流れたのち、 「じゃあ」と言って 私に背中を向けた。
その背中を追うように 「訊きたいことがあるんだけど」 と言うと、 るなちゃんはぎょっとして 振り向いた。
るな
のあ
詰め寄る私に、 るなちゃんは前みたいに ため息をつくことなく、 どこか哀れみを 感じさせる目を向けた。
るな
図星を突かれた私は、 頷くこともできずに立ち尽くす。
るな
のあ
るな
思いがけない告白に 動揺を隠せなかった。
るな
のあ
るな
気圧されて 「中三の夏休みだけど、」 と我ながら情けないくらい 弱々しく答えると、 るなちゃんは 「だと思った」 とため息をついた。
るな
そうだ。あの頃うりには彼女がいた。
確かにうりは、 私のことが好きになったから 別れたと言っていた だけど、もともと うまくいってなかったとも言っていた。 るなちゃんの話が本当だとしても、 私はそんなの知らなかった。 私がるなちゃんからうりを 奪ったわけじゃない。
違う、こんなの言い訳だ。
私はうりに彼女がいることを 知ってからも諦められなくて、 遊ぼうと誘われた時も 家まで送るって言われた時も。 一度も断ったことがなかった 初めて手を繋いだ時、 うりが彼女と別れたことを まだ知らなかったのに、 私は手を離そうとしなかった。 目の前にある幸せな時間に夢中で 見たこともない彼女の 存在なんてちゃんと 気にしたことがなかった。
私が幸せを感じていたとき、 るなちゃんは苦しんでいたんだ。 るなちゃんの言う通りだ。 私にとにかく 言う権利なんかない。 私だって、うりの周りにいる 女の子たちと同じだったんだ。
るな
のあ
るな
まるで他人の口から私とうりの 馴れ初めが語られているみたいだった。
るな
足がすくんで動けない。 るなちゃんから目を離せない。 るなちゃんと対峙すると いつもこうだ。
なのに、なぜ呼び止めてしまったんだろう。
るな
空は雲ひとつない晴天のはずなのに、 まるで私の周りだけ 黒い雲に覆われているみたいだった
るな
予鈴が鳴っている。 講習が始まる。 だけど、もう、 歩きだす気力がない。
ここで終わりです 前から−3kg痩せました
いくかわからないけど ♡2000↓
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