こんな俺が
この先もずっと生きていたいだなんて
そんな我儘
言えるわけないじゃん
ずっと
ずっと逃げを選択してきた人生だった
“逃げないで頑張ろう”
そんな気持ちは
いつもストレスに押しつぶされて
あっという間に崩れ去る
頑張れない自分が
皆と同じようにできない自分が
自分自体が
大嫌いで仕方なくて
暇さえあれば
“消えたい”だなんて 出来もしないことを考えてた
将来だとか
そんなの全く想像できなくて
今を生きるのに必死で
未来を語る人を見ては
自分をまた嫌いになって
そんな毎日を過ごしていたら
20歳になるまでの自分しか
想像できなくなってしまった
だから
20歳になった今日
俺は命を絶とうと思う
明日からの未来が
これからも見えない不安とストレスに 押しつぶされる毎日なのならば
いっそのこと捨ててしまった方が 楽なはずだ
それなのに
それなのに...
なぜ俺は今
この一歩を踏み出せないのだろう
一歩踏み出せば
楽になれるのに
赤
桃
赤
気づくと
かっこよくて温かみのある声が
俺を静かに包み込んでいた
桃
桃
赤
桃
桃
赤
桃
桃
赤
桃
桃
ぼーっとその場に立ち尽くしていると
ずっと待っていた声が聞こえてきて
すっかり冷え切った俺の心を
少しずつ溶かした
桃
桃
赤
引き寄せられるように
彼の胸の中に収められると
鼓動の速さに驚いた
桃
よく聞くと息切れをしていて
走ってきてくれたんだな、と
ほんの少し嬉しくなった
赤
赤
桃
桃
赤
誇らしげに恥ずかしげもなく そう言われると
こちらが照れてしまう
桃
赤
俺が頷くと
彼はふわっと微笑んで
そっと俺の手を握って歩き出す
その手から伝わる温もりで
俺の冷え切った心は
もうとっくに温まっていた
家に着いても
彼はしばらく何も聞いてこなかった
小一時間経って
たった一つ、こう言われた
桃
一体どこまで優しいやつ なのだろうかと
少し呆れたくらいだった
赤
赤
赤
桃
桃
桃
桃
赤
桃
桃
赤
桃
桃
桃
桃
桃
赤
君がいるなら
少しだけ
赤
明日を信じて。
コメント
1件
初コメ失礼します こんなヒーローいたら嬉しいです たすけてもらいたいです おれのじんせいもこのしょうせつとおなじです