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美花side

美花

あ、やば…

森下

美花ちゃんや。

井坪

おひさ。

美花

まだ生き残ってたんだ…

森下

なんと人聞きの悪い子。

井坪

森下さんセクハラっすよ…美花ちゃんなんでここに?

美花

出張でこの辺に来てて…

今日丸一日 うちの高校の初等部社会科の 研修会を行っている。 今はちょっとした空き時間に 休憩を取りにうろついていた。

井坪

あ、今からご飯?

美花

まぁそうですけど…

森下

俺らご飯奢るから話聞かせてよ。

井坪

セクハラの次はナンパですか…?

森下

お前も同罪やぞ。

美花

開始が後1時間半しかないからはよ行こ。

近くにあったカフェに入り ランチメニューを定員さんに頼んだ。

森下

あ、学校の先生になったんだ。結局。

美花

忙しいけどね。

井坪

修也とか蒼生『ここ2年ぐらい美花に会ってない』とか喚いてるんだけど…

美花

あの二人も生き残ってたん?

森下

うん。あとそれに今年から大卒で美花ちゃんと同い年の子も入ってるし。騒がしくなったよ。

井坪

なんだかんだ言って結果残してますけど。

森下

タフだもんあの二人。

美花

特に百崎くんね。

お冷を飲みながら 思い出話に花を咲かせていると 新たな来客がやってきた。

井坪

あ、こっち〜

森下

やっと来た。

百崎

久しぶり

山田

元気にしてた?

美花

生徒が元気すぎて体力吸い取られそう。

誰が来たのかと思ったら さっきまで話してた同い年2人…

森下

今美花ちゃんの出身校で学校の先生やってんだって。社会科の。

百崎

まじっすか?

山田

部署とかって決まってんの?

美花

生徒指導。

井坪

まじ?

美花

高校の時追いかけられる立場だったのに次は追いかける立場になった。

朝と放課後の登下校指導や 頭髪検査にメイク指導など 学生時代に鬱陶しく思っていたが 立場が逆になった途端 先生の気持ちがわかってしまった。

井坪

逆に生徒からの信頼やばそう。

森下

高すぎてね。

美花

あ、そうそう。私謎にさ『暴走族の総長』とか言われてんねん。

百崎

たしかに。

山田

わかるかも。

井坪

たしかに口が滑って色んなこと言ってたけど…

森下

3人も口滑りすぎやけどな。

そんなこと話してたら グループLINEが動き出した。 スマホを見ると軽音部のやつで 何かを話している。

美花

あ、昼休みか…だからね、、、

山田

なにがっすか?

森下

軽音部の顧問だって。この子。んで、3年生の副担任。

百崎

忙しそう…

井坪

なんか来てたん?

美花

8月にやる地域の夏フェスにうちのバンドが2組出るからその曲を送ってきてくれて。楽譜探さな…

百崎

ちゃんと仕事してる…

山田

指導者向きだったんだよ。昔から。良き相談者だったし。

森下

まぁたしかに。聞き上手だったし。

美花

2人もなんか食べるの?森下さんの奢りやって。

百崎

いいんすか?

山田

あざっす!

メニューとにらめっこし始めた ふたりをよそに 定員さんが ご飯を持ってきてくれた。 そのついでに2人も注文をした。

森下

ていうかなんで学校の先生になろうと思ったん?

井坪

あ、それ気になる。

百崎

てっきり野球関係の仕事に就くと思ってた。

山田

それかカウンセラーとか。

美花

ん〜、誰かの青春をそばで見たかったからかなぁ…

高校3年に上がったタイミングで 全く将来を考えてなかった私は 担任の先生にとある質問をした。 『先生になろうと思った きっかけってなんですか?』って。 その返答が 『誰かの青春を近くで見たいから。』 その言葉を聞いて 私もなろうと思ったから、 高校教師を目指し始めた。

美花

そりゃ、野球の仕事に就こうと思ったけどね。

百崎

俺もドラフトかからなかったら学校の先生になってたかも。

森下

その分大変なこともあるけどな。

美花

たしかに。

山田

彼氏くんは?

美花

まだ付き合ってるよ。お互い残業ばっかだけど、週1はご飯一緒に食べてる。

百崎

どこに就職?

美花

えっと、ミ○ノの大阪支店だったかな。割と近い。

井坪

俺引退したら何しよ…

森下

俺らも歳やからなぁ…

美花

もうすぐ30ですもんね。森下さん。

百崎

俺今年で何歳だっけ?

山田

23。

ご飯食べながら 昔話に盛り上がってたら 後15分程で また仕事が始まることに気づき お店の前で 解散することになった。

出張の用事を終え 学校に戻り報告をし 廊下を歩いてると 珍しい子から話しかけられた。

清水

先生〜

美花

ん?どうした?

彼女はうちのクラスの 学級委員の女の子。 私生活を見ても 真面目で分からないことがあったら 素直に聞いてくるので 先生からの信頼は絶大。

清水

対策プリントのところでここの部分がわかんないです。

美花

あ、ここはね…

来週からテストだから 自習室で勉強してたのか 分からない部分を聞いてきた。 一通り説明して 理解したのか元気よく挨拶して 自習室に戻って行った。

美花

えっと、私何しに来たんだっけ…?ああ、そうだ。部室行って楽譜のコピーだ。

荒木

川原ー!テスト監督の件なんだけど今いけるかー?!

美花

あ、はーい!

お昼の時に 学校の先生は大変とか 言ってたけど それよりも生徒の成長が見られて 楽しいのが勝っている。 振り回されているのが 大半だけど。 テストに向けて仕事を終えようと 廊下を歩き出すのだった。

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