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そう、処刑された時もこんな冷たい風が吹いていた。
深い森の奥、朝も夜も区別のつかぬその地に、ひとつの“骸”が転がっていた。
それは人の形をしていた。
首を胴体と切り離され、頭部の白銀の髪が泥にまみれていた。今にも狼に食べられてもおかしくない状況だった。
なんでこうなったかだって?それを説明する前に俺の名は...クロトという。
でも、もう死んじゃったし...名前を言ってもな...。俺に両親はおらず、唯一の家族と言える祖父が病死して田舎から王国に仕事をしようと家を出た。だが、王都で俺が働ける場所などどこにもなかった。そんな時、騎士団長のカールイという人が俺を救ってくれた。そこから王国の兵士として王国に忠誠を尽くし、数百の戦場を渡り歩いた兵士だった。いつか俺も騎士団長という地位まで駆け上がるのを夢見た! だが、最後に俺を待っていたのは、王の玉座ではなく処刑台だった。そこから記憶がなかった。
ユテル
声が、響いた。
その声は、どこか楽しげで、どこか退屈そうでもあった。
黒と桃色が混じった鮮やかな髪。瞳は左右で色が違い、いたずら好きの子供のような笑みを浮かべていた。
ユテル
世界の理からほんの少しはみ出した存在。時に残酷で、時に気まぐれで。だが今、彼女の関心はこの死者にあった。
ユテル
彼女は指を鳴らすと、空中に揺らぐように魂が現れた。
まるでその声を待っていたかのように、威光を放つ。
それは白でも銀でも灰色でもないような未だかつて見た事がない色を放つ。
ユテル
魂は言葉を持たない。ただ、魂の色が半分真っ赤に染まり震えていた。
……復讐...あいつらを……こ...殺す
声ではない声が、魂から伝わってくる。
ユテルは満足げに頷く。
ユテル
彼女が死体に手をかざすと、周囲の空気が震え、光がクロトの体を包み込んだ。
骨の折れる音、胴体と首の肉が再構築される感触。クロトまぶたが、わずかに動く。もう一度言うけど、俺の名はクロト。生き返りし復讐の悪魔。
クロト
地面に手をつき、クロトが荒く息を吐いた。
クロト
ユテル
ユテルはケラケラと笑う。
クロトはふらつきながら立ち上がった。視界はぼやけ、だが感覚は妙に冴えていた。
右手を握る力が戻ってきた。
クロト
ユテル
クロト
ユテル
彼女の言っている事は理解出来なかった。神!?それはクロト達人間の間では空想上の信仰するべき存在とされており、実際に存在する事は無いと言われてきたのである。
ユテル
クロト
ユテル
クロト
ユテル
クロト
ユテル
クロト
ユテル
クロト
ユテル
最後の言葉を言っている瞬間ユテルから物凄い殺気が溢れ出ていた。しかし、殺気はすぐに無くなりユテルは後ろを振り返り手をかざすと大きな扉が出現した。
クロト
ユテル
そう言うとユテルの誘いで訳が分からない状態のクロトを一緒にダンジョンの入り口である扉の中へと連れて行った。中には女の魔族が一人がカウンターで立っていて、その他に魔物の気配はない。
ユテル
スファーニ
ユテル
スファーニ
クロトはスファーニの元へ行くとスファーニは本を開きペンをクロトに渡してサインする場所を的確に指示してサインが終わった。
クロト
ユテル
クロト
ユテル
スファーニ
クロト
スファーニ
クロト
クロトはスファーニからリスタートリングを受け取り指にはめる。そして1階層へ続く下階段をスファーニに案内され降りていく。
スファーニ
ユテル
スファーニ
ユテル
クロトは一層目に到達すると迷宮ではなく、少し広々とした空間が広がっており、武器を持ったスケルトンが10体がクロトに襲いかかる。しかし、クロトは一体のスケルトンから剣を奪い取り次々とスケルトンを切り撃破していく。一方ユテルはダンジョンオフィスでクロトの様子を見ていた。
スファーニ
ユテル
スファーニ
ユテル
ユテルの言った通り10階層までは剣捌きでスムーズに行くことができた。しかし、10階層目に到達すると目の前には巨体で体には無数の傷があり大きな斧を持ったミノタウロスが待ち構えていた。
グルバ
クロト
グルバ
クロト
グルバ
クロト
そう思っているのも束の間。グルバは恐るべき速さでクロトの後ろへ移動して大きな斧を振り下ろした。クロトは咄嗟に前に回避した。振り下ろされた斧は地面に当たり大きな音と衝撃波が伝わる。
グルバ
クロトは剣を構えてグルバへ向かっていく。クロトは思いっきり剣を振り下ろすとグルバは斧で受ける。すると、クロトが握っている剣が折れて、グルバは足でクロトの脇腹を思いっきり蹴りクロトは吹き飛んで壁に激突する。
クロト
グルバ
クロト
グルバ
すると、再びグルバは猛スピードでクロトに向かって突進する。クロトはギリギリ突進を回避する。
グルバ
クロトは先程折れた剣を手に取り、グルバに向かって構える。
グルバ
すると、折れた剣に付着していたクロトの血がまるで生きているかの様に剣に吸収され、脈打ち折れた箇所を真っ赤な血で刃が形成されいく。
クロト
グルバ
グルバは持っていた斧をその場に置き右手を地面に付けて、姿勢を低くして勢いよく鼻から息を出し、とてつもないスピードでクロトに向かって行く。
グルバ
クロトは突進してくるグルバを避けようとしたが、避けきれずクロトの左腕がもげた。
クロト
だが、クロトは避けきれないと分かるや否や右手に剣を持ち替えておりクロトはそのままグルバへと剣を振り下ろす。剣先はグルバの脇を切り裂いて血が出る。
グルバ
しかし、グルバは恐ろしい光景を目の当たりにした。先程もげたはずのクロト左腕が何事も無かったように無傷だったのだ。
グルバ
クロト
クロトは無言で両手で剣を構える。するとグルバは再び姿勢を低くして、おもいっきり鼻から息を出してクロト目掛けて全力で突進する。凄まじい速さではあるが、クロトは両手で剣を振りかぶってグルバが射程の範囲に来た瞬間剣を振り下ろした。剣はグルバの胴体を真っ二つにした。それをオフィスで見ていたユテルとスファーニは...。
スファーニ
ユテル
スファーニ
ユテル
スファーニ
ユテル
スファーニ
ユテル
スファーニ
ユテル
スファーニ
ユテル
ユテルはその場から消え、ミノタウルスがいた10階層まで行く。
ユテル
ユテルがミノタウルスの皮膚に手を置くと闇のオーラがミノタウルスを覆い隠す。
ユテル
すると、ミノタウルスの魂がゆっくり亡骸へと入っていき真っ二つにされた胴体は元通りの姿となり目を覚ます。
グルバ
ユテル
グルバ
ユテル
グルバ
ユテルはそう言うと20階層へ続く階段を降りていく。