【第2章】2話 〜七瀬の誕生日から数日後〜
「天堂side」 毎日毎日、時間が空いたら七瀬の病室に 通い続けていた。 最近は帰るのも億劫になってしまい、 家に帰るのは1週間に1度程度になっている 仕事が終わると七瀬の病室へ行き、 手を握りながら泣く。 最近は涙もろくなったみたいだ。 すぐに涙が出てくる。 泣き疲れて病室で夜を明かす、そんな日々を何度も何度も繰り返した。
天堂
天堂
天堂
天堂
何度話しかけても、返事はかえって来ることはない。 返答がないのが続くとだんだん話しかけても無駄なんじゃないかという思いさえ芽生えてくる。 「.........虚しい。」 この言葉が今の俺の感情に合ってるような気がした。 きっとその時からもう限界だったのかもしれない。
天堂
俺はそう言って、七瀬の病室を離れる。 その日以来、段々と病室への足取りが重くなっていった。
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来生
天堂
廊下でふらついていた天堂先生を、 来生先生が支える。
来生
天堂
来生
来生
天堂
来生
天堂
来生
天堂
支えていた手を離す。 まだふらついているにも関わらず 歩き出そうとする天堂
来生
そう言って、天堂を近くにあった病室横にあるベンチに座らせる。
来生
来生
天堂
来生
天堂
天堂
来生
天堂
その時の天堂の瞳は今にも 泣き出しそうなほどに揺れていた。
来生
来生はなんて言っていいのかわからず。 ただ天堂の背中にそっと手を当て撫でることしかできなかった。 手を当てられた天堂は遂にポロポロと涙を零し始める。
天堂
天堂
今まで胸に押し込めてきた感情を ゆっくりと吐き出していく。
天堂
天堂
天堂
そう言うと、気を失ってしまった。
来生
脈をはかる、特に異常はなかった。
来生
来生
このままベンチに寝かせとくことも出来ず 来生は天道を抱え、休憩室に運んだ。
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天堂
重たい瞼を開ける。 蛍光灯の明かりが目に差し込んできて 思わずまた瞼を閉じた。 目を擦り、ゆっくりとピントを合わせる。
天堂
天堂
来生
天堂
来生
来生
天堂
気を失う前の記憶を辿る。 .........俺、なんか色々言ってたな。 色々な気持ちを吐き出せたからか ちょっとだけ気分が軽い気がする。
天堂
来生
天堂
天堂
来生
天堂
天堂
来生
天堂
来生
天堂
来生
来生
天堂
来生
来生
天堂
来生
そう言って、天堂の背中を押し 帰らせようとする。
来生
来生
天堂
来生に聞いてもらったおかげなのか 今日は七瀬に会う勇気が出てきた。 少し前は、あんなに怖かったのにな...... あの虚しさと自分を責め続ける時間に 耐えられなくなっていたんだと思う。 家に帰る前に、七瀬の病室に寄る。 そして久しぶりに七瀬の手を握り、話しかけた。
天堂
天堂
天堂
天堂
天堂
七瀬の手をぎゅっと握りしめる。 トクトクと刻む心音に何度 安堵しただろうか。
天堂
その時、握っていた手が微かに 動いたような気がした。 気のせいかとも思ったが話しかけ続ける。
天堂
天堂
天堂
七瀬は目をゆっくりと開けた。 そして天堂を見つめる。
天堂
やっと戻ってきてんだ!! 嬉しさが込み上げ、涙が出てくる。 そして咄嗟にナースコールを押した。
天堂
七瀬
天堂
七瀬
その一言で俺は思い出した。 医者A もしかしたら......... 意識障害が出るかも知れません。
天堂
七瀬
天堂
天堂
七瀬
七瀬
俺の頭の中で七瀬の言葉が強く響く。 待ち望んできた瞬間は 一気に奈落へと落とされた。
【to be continued】
コメント
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続き! 楽しみ!