【第2章】1話
天堂side あれからすぐに救急車が来て高崎も 捕まった。 七瀬はすぐに応急処置された事もあり一命を取り留めたが意識が戻るか分からない状態だった。前にもこんな事あったけれどその時とは違って今回は大量の血液が失われたため脳に十分に血液がいかず意識障害が残るかもと言われた。
〜循環器内科〜
根岸
搬送されて、いつ目が
覚めるか分からないって
沼津
酒井
皆 .........。
根岸
きっとまた戻ってくるわ!
沼津
帰ってきたんやからな!
酒井
石原
帰ってきていいように
私達が頑張らないと!
沼津
怒られないよう頑張ろ!
酒井
西村
(七瀬さんに早く
謝りたいな。)
〜先生方の部屋〜
来生
天堂
天堂は暗い面持ちのまま、椅子に座る。 パソコンには「天堂七瀬」の文字と共に その容態が書かれていた。
来生
来生
落としすぎるなよ。
天堂
来生
きただろ?
あの佐倉ちゃんが
帰ってこない事なんて無い!
天堂
.......俺もそう信じてる
来生
すぎるなよ?
お前はすぐ自分だけで
抱え込もうとするから......
来生
けどいつも通り過ごさない
と佐倉ちゃんに怒られるん
だからな!
天堂
励ましの言葉ありがとう。
来生
(天堂が俺に素直に
感謝するなんて....
こりゃ相当参ってるな)
あれから一週間がたった。 俺は毎日仕事の合間に七瀬の病室に 行くようになった。
〜七瀬の病室〜
天堂
来たぞ。難しい症例の病気だけど
俺が絶対治すから.......
お前の事も俺が治せればな....
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天堂
見舞いにきたぞ!
あの二人も結構順調そうだ。
天堂
だってさ。
七瀬が早く起きてくれない
と結婚式できないって
うるさいんだからな!
天堂
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天堂
救えなかった。
天堂
間に合わなかったんだ。
天堂
助かったかもしれない。
天堂
天堂
七瀬、早く起きて励ましてくれよ。
毎日毎日同じように話しかけては 泣くと言う行為を繰り返すようになった。 来生にはちゃんと休めと言われるけど 七瀬のこと思うと休むにも休めなかった。
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それから一か月が経ち もうそろそろ七瀬の誕生日が近く なってきて、姉貴から誕生日会を 開こうと言われた。
流子
誕生日会の前に起きるかも
知れないじゃん!
流子
貰えないのは悲しいからさ!
それで来生やら酒井やら循環器内科の みんなを誘えって... そんなに俺たちは暇じゃない... と言いたかったけど、七瀬がもしかしたら起きたらと思うと賑やかな方がいいと思ってしまった。 みんなに言ってみたら「もちろん行く」と言ってくれた。
天堂
誕生日会を予定してくれたぞ。
天堂
以外は皆参加してくれるらしい....
天堂
一緒に祝おうな。
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七瀬の誕生日の一週間前になった。 今日も七瀬は起きない。
天堂
だったよ.........
手術も成功したし、緊急オペも
なかったんだ。
天堂
良いことなんだけどなぁ......
天堂
こと思い出すから.....
こんな日が嫌だと思ったよ...
天堂
早く起きてくれれば済むん
だからな!
乾いた笑い声が少しだけ病室に響く。 無理に元気良くしたせいか上手く 笑えていない.......。 それがみのりの死以降の感情を上手く出せなくなった頃に戻ったよう感じさせる。
天堂
戻ったみたいだ.........。
天堂
天堂
どうしようもないよな。
天堂
待ってるから......
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〜七瀬の誕生日の前日〜 今日も七瀬は起きなかった。 明日起きなくても皆七瀬のこと 祝ってくれるって言ってくれた。
天堂
天堂
天堂
行ったんだからな!
天堂
姉貴にも色々聞いたし!
ちゃんと選んだんだから
起きてもらってくれよ。
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【七瀬の誕生日】 もしかしたら今日は誕生日だから奇跡が 起こるかもって期待していた。 沢山の人が、七瀬の病室に祝いに来る。 しかも誕生日会だからいいじゃんと姉貴が病室に酒を持ってきた。病院で酒なんか飲めるかと言ったが、「今日は浬休みなんだから!」と言われ飲まされた。 そのせいで誕生日会の記憶はあんまりないが久しぶりに楽しかった気がする。
天堂
お前の誕生日だぞ?
天堂
の人が祝ってくれたら
起きたくなるだろ?
天堂
俺に言わせろよ......
天堂
今日も七瀬は起きなかった。