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スターダスト★ラブストーリー

8 - ムードメーカーだって恋をするっ!【秘密が始まった10分後】

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2019年10月09日

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第2話 【秘密が始まった10分後】

三好 貴文

お前っ、うるせぇなw

そう言われたって、大きい声も出る

小林 竜太

みっ、みよっちゃんが変な事言うからだろー!

三好 貴文

変な事言ったかー?

小林 竜太

言った!

小林 竜太

き、キスを、教えるっとか...そんな事!

小林 竜太

変態教師めっ!

そんでもって全然手を離してくれないのも何なんだ

みよっちゃんは「心外だな〜」とか笑いながら言うと、掴んでいた俺の手を上へ引っ張った

小林 竜太

???

小林 竜太

な、何?

そのままみよっちゃんが立ち上がるから、つられて俺も立ち上がった

小さい子供が母親に服を脱がせてもらっているかの様な体勢のまま、ゆっくりと後ろに歩かされる

足がもつれない様に気を付けながら、一歩一歩後ろに下がっていく

小林 竜太

みよっちゃん、転ぶから、ちょっ

三好 貴文

あと少し、あと少し!

小林 竜太

何なの!?

後ろを向こうにも、人ってバンザイしてる時首あんま動かないんだよね

何だかよく分からない状況に混乱していると、トンっと背中に何かが当たった

ビックリしたけど、それがすぐに壁だって事に気が付く

小林 竜太

...ん、壁?

バンザイの手を少し下ろしてもらい、丁度肘が90度くらいの所で壁に押し付けられた

動かない俺に気を良くしたのか、みよっちゃんはニンマリ笑顔で顔を近付けてくる

小林 竜太

へ、え、わ、みよっちゃん!

三好 貴文

む...逸らすんじゃねぇよ

小林 竜太

いや、いやいやいや!

小林 竜太

落ち着けよみよっちゃん!

既の所で顔を横に背け、接触は回避した

みよっちゃんは何故か不満そうな顔をする

この時だったら頑張って逃げれたかもしれないのに、俺の行動力は無いに等しかった

足の間...股の間?にみよっちゃんの右膝が入り込み、いよいよ身動きが取れなくなる

三好 貴文

教えてほしくない?

三好 貴文

本物のキス

小林 竜太

何で実践なんだよ!

小林 竜太

口で説明しろよっ、口で!

三好 貴文

だから、口でシてやるんだろ?

小林 竜太

ん?

小林 竜太

だっ!

小林 竜太

違ぇーよバカ!

小林 竜太

何、まじで変態!

噛み付くように歯向かってみても、動揺しているのは隠しきれない

俺はホモじゃ無いってのに、何でみよっちゃん相手にこんなドキドキしてんのか分からなかった

みよっちゃんはまた俺の腕を上げ、器用にも右手一つで俺の両手を拘束する

それがまた力強いの何の...

全く振り解けない

小林 竜太

くっ、う、は、な、せぇ〜ッ

三好 貴文

大人の力をなめんなよ〜?

三好 貴文

小林なんて片手で充分

小林 竜太

あほ!ばか!変態!

三好 貴文

先生に向かって何てことを...

小林 竜太

生徒に向かって何してんだよ!

小林 竜太

うぶっ!

三好 貴文

お黙り!

小林 竜太

にゃんだひょれっ!
(何だそれっ!)

三好 貴文

ぶっは!w

三好 貴文

小林w

三好 貴文

くふっ、ふふふっw

みよっちゃんは空いた左手で、俺の頬を唇が尖る程潰した

そのせいでちゃんと喋れない俺を見て、みよっちゃんは吹き出して笑う

頭を振っても手は外れず、逆にくい込んで痛い

小林 竜太

ひゃなひぇ...
(離せ...)

三好 貴文

嫌なこったw

三好 貴文

俺今ちょー楽しいもんw

小林 竜太

ふぐぬぬぬっ

三好 貴文

なぁ小林ぃ

小林 竜太

にゃんだひょ?
(何だよ?)

三好 貴文

本当に嫌なのかー?

三好 貴文

俺にされるの

小林 竜太

うーっ

小林 竜太

ひやら...
(嫌だ...)

みよっちゃんが真面目な表情するから、一瞬たじろいでしまった

本音を言うと、そんなに嫌じゃない

嫌ってゆーより、ダメって意識の方が強かった

三好 貴文

んー

三好 貴文

どーも嫌そうじゃないんだよなぁ

三好 貴文

本当に嫌なのかな〜?

小林 竜太

んみひょっひゃむ!
(みよっちゃん!)

三好 貴文

何言ってるか分かるけど、分かんねぇなw

小林 竜太

んっ

みよっちゃんはようやく頬から手を離してくれた

離れていく手を噛んでやろうかとも思ったけど、酷い事されそうだったから止めといた

俺はキッとみよっちゃんを睨み、ギュッと唇を固く結んだ

三好 貴文

そんな顔するなって

三好 貴文

じょーだんだよ、冗談!

小林 竜太

は...?

小林 竜太

冗談?

三好 貴文

そーそ!

三好 貴文

まさか、本トに手ぇ出すとでも思った?

そー言うとみよっちゃんはあっさりと体を離した

俺はポカンと口を開け、放心状態で立ち尽くす

小林 竜太

み、みよっちゃんなんか、教師失格だー!!

三好 貴文

うるせっ

小林 竜太

ばか!

小林 竜太

いたいけな少年を弄んでっ!

小林 竜太

酷い先生だわ!

三好 貴文

何だよそれw

俺は自由になった手で口元を覆い、みよっちゃんからガードした

グイッとみよっちゃんの体を押して距離を取る

三好 貴文

そんな警戒しなくたって、小林なんか襲わないよ

小林 竜太

俺なんか、って失礼だな!

三好 貴文

俺、ガキは相手にしねーの!

三好 貴文

面倒臭いだけだしな

小林 竜太

みよっちゃん顔は良いのにひでー性格してるよな

小林 竜太

そんなんじゃモテないぜ?

三好 貴文

余計なお世話だっつのw

みよっちゃんはクルリと後ろを向き、ガタンッと音を鳴らして椅子に座った

三好 貴文

ほら、早く手伝え

三好 貴文

俺もう腹減って帰りてぇ

小林 竜太

誰のせいで遅くなってんだよ!

三好 貴文

小林のせい

小林 竜太

違うだろー!

バタバタと俺もみよっちゃんの隣へと行き、机に置いていたホッチキスを手に取る

そして再び宿題の冊子作りを始めた

2、3分経った所である事に気が付く

小林 竜太

あれ、この作業座ってたら出来なくね?

小林 竜太

みよっちゃ...んん?

三好 貴文

...

そう

プリントが20枚もあっては、机全体を使わないと束にして置けないわけで、必然的に立って少しずつ移動しながらでないと全て集める事は出来ないのである

そんな事に2、3分も気付かなかったなんて、やっぱり俺はバカなんだろうか?

サボりが確定しているみよっちゃんを怒る為、みよっちゃんの方を振り返ると...

なんとも無防備にみよっちゃんは居眠りをしていた

偉そうに腕を組み、少し首を右に傾けてスヤスヤと眠っている

小林 竜太

何寝てんだよー!

小林 竜太

みよっちゃん!

三好 貴文

...

近寄って肩を叩いても、体を揺すっても起きる気配がまるで無い

俺は深い溜め息を吐いて、みよっちゃんの隣の椅子に座る

小林 竜太

結局、俺1人でやってんじゃんかよー

小林 竜太

おーきーろーよー!

三好 貴文

ぐぅ...

小林 竜太

イビキで返事すんなw

ギュッと鼻を摘んでも、鬱陶しそうに手を払い退けられるだけで起きてはくれなかった

ふとみよっちゃんの顔を見れば、その綺麗さに目が離せなくなる

やっぱりみよっちゃん、顔だけはイケメンだと思う

小林 竜太

(まつ毛長いし...)

小林 竜太

(眉毛もキリッとしてるし...)

小林 竜太

(鼻も潰れてないし...)

小林 竜太

(唇は形も色もキレイだし...)

小林 竜太

(こんなカッコイイのに、性格がなぁ...)

ついみよっちゃんの口元を凝視してしまう

さっき抵抗していなければ、この口とキスしていたかもしれないのだ

俺は口の中に溜まった唾液をゴクリと飲み込んだ

小林 竜太

(少しだけなら...)

小林 竜太

(気付かれない...かな...)

みよっちゃんの肩にそっと手を掛ける

ぐっと身を乗り出し、静かに顔を近付けた

心臓の音が耳の穴から外に漏れ出ているんじゃないかと心配になる

何でこんな事してんのか、正直自分でもよく分からない

あんなに抵抗して嫌がったのに、今は自分からキスしようとしている

好奇心なのか、それとも別の何かなのか...

ただ、今の俺は目の前の男である担任にキスをしてみたい、その思いだけで体を動かしていた

小林 竜太

みよっちゃ、ンう!?

もう少しで唇同士が触れるとゆう所で、いきなり体をガッチリと抱き締められた

抱き締めてきたのはもちろんみよっちゃんで、腰と頭に大きな手が回る

俺はビックリして目を見開き、慌ててその手から逃れようともがく

抱き締められた反動で唇は触れ合ってしまい、みよっちゃんの柔らかい感触に何とも言えないふわふわした感情が体の力を抜けさせる

小林 竜太

んーッ!

小林 竜太

んん、うーッ!!

三好 貴文

...

いくら叫んでも、口を塞がれていては響かない音にしかならない

肘を曲げた状態でガッチリ固定されている為、両手はロクに使えなかった

腰を引き寄せられた為に、みよっちゃんの膝上にストンと座る体勢になる

みよっちゃんは動きもせず、俺を抱き寄せたままピタリと固まってる

小林 竜太

(なになになになに!?)

小林 竜太

(みよっちゃん起きてたの!?)

小林 竜太

(てゆーか口!)

小林 竜太

(口当たってる!)

小林 竜太

(みよっちゃんとキスしてるー!!)

俺の頭は大混乱だった

体は捩れど、顔は動かない様に注意を払う

顔を動かしてしまったら、口が動いてきっと大変な事になる

小林 竜太

(何とかしないとっ)

小林 竜太

(みよっちゃんは起きてるのか!?寝てるのか!?)

三好 貴文

...

みよっちゃんは力強く俺を抱き締めてはいるが、目は開いてないし未だに鼻からスースー寝息が聞こえるので、これ多分寝ているんだと思う

寝ているんだったら多少手荒でも大丈夫だろうと判断し、俺は何とか脱走を試みる

しかし、満足に体を動かせない為、状況が変わる事は無かった

小林 竜太

うぅ〜っ

小林 竜太

んーんー!

小林 竜太

(早く起きてよ、みよっちゃん!)

小林 竜太

(し、心臓が止まっ...)

小林 竜太

ぴっ!?

半分泣きが入り始めた時、触れていた唇に違和感を感じた

そいつは一瞬にして口の中に入り込み、湿ったそいつに唇を擦られる感覚に、ゾワゾワと肌が粟立つのが分かる

ビクンッと過剰に反応し、背筋をピンと伸ばした

小林 竜太

んん〜ッ!?!?

小林 竜太

(何!?なっ、舌!?舌なの!?みよっちゃんなの!?何!?)

俺の頭は限界だった

もう正常な判断なんか出来なくて、俺は思い切り

みよっちゃんの舌を噛んだ

小林 竜太

んぃ〜!

三好 貴文

ッ!?痛って!!

小林 竜太

ぶわっ!?

小林 竜太

起きた!?

三好 貴文

あ?何、え、痛てぇ〜ッ

三好 貴文

ちょ、小林、何してんの?

小林 竜太

それはこっちのセリフだ!!

見事にみよっちゃんは目を覚ました

俺は力加減なんかしなかったので、相当痛かったんだと思う

いや、しなかったんじゃなくて出来なかったんだ

目を覚ましたみよっちゃんは、俺の様に状況が把握出来ず、見るからに意味分からんって表情をしていた

俺がバタバタと暴れると、みよっちゃんは簡単に拘束を解いてくれた

俺は急いでみよっちゃんの膝から飛び降り、警戒する猫のように距離を取って鋭くみよっちゃんを睨む

三好 貴文

え?何、どーゆう状況?

小林 竜太

知らないよ!

小林 竜太

みよっちゃんが寝てたから、起こそうとしたらキッ...キス、されたんだよ!!

三好 貴文

...

三好 貴文

うわー、マジか...

小林 竜太

大マジだ!

小林 竜太

しかも抱き着いてきて全っ然離れないし、舌っ入って...きて...と、とにかく!

小林 竜太

すげー大変だったんだぞ!?

三好 貴文

はー、やっちまった...

三好 貴文

まさか小林相手とは...

みよっちゃんは大袈裟に溜め息を吐き、手を額に当てて頭を軽く振った

小林 竜太

説明しろー!

小林 竜太

な、何だよ今のはっ!

三好 貴文

ちょっと待て、とりあえず落ち着け小林

三好 貴文

めちゃくちゃ声がでけぇ

小林 竜太

落ち着けるか!!

三好 貴文

マジで、外に聞こえるから小声になって小林さん

小林 竜太

さん付け気持ち悪ぃな...

三好 貴文

何だと、こら

みよっちゃんの言った通り、あまり他人に聞かれて良い話ではない

俺は興奮する自分を抑え、声を大から中へと下げた

小林 竜太

こ、このぐらいなら大丈夫か?

三好 貴文

あぁ、さっきより全然マシだ

小林 竜太

じゃあ説明しろよ!

小林 竜太

何で俺にキスなんかしたんだよ!

三好 貴文

まぁ待て

三好 貴文

まず俺は今の今まで寝てたんだ

三好 貴文

お前に舌をおもくそ噛まれるまでは、な

明らかに嫌味を含んだ言い方に、俺は罪悪感を覚えるよりも先に怒りを覚えた

さらに鋭くみよっちゃんを睨み、俺は口をへの字に曲げる

小林 竜太

みよっちゃんのせいだからな!

三好 貴文

分かってる、分かってる

三好 貴文

で、悪いんだが俺は寝てて記憶が無い

小林 竜太

本トに寝てたのかよ?

三好 貴文

爆睡こいてました

小林 竜太

クソ教師め...

三好 貴文

口悪ぃな、おいw

小林 竜太

みよっちゃんは寝てたら誰にでもキスするのか!?

三好 貴文

ンな訳ねぇだろw

小林 竜太

じゃあ何でしたんだー!!

三好 貴文

声、声!

三好 貴文

とりあえず座りな

みよっちゃんは人差し指を口に当て、静かにするようにと諭す

寝てる時のみよっちゃんがキス魔で無いとしたら、一体何故俺にキスしたのか全く意味が分からない

俺は大人しく椅子に座り、みよっちゃんの言葉を待った

小林 竜太

...

三好 貴文

...えらく大人しいな

小林 竜太

怒ってるの!

三好 貴文

そんな怒るなって

小林 竜太

...

三好 貴文

分かった、ちゃんと言うから

小林 竜太

早く

みよっちゃんは深く呼吸をし、その表情は珍しく緊張しているみたいだった

俺もつられてソワソワと落ち着かない気分になってくる

口を開いたみよっちゃんからは、衝撃の言葉が流れ出た

小林 竜太

ハァッ、ハァッ!ッ、ハァッ...

荒くなった呼吸を整える

学校から徒歩10分くらいの所にある公園で、俺は膝に手を付き汗が地面に落ちるのをその目に映していた

心臓がドコドコドコと、某ジャングルボードゲームの様にでっかい音で鳴っている

先程の場面が頭をチラついて仕方ない

小林 竜太

っくしょ...

小林 竜太

何なんだよっ、急にッ

もう呼吸は整ったのに、心臓がまだキュウゥッと苦しい

俺は近くにあったベンチに崩れるように座り込んだ

三好 貴文

そんな怒るなって

小林 竜太

...

三好 貴文

分かった、ちゃんと言うから

小林 竜太

早く

三好 貴文

はーっ

三好 貴文

好き

小林 竜太

...?

三好 貴文

...

小林 竜太

え、何が?キス?

三好 貴文

いや、違う、そこじゃない

小林 竜太

???

小林 竜太

もっと分かりやすく言えっ!

三好 貴文

俺、小林が好きなの

小林 竜太

???

三好 貴文

そうか〜

三好 貴文

いや、分かんないか〜?

小林 竜太

何?え、どしたの、みよっちゃん

小林 竜太

...うん?

三好 貴文

よし

三好 貴文

じゃあ分かりやすくしてやろう!

小林 竜太

最初からそーしてくれ!

三好 貴文

じゃあ手を出して

小林 竜太

ほい

三好 貴文

小林の手を〜俺が〜握りまぁす

小林 竜太

何そのテンションw

小林 竜太

喋り方きしょいw

三好 貴文

きしょいって言うんじゃない!

三好 貴文

で〜、小林の手を〜俺が〜引っ張りまぁす

小林 竜太

おわっ

小林 竜太

みよっちゃん?

三好 貴文

俺が〜小林に〜キスしてしまうのは〜

小林 竜太

喋り方キモいってw

三好 貴文

小林が特別だからだって言ってるんです

小林 竜太

へ、う、んッ!?

三好 貴文

...少しは分かった?

小林 竜太

ッ、わ、わ、分からんわぁ!!

三好 貴文

え、おい!小林!

小林 竜太

わあああ!!

小林 竜太

もう帰る〜!!

小林 竜太

くっ...

小林 竜太

意味分かんねぇよっ!!

小林 竜太

明日からどんな顔して学校行けば良いんだよ!?

小林 竜太

みよっちゃんのバカやろーー!!

小林 竜太

俺の純情返せぇー!!

俺の叫びに合わせ、近所の犬が遠吠えしていた

【ムードメーカーだって恋をするっ!】 第2話 〜fin〜

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