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花海(説明者)
花海(説明者)
花海(説明者)
花海(説明者)
保科宗四郎の従姉は家族に捨てられた
花海(説明者)
花海(説明者)
夜宵
花海(説明者)
花海(説明者)
数十年前
夜宵
私は保科家の分家にあたる家で生まれた……
「女を産みやがって」本家ではそう言われ分家もその圧に耐え切れなくなって……私はネグレクトを受けていた
しかし……そんな私でも少し、いや……だいぶ癒されるときがあった
それが従兄弟の宗四郎の存在だった
宗四郎
夜宵
宗四郎
半年に1回だけの顔合わせの時に本家に顔を出す……
宗四郎は素直で可愛い子だ
そしてその宗四郎の兄、宗一郎も努力家で宗四郎に稽古をつけてやる時もあるそうだ
宗一郎)なんや、夜宵もおったんか?
夜宵
宗一郎)お前も阿呆やな、来んけりゃええやん
夜宵
宗四郎
夜宵
夜宵
夜宵
抱き締めている宗四郎の頭を撫でると私の背中に手を回してぎゅぅっと力強く抱き締めて頷いた
今現在
宗四郎
夜宵
今の私は本当の家族から見放され……本家に捨てられた
宗一郎は防衛隊員になり本家には不在……宗四郎は……
宗四郎
防衛隊になった……
夜宵
そう笑っていうと宗四郎は首を傾げて「何言っとんの、姉ちゃんは僕のお世話係として防衛隊に行くで?」と何故か言われた
夜宵
宗四郎
夜宵
宗四郎の説明曰く……昔から酷い待遇、そして本当の家族から捨てられ本家に捨てられ…本家に来てから家事だけしかしておらず…自分の為の時間が無いのを見て……可哀想と思った…との事
夜宵
宗四郎
宗四郎
夜宵
こいつは昔から私の事しか考えて無くて……私が家族から捨てられた時は全力で色々してくれた……
私が捨てられた時は……まぁ、酷かったからね
私が家族に捨てられたのは……ほんの十年前…
雨が降りしきる中私は…キャリーケースの中に入る分の服を持たされ髪の毛を掴まれ外に放り出された
家を出る前に散々殴られ……傷をつけた体に追い討ちをかけるように…塩を塗り込んできたりタバコを押し付けてしたり…色々されたあとに私は傘もささず……靴も何も履かず放り出された
夜宵
正直……こんなの日常茶飯事だった
だから泣きわめく暇すらなかったし腹を立てて玄関ぶち破って「てめぇらの臓物引っこ抜いてやるからそこ正座しろ」とも言う暇もなかった
と、言うか私にそんな力は無い
まぁ、痛いもんは痛いけど……
夜宵
この時警察云々の事とか頭に過ぎったが…保科家の分家とはいえそれなりに権力は一応あるから警察は動かない……
そんなのとっくの昔に知っていたから警察なんて宛にしなかった
児相に相談したくても……親は何もかも言いくるめ…児相もそれを鵜呑みにするバカばっか
それに……児相に言ったって親はこう言う……「それとはもう縁を切ったから家族でもなんでもない」と
冷たい雨水が傷口に入るだけで顔を歪ませ…傘をさし歩く人々は声をかけたくても声をかけられない…そんな人達ばっかだ
そんな時に声を掛けてきたのが宗四郎(当時12)だった
宗四郎
夜宵
下を俯いたまま言うと宗四郎は自分の傘に私を入れた
夜宵
宗四郎
その時の宗四郎が……我慢した私を褒めているように感じた
ただ……ひたすら…宗四郎が一言一言声を発する度に私の耳には「頑張った」と言う声にしか聞こえなかった
しかし……涙は出なかった、嬉しいとも感じなかった……
上っ面の笑顔を浮かべ…私は……本心では何とも思えなかった
既に心は壊れていた…今も、その心は治って居ない……
精神科とかカウンセリングとかを受けるべきだったのだろうけど……その時や今の私はそうしなかった
そんな時間が無いからだ
人は……何かに押しつぶされると世界は全て灰色に見えて……色の無い世界に放り込まれた様に感じる
しかし私は思うのだ……今が楽しくないから世界が色付いてないのだと…
いや……こういった方がいいか…生きている楽しみがないから世界が灰色に見える…
宗四郎は実力を伸ばし気づけば副隊長と言う位に着いていた
私は…宗四郎に言われた通り世話係…と、いう名の同居中
ちなみに……今も世界は灰色だ
宗四郎
夜宵
宗四郎
宗四郎は笑っているが私は笑えない……上っ面の笑みしか浮かべられず……少し、いや……大分申し訳なく感じる日々
宗四郎
夜宵
宗四郎
夜宵
そう言いながらご飯を作り始める
夜宵
宗四郎
夜宵
宗四郎
夜宵
宗四郎は作ったハンバーガーをペロッと簡単に平らげコーヒーを淹れると優雅に飲んで部屋から出ていった
夜宵
なんて思いながら私も自分のご飯を作ってペロッと平らげる
夜宵
我ながらハンバーグが美味である……
夜宵
ペロッと平らげた後、私は買い物を済ませる
皆さん、出歩いてもいいのか?と思いますよね?
平気でございます
なぜなら……宗四郎の挨拶の時に私も紹介されたからだ
夜宵
日焼け止めを塗ってから日傘を持って部屋から出る
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩50