白雪
ねえ、先生
仁
どうした姫君
白雪
白雪
先生まで私がこんな名前だからって…
仁
いいじゃないか、君は綺麗だ
白雪
白雪
先生は、白雪姫のお話をご存知ですか?
仁
俺を馬鹿にしてるのか?
仁
もちろん知ってるよ
白雪
そんなつもりじゃ…
白雪
白雪
私、白雪姫のお話だけはどうしても納得いかないんです
仁
どうしてだ?
仁
君のように美しい姫が、王子と結婚して幸せになる話だろ?
仁
なにが不満なんだ?
白雪
白雪
白雪姫は、本当に王子と結婚して幸せだったのでしょうか…
女子生徒1
ねえ、見て!
女子生徒1
白雪姫と王子が登校してる!!
女子生徒2
ほんとだ!いつ見てもお似合いね〜
涼
涼
俺たち、注目の的だな…
白雪
白雪
そうね
涼
涼
不満そうな顔だな
白雪
白雪
やっぱり私たち、別れるべきだと思うの
涼
は?
白雪
あなたのことはいい人だと思う
白雪
でも私、あなたを好きかどうかはわからない…
涼
そんなこと言うなよ
涼
俺たちはお似合いなんだ。みんなが言ってる
涼
俺たちほど羨ましがられるカップルはないんだ
白雪
涼
君はとてもかわいいよ
涼
僕の自慢の彼女だ
白雪
白雪
時々、思うんです
白雪
みんなから羨ましがられても、私にとってはなんの価値もない
白雪
ただ成り行きでこうなってしまっただけであって、
白雪
本当はもっと別の誰かがいるんじゃないかと。
白雪
別の誰かとなら、みんなが幸せなんじゃないかと。
白雪
王子ではなく別の誰かなら、女王に妬まれることもなかったのに…
愛美
あなたが涼くんを寝取ったやつ?!
白雪
白雪
私そんなこと…
愛美
じゃあなに?
愛美
涼くんがあんたのことを好きになったって言いたいの?
愛美
そんなわけないじゃない!私と付き合ってたんだから!!
白雪
私、涼く——
愛美
うるさいっ!!!
バチンッ
白雪
いっ…!!
愛美
愛美
あんた、後輩のくせに生意気なのよ…
愛美
覚えとけよ
ガンッ…!
白雪
うぅっ…