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依頼、【殺人鬼】が承ります。

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依頼、【殺人鬼】が承ります。

1 - 依頼、【殺人鬼】が承ります。

♥

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2020年06月13日

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──殺人鬼。

もも

あーあ、

もも

暇すぎる。

世界は平和だ。

"殺人鬼"の俺にとっては、最大の退屈…

あ、お嬢。

なに寛いでるんだ?

折角の服が汚れるだろう。

もも

もも

いいのいいの、

もも

仕事ないし、暇だし、退屈だし。

残念だったな。

そんなお嬢に、"依頼"が来てるぞ。

キーンコーンカーンコーン

つぼみ

(学校が終わった…)

つぼみ

(早く家に帰らなきゃ……)

ドンッ!!!!

陽菜

っいったぁーい!!

つぼみ

あ……

陽菜

ちょっとなにするのよ!!!

陽菜

貴方のせいで、服にゴミがついちゃったじゃない!!!!

つぼみ

つぼみ

ご…ごめん…なさい……

陽菜

謝ればいいってもんじゃないのよ!!!

……いつもこうだ。

私は陽菜さんにいじめられている。

陽菜

ああ、そうだわ。

陽菜

陽菜

罰として、皆の前で裸になってもらおうかしら。

つぼみ

っ!!!!!

つぼみ

そ、そん…な……

つぼみ

(どうしてっ……)

私はその場で崩れた。

何故、私が彼女のターゲットになってしまったのか。

……私は、何もしていないのに。

男子生徒1

はは、本当に裸になりやがった!!

男子生徒2

ひゅーひゅー!いいぞ、もっとやれ!!

……しにたい。

お母さん、私、もう…いいよね?

耐えたよね、頑張ったよね…?

陽菜

恥ずかしい?

陽菜

恥ずかしいわよねぇ!!

陽菜

だって男子生徒のいる中で、裸になっているんだもの!!!

陽菜

貴方が悪いのよぉ?この私にぶつかってきたんだから!!

陽菜

あははっ!!!

…そうだよね、全部私のせい。

でも、もういいの。

つぼみ

つぼみ

…ここが、屋上で良かった。

つぼみ

つぼみ

…はっ……!

つぼみ

…あれ、わたし。。。

確か、屋上から飛び降りたんじゃ…

それじゃここは……天国?

もも

天国じゃねーよ。

もも

どこをどう見たら、そうなるんだ。

つぼみ

!?

つぼみ

あ、あなた…だれ?

綺麗な人・・・

もも

もも

誰ってなぁ…

もも

お前が"依頼"してきたんだろうが。

つぼみ

つぼみ

い、依頼?なんの事ですか…

つぼみ

私、死んだんじゃないんですか??!

死んでなきゃ……わたしっ……!!!

もも

もも

確かにお前は死んでる。

もも

だがな、ここに飛ばされたって事は、

もも

それなりの"要望"があるんだよ。

もも

──立花つぼみ。お前にはな。

つぼみ

!!

つぼみ

私の、名前……。

もも

もも

なぁ、立花。

もも

俺は"殺人鬼"だ。

もも

──立花を玩具のように遊んだ、

もも

あの女をじっくり"殺してみたい"と思わないか?

教師

教師

非常に残念な知らせだ。

教師

受け止めきれない生徒もいるだろうが、

教師

立花さんを含め、このクラス全員で卒業を迎えたら幸いだ。

クラスは呆然としていた。

まさか飛び降りるなんて思ってもいなかったからだ。

陽菜

う、っ…立花さんがっ……ううっ…

陽菜

わたしっ…立花さんのすぐ側にいたのにっ…ぐすっ…

陽菜…。

陽菜

莇くんっ…、

陽菜は何も悪くないよ、

立花を守れなかった俺達にも責任がある。

陽菜はすっかり莇の虜になっていた。

馬鹿な女だ。

教師

そうだ莇。

教師

今日は陽菜さんと一緒に帰って貰えないか。

教師

大事な友達を失って心に傷がついてしまっているからな。

教師

莇なら、彼女の癒しになるだろう。

分かりました。

陽菜

莇くんっ…わざわざごめんねっ…

いいんだよ、

さ、行こう。

お仕事の時間だ。

帰り道

大丈夫?少しは落ち着いたか?

陽菜

うんっ。

陽菜

莇くんのおかげだよ。

ギュッ。

陽菜

陽菜

…莇くんがずっと私の側にいてくれたらいいのに。

…………。

陽菜

…ダメ、かな?

汚い胸を押し付け、誘うように言う。

──それは、

"彼女"の事を済ませてから答えてあげるよ。

陽菜

……え?

つぼみ

つぼみ

相変わらずだね、陽菜さん。

陽菜

な、な、なっ……!!!!!

もも

もも

──お疲れ、莇。

もも

良い"演技"だったよ。

そりゃどーも。

後で消毒させてね、お嬢。

もも

はいはい。

陽菜

陽菜

ど、どうしてよ…あなた、死んだはず…

つぼみ

そうだね。私は貴方の望み通り死んだよ。

陽菜

じ、じゃあ…なんで……

つぼみ

つぼみ

今日は、陽菜さんに死んでもらいにきたんだ。

陽菜の目に、尖った刃物がうつる。

陽菜

ひっ…!

陽菜

じょ、冗談はやめて!!!

陽菜

大体、貴方が悪いのよ!!!!!

陽菜

いつもいつも、私の邪魔しやがって…!!!!!

つぼみ

つぼみ

邪魔?

つぼみ

それは陽菜さんの方でしょ?

陽菜

なっ…

つぼみ

何もしていない私を、まるで犯罪者扱い。

つぼみ

皆の前で死ぬほど恥ずかしい思いをして、

つぼみ

私が死んだ後も、ド下手な演技して、泣いてさ。

つぼみ

私がどれだけ我慢したか、貴方には分かるの?

陽菜

陽菜

な、なによ……

陽菜

それがなんだっていうのよ!!!!!!!!!!!!

グサッ!!

陽菜

…へ?

つぼみ

え?

もも

もも

ごめん、腕痛かった?

陽菜のお腹には、大きな穴が空いていた。

そして何も喋らず、目を閉じた。

つぼみ

いえ。

つぼみ

…陽菜さんは、死んだんですか?

もも

…あぁ。

もも

此奴は重症だったようだ。

もも

何を言っても治らないタイプだよ。

つぼみ

つぼみ

そう、ですか……。

まだ悔いは残ってんのか?

つぼみ

…いいえ、

つぼみ

凄くスッキリしました。

もも

もも

最後に言い残す事はあるか?

つぼみ

つぼみ

もうないです。

つぼみ

…あの、

つぼみ

色々と、ありがとうございました。

つぼみ

これで楽に成仏出来ると思います。

もも

もも

そうか。

もも

…っと、そろそろ時間のようだな。

つぼみ

!!

つぼみ

体が…………

もも

大丈夫だ。

もも

これからお前は、極楽浄土かどうかが決まる。

もも

もも

あっちでは楽に生活できるといいな。

その後。

結局、現実に帰ったんだね。あいつ。

もも

もも

極楽浄土ではなく…あえて、そっちの道を選ぶとは。

お嬢、何となく勘づいてたんじゃない?

もも

…どうかな。

もも

ま、久しぶりの仕事だったし、

もも

結構楽しかったよ。

殺したい相手がいたら、

俺達にお任せあれ。

今ならお金は必要ありません、

お金の代わりに小さな代償を支払ってもらいますが。

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