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『ゾンビにする』という事は『殺す』という事だ
俺にできるのか
しにがみを殺せるのか
正直不安だった
しにがみ
こんな俺を見てしにがみは心配してくれた
言葉を交わさなくても分かるだなんてどれだけ勘が良いのだろうか
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
不安、恐怖、緊張
色々な感情が混ざる
体は震え、胸は酷く苦しい
こんな俺じゃできない
そう思ってしまう
しにがみ
しにがみは優しい笑顔でこう語りかけてきた
しにがみ
しにがみ
しにがみ
その言葉に救われた
その言葉で勇気が沸いた
確かに俺が言ったんだ
『死ぬ事ができない』と
だから
俺は今『しにがみを永遠に生かす』
しにがみ
しにがみ
その言葉と同時にしにがみにウイルスを入れた
しにがみに勇気を貰ったとはいえまだ不安だった
『ゾンビにする』だなんて初めてだし上手くやれるのだろうか
そもそもやり方が合ってるのかも分からない
しにがみが今まで通り''人間通りの日常''を過ごせるかも分からない
分からない事だらけ、不安だらけで申し訳ないな
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
しにがみ
そう叫ぶしにがみにウイルスを入れ終えた
瞬間、しにがみは倒れた
ゾンビ化は失敗した
そう思い、絶望した
俺は急いでしにがみの意識を確認する
ぺいんと
呼吸はしていた
とりあえず安心したが、1つ思った事があった
ぺいんと
そう、俺はゾンビ化する途中、一切倒れたりしていなかったのだ
俺の体が強いのか、またはしにがみが弱いのか
どちらにせよ体調の差が激しすぎる
『おかしい』
その言葉が1番似合う状況だった
考え原因は1つしかない
ぺいんと
ウイルスを大量に入れてしまった為、体が耐えきれずに壊れかけてしまった
俺はなんとかしようと思い、治癒の薬をしにがみに使った
ぺいんと
ぺいんと
俺の目は涙が滲んでいた
ここで涙が溢れてしまったらしにがみに合わせる顔が無くなってしまう
俺は涙をぐっと堪えしにがみの回復を祈り続けた
数分後
しにがみの容態は変わらなかった
酷くなっていないのは救いだが、欲を言うならば回復して欲しい
ぺいんと
俺はしにがみを応援し続ける事しか出来なかった
治癒の薬も使い過ぎるとしにがみの体力が持たない
ウイルスも1回入れてしまったら取り出すのは困難だろう
無理に取り出したらしにがみの体が壊れてしまうのだ
よって、俺の出来ることは限られてしまう
ぺいんと
ぺいんと
ぺいんと
瞬間、しにがみの体温が急激に下がった
呼吸も止まり、しにがみは『死んだ』
だけど元々ゾンビ化は死ぬ事を前提としてやっている
少しでも可能性があるなら
助かる道があるのなら
俺はそれを祈り続けるよ
しにがみ
ぺいんと
しにがみが目を覚ました
まだ意識が朦朧としているが、状況は確実に良くなった
しにがみ
ぺいんと
堪えていた涙が溢れ出す
堪えていたのに台無しじゃないか
数分…いや、数十分は経っただろうか
しにがみの容態は時間が経つ事に良くなっていった
今では過度な運動はできないが喋る事は余裕でできている
しにがみ
ぺいんと
ぺいんと
しにがみ
少しミスをしてしまったけど最終的には良かった
ミスをするのも人間らしいゾンビで良いじゃないか
人間らしくミスをして、ゾンビらしく永遠に死んで生きる
それが、俺にとっての最高だ
かめりんご
かめりんご
かめりんご
かめりんご
かめりんご
かめりんご