根山
根山
君を見つけた
俯いて歩く後ろ姿
それだけでも愛おしかった
根山
俺は君に優しく囁いた
上村
上村
そう君は小さく囁いて
校舎に入っていった
根山
なんで謝るんだよ
根山
結局謝れなかった、。
君には分かりやすく避けられて、
根山
俺は昨日からずっと後悔してる
君に強く当たってしまった
君のことなんもわかんない癖に
上村
君が昨日と同じようにトイレから顔を出していた
少しだけ目を潤して、
根山
俺がそう呟いたら
君はいきよいよくバッグを持ち上げ走っていった
根山
俺は大声を出しても君には届かなかった
根山
今日俺は朝から君に謝ると決めていた
決めたんだ
翔太だって
自分で決めて、自分の心を潰していたんだ
それに比べたら、
根山
俺は君を追うと決めた
根山
根山
根山
俺は無心に君を探した
自我を失ったように
どこに行ったんだ
まさかあそこか、?
俺はあそこに行った
根山
俺は走ったせいで息切れをしていた
あそこ。君が素直に話してくれた場所
君を見た瞬間ほっと体が暑くなった
君がいる俺の視界はこんなにも綺麗だった
君は俯いて前座った時と同じベンチに腰掛けていた
俺は君を目にやきつけながら君の方に歩いた
上村
俺に気づいたのか、君は
目尻が赤くなった顔をあげた
上村
そう言って君はまた走って行こうとした
根山
俺は思わず腕を掴んだ
根山
根山
上村
君は泣いていた
おもわず手を離しそうだった
でも俺は逆に力を強めた
根山
根山
上村
根山
そう、俺は決めたんだ
君に謝るって
だから、逃がさない。
上村
上村
根山
上村
俺、あんなに酷いこと言ったのに
なんで、
上村
上村
根山
君を救った覚えなどない。
上村
君ははち切れるような声で俺に言ってきた
根山
上村
上村
上村
上村
根山
納得できない言葉に俺は強く反論した
根山
根山
君は謝らなくていいのに
俺が謝らないといけないのに
上村
上村
根山
根山
上村
根山
根山
上村
上村
上村
上村
根山
上村
上村
なんだ、、嫌われてなくてよかった。
根山
俺は掴んでた腕を君の手のひらに移動させた
根山
根山
上村
そう君は可愛く微笑んだ
俺が大好きな笑顔で
根山
俺も軽く微笑んだ
上村
根山
俺と君は2人で笑った
根山
上村
涙が引いて前と同じベンチに2人で腰をかけた後に
俺は君に問いかけた
根山
上村
俺は救った覚えなどない
俺は不思議に思いながら君の言葉を待った
上村
君は照れくさそうに答えた
根山
上村
上村
中3の新学期初日
俺は学校に行ってみた、、
でもやっぱり
門を潜ることは出来なかった
校門の前で俺は全身が震えて、引き返そうとした時
君が、現れたんだ
上村
気だるそうに
当たり前のように
門を潜った君の横顔
もっと見たいと思った
君のこともっと知りたいと思った
俺は君を追いかけるように
まるで今までの震えがなんだったんだというように俺は門を潜った
俺は君を目にやきつけながら歩いた
自我を失ったように
初めて見た光景だった
クラス表。
君は多分自分の名前を探し始めていた
その気だるそうに探す姿もとっても愛おしかった
根山
君は突然叫んだ
上村
根山
君は少し面白可笑しそうに笑った
上村
それがとてつもなくかっこよく
見入ってしまった
君と話したいと思ったんだ
上村
そんなことを考えている内に君はどこかに行っていた
君に話しかけないと
俺も急いでクラス表を見た
上村
君と同じだった
俺は慣れない制服で慣れない校舎に足を踏み入れた
上村
なんとか人の流れに着いて辿り着くが出来た
俺は君のことを考えながら教室に足を踏み入れた
軽々しく
約5年ぶりに
教室というものに足を踏み入れた
上村
君が居た
1番後ろの席にかばんをおきながら
少し微笑んでいる君を
君に話しかけたいの一心だった
君だったら話せる気がしたんだ
俺は君に駆け寄った
運が良く君の前だった
平常心を装いながら君に言った
上村
君に話し掛けたくて
思わずもれた
でも、君は固まっていた
目を丸くして
俺の目を見て
初めて目が合った時だった
でも、君はずっと固まっていた
俺はやってしまったと思った
謝んなきゃ
また、小学校と同じ事になる、
考えただけで震えた
上村
上村
なるべく平常心に、、
平常心に、、
根山
君は我に返ったように驚いていた
それは気にすることもできず、俺はただ謝ることでいっぱいだった
上村
上村
根山
君は目を丸くしたまま答えてくれた
でも、たぶん引かれただろう、
俺は明日から学校行けるか心配だったけど
君の顔が見たくて
君の声が聞きたくて
学校に来れていた
上村
君は照れくさそうに話してくれた
初日にそんなことがあったなんて
思ってもいなかった
上村
根山
根山
根山
上村
根山
根山
根山
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