赤黒恋物語

僕は皆の"ヒーロー"で

俺は君の神様

ーーでも俺も、君もヒーローには 神様にはなれなかった

夕方

少し赤らんだ空の下

俺は告白する

一世一代の告白 人生最大の恋物語

少し戸惑う様子を見せる悠佑と 頬を赤くしながら話す君

湯気が出そうなほど君は 真っ赤になっている

君はどうやら恥ずかしそうだ

ボロボロと涙が出てくる

両思いなのが嬉しくて、 告白してくれたのも嬉しくて

君が戸惑ってる姿が面白くって 笑ったのを覚えている

告白は失敗したけれど、 この恋は実ったみたいだ

俺は正直に俺が思ってた事を話す

不思議そうな顔をして こちらを覗き込んでくる君

君は俺を抱きしめて

チュッ

頬に小さなリップ音を残して 俺に言った

僕なんかより、ずっと凄い だって、神様なんだから

君はまんべんの笑みを浮かべる

戸惑っているのだろうか それとも純粋な疑問だろうか

信じられない　と言った様子だ

皆がどう思っているかは 知らんが、少なくとも俺は りうらをヒーローだと思ってる

俯いてしまう

俯いた理由を知りたくて 君の顔を覗き込んだ

声を荒げて答える

慌てて答える

あれだけ大声を出していたのに 急に静かになった

涙が俺の頬を伝う

声を出して笑う

君の笑った顔が好きだから 少しだけキュンとしてしまった

惚れた弱みやな…

僕にはない感性 やっぱり君は優しい神様だ

そのまま二人で目をはらして 笑いながら帰った

続けばいいのに

続く訳がないのだ

俺と君の恋物語は

どうして、、？

君の真っ直ぐな瞳が見たいのに その瞳が僕は大好きなのに

君の綺麗な透き通った声が 聞きたいのに

悠佑の温もりを肌で 感じたいのに

神様

聴こえているなら、答えてよ

僕はそう信じてたんだ 今だって、、、

面白い話いっぱいできるように

君の目から雫が落ちる

この気持ちは嘘偽る事のできない 本音

やから、やからきっと伝わる

勢いよく顔を上げる