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LINE1324

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LINE1324

1 - あ

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47

2023年11月15日

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ユウキ

ちょっと!ミユキさん大変よ!

ユウキ

緊急事態なの!

ユウキ

早く来て!

ミユキ

お義母さん、どうかしましたか?

ユウキ

ああ!ミユキさん!

ユウキ

大変なのよ!

ユウキ

今、あなたどこにいるの?

ミユキ

今は家ですけど…

ユウキ

そう!

ユウキ

なら暇でしょ?!

ユウキ

駅前の新しくできたデパートあるでしょ?

ユウキ

あそこの3階に来て

ミユキ

え…

ミユキ

今からですか?

ユウキ

そうよ!

ユウキ

今からよ!

ミユキ

今は無理です

ユウキ

無理って何よ

ユウキ

この時間にメッセージが返ってくるってことは仕事は休みなんでしょ?

ミユキ

はい…

ミユキ

仕事は休みですけど、今度のプレゼンで使用する資料を作成してるんです

ユウキ

プレゼン?

ユウキ

何よそれ

ユウキ

プレゼントみたいなものでしょ?

ミユキ

全然違います

ユウキ

よくわからないけど

ユウキ

そんなこと他の社員に任せたら良いじゃない

ミユキ

いえ、これは私の担当なので…

ユウキ

あなた!姑である私の頼みを断るって言うの?!

ユウキ

こういうところから嫁姑問題が発展するのよ?!

ユウキ

それとも何?

ユウキ

義母である私の頼みが聞けないっていうの?

ミユキ

いえ、そうではなく今は無理だという意味で伝えているのですが…

ユウキ

で?

ユウキ

要するに?

ユウキ

来れるの?これないの?

ユウキ

どっち?

ミユキ

分かりました…

ミユキ

今から向かいます

ユウキ

最初からそう言えば良いのよ

ユウキ

わがまま言わずに私の用事に付き合ってちょうだいよ

ミユキ

デパートの3階に向かえば良いんでしたっけ?

ミユキ

何かあったんですか?

ユウキ

来ればわかるから!

ユウキ

あなたにしか頼めないことなのよ!

ミユキ

今から支度していきます

ミユキ

30分ほどかかります

ユウキ

急いでちょうだいね!

ミユキ

どの辺りに行けば良いですか?

ユウキ

3階の上りエスカレーター横にあるカフェでお茶して待ってるから

ユウキ

飲み終わるまでに来てね!

ミユキ

分かりました…

〜その日の夕方〜

ユウキ

いやぁ!今日は楽しかったわねぇ

ユウキ

ぜひ、また行きましょうね!

ミユキ

お義母さん、今回のようなことは2度とやめていただけますか?

ユウキ

は?

ミユキ

今日のは、一体何なんですか?

ミユキ

緊急事態だっていうから

ミユキ

自分の仕事も放り出して駆けつけてみれば

ミユキ

買い物の荷物が多すぎて持てないから持ってくれって…

ミユキ

しかも、お義母さんの分だけじゃなくってお友達の分まで

ミユキ

私は運び屋じゃないんですよ?

ユウキ

友達って…あ〜

ユウキ

お茶会で知り合ったのよ〜

ユウキ

綺麗な方でしょ?

ユウキ

私と5歳しか違わないの

ユウキ

あなたが来てくれたお陰でとっても楽しかったわねって話してたの

ミユキ

私はお義母さんたちの荷物持ちじゃありません

ミユキ

今日やろうと思ってた仕事もできてないし…

ミユキ

ああいうことは金輪際やめてください

ユウキ

あなた、それ本気で言ってるの?

ユウキ

もう私を頼らないでって、嫁が義母に対して言ったらいけない言葉よね?

ミユキ

頼らないでではなく

ミユキ

ああいった形での呼び出しはやめてくださいということです

ミユキ

私にも時間がある時はお付き合いしますから

ユウキ

分かった!

ユウキ

買い物の時に、あなたが片親で貧乏性だって言ったこと気にしてるんでしょ!

ユウキ

気に障ったらごめんなさーい

ユウキ

私、結構思ったこと言っちゃうタイプだから

ユウキ

でも、本当のことよね?

ユウキ

私の友達にも同情してもらえてたし、良かったわね

ミユキ

同情されて嬉しいわけないじゃないですか

ユウキ

あら、そうなの?

ユウキ

ごめんなさい

ユウキ

私、同情されたことないからよく分からなくて

ミユキ

私、まだ仕事が残っていますのでそろそろこの辺で…

ユウキ

あら、私との話を無下に終わろうというの?

ユウキ

貧乏人は大変ね〜

ユウキ

あくせく働いてセコセコ稼ぐんだから

ミユキ

では、失礼します

ユウキ

最後に、そろそろ子供のことも考えなさいよ

ユウキ

分からないことがあったら頼ってくれて良いからね

ユウキ

あなた片親だからろくな育てられ方してないでしょ

ユウキ

私がきっちり子育てを教えてあげるわ

ミユキ

私には母親しかいませんが、母は私のことを大事に育ててくれました

ミユキ

だから、社会に出てからも恥ずかしいと思ったことはありません

ユウキ

本当に強がりよね〜

ユウキ

まぁ、貧乏人にとやかく言っても仕方ないわよね

〜翌日〜

ユウサク

ミユキ、昨日何かあったか?

ミユキ

え?

ユウサク

俺が仕事から帰ってきても元気なかったろ?

ユウサク

それに、早く寝るって寝室に行っちゃったし

ユウサク

俺何かしたかな?

ミユキ

ああ、ちょっと疲れてただけ

ミユキ

心配かけてごめんね

ユウサク

プレゼンあるって言ってたもんな

ユウサク

あんま無理すんなよ?

ユウサク

俺の飯とかも忙しい時は作らなくて良いから

ユウサク

俺も早く帰れた時は作るから

ミユキ

ありがと!

ミユキ

ユウサクって本当に優しいよね

ユウサク

こんなの普通だよ

ユウサク

他にもミユキがして欲しいこととかあったら教えて欲しいんだ

ユウサク

俺、あんま頼りにならないかもしれないけど

ミユキ

そんなことないよ

ユウサク

そっか!

ユウサク

何かあったら言ってくれよ

ユウサク

休憩中にごめんな

ミユキ

ううん、ありがと

〜次の日曜日〜

ユウキ

ミユキさ〜ん?

ユウキ

新しくできた中華料理屋さんに一緒に行かない?

ミユキ

今日は予定があるので

ユウキ

予定?

ユウキ

まさか、またプレゼント作ってるの?

ミユキ

プレゼントではなくプレゼン資料です

ミユキ

今回は違いますが

ユウキ

実は今お友達といてね

ユウキ

あなたの話をしていたとこなのよ!

ユウキ

嫁にしたけど、やっぱり嫁はじっくり吟味すべきだったわ〜って

ミユキ

は?

ミユキ

吟味とはどういう意味でしょうか?

ユウキ

だってそうでしょ?

ユウキ

父親がいないとか、家庭に何かしら裏事情があるでしょ?

ユウキ

実際にあなた貧乏だし

ユウキ

休みの日まで仕事してるしさ

ユウキ

親なし金なしって可哀想よね〜

〜その直後〜

ユウサク

じゃあ、俺は親あり金ありだな

ユウサク

ただし、ろくな親じゃないけど

ユウキ

は?

ユウキ

急に何よ

ユウキ

男ぶっちゃってどうしたの?

ユウサク

違うよ

ユウサク

母さん、俺だよ

ユウサク

ユウサクだよ

ユウキ

え?

ユウキ

どういうこと?

ユウサク

実は、この前ミユキがプレゼン資料を作ってる時に

ユウサク

母さんから送られてきたメッセージを見させてもらったんだ

ユウキ

へ?

ユウサク

ずいぶん、ミユキのことを酷く言ってくれてたよね

ユウキ

あれは違うのよ!

ユウサク

何が違うって言うんだよ

ユウサク

母さんとは絶縁させてもらう

ユウサク

俺の見てないところで嫁いびりかよ

ユウキ

違うのよ!

ユウキ

いつもは、もっと仲良しなのよ?

ユウキ

ミユキさんの都合とか機嫌が今回と前回の2回だけ悪かっただけで…

ユウサク

そんなことメッセージの履歴を遡ったらすぐわかることだよ

ユウサク

すぐバレるような嘘ついてさ

ユウサク

どういう神経してんの?

ユウサク

俺、母さんにあんまりミユキに連絡をとらないでくれって言ったよな?

ユウサク

結婚したばっかりでミユキも気を遣うからってさ

ユウキ

何よ!

ユウキ

その子!

ユウキ

ありえないんだけど!!

ユウキ

は?

ユウキ

自分の立場が悪くなったらすぐに旦那に泣きつくなんて!

ユウキ

妻としてのプライドは無いのかしら!

ユウキ

私だったら問題は自分でどうにかするけどね!

ユウキ

ユウサク、その子と一緒にいるのはやめなさい!

ユウキ

その子は妻として、女として弱すぎるわ!

ユウキ

今のうちに乗り換えた方がいいんじゃ無い?

ユウサク

いい加減にしてくれよ!

ユウサク

片親とかなんとか言ってミユキをバカにして

ユウサク

挙句取り替えた方がいい!?

ユウサク

よくそんなことが言えるな

ユウキ

だってミユキさんたら付き合い悪いし

ユウキ

夫の母親と仲良くできないなんて問題じゃない!?

ユウキ

今もこうやってあなたに泣きついて変わるなんて嫁としてどうかしてるわ

ユウサク

俺が母さんとミユキの関係に気づいたのはミユキの元気がなかったからだ

ユウサク

様子が変だったから問い詰めたんだよ

ユウサク

そしたら泣きながら理由を教えてくれたよ

ユウサク

母さんはどれだけミユキを傷つけたか分かってるのか?!

ユウキ

傷つけたって酷いわ〜

ユウキ

私は傷つけたわけじゃないのよ?

ユウキ

あのねユウサク

ユウキ

女は強くなきゃいけないの

ユウキ

私とのやりとりごときでメソメソしてるような嫁なら私は要らないわ

ユウキ

そんな嫁がいると私の方が気疲れしちゃうし

ユウキ

それに貧乏な人といると価値観が合わないし

ユウサク

は?

ユウサク

ミユキが貧乏?

ユウサク

あいつ、俺と同じくらいの貯金はあるけど

ユウキ

あら、そうなの?

ユウキ

じゃあ、何で買い物に付き合わないのよ

ユウサク

母さんが散財しすぎなんだよ

ユウサク

今の不景気の世の中、貯蓄や投資をして資産を増やすことが賢い生き方なんだよ

ユウサク

俺はミユキがしっかり働いて無駄遣いしなくて立派だと思う

ユウキ

バカね!

ユウキ

お金なんて死んだら使えないんだし

ユウキ

生きてるうちに使わなくちゃ

ユウキ

生まれが貧乏だからそういう思考になるのよ

ユウサク

貧乏貧乏って言うけど

ユウサク

我が家だって別に金持ちだったわけじゃない

ユウサク

昔の売った土地のお金がまだ残ってるだけで

ユウサク

そのお金だっていつまでも残ってるわけじゃない

ユウキ

だから、楽しめる時に楽しまなきゃ!

ユウキ

2人でいるなら都合がいいわ

ユウキ

今から中華料理屋さんに来なさいよ

ユウキ

みんなで楽しくお茶しましょうよ

ユウキ

ミユキさんが貧乏でないなら今度はお友達に堂々と紹介できるわ

ユウサク

母さん…

ユウサク

まだ、俺たちと一緒にいれると思ってるの?

ユウキ

何よ

ユウサク

俺たちは母さんとはもう会わない

ユウキ

なによ

ユウキ

その冗談!

ユウキ

やめてよ〜

ユウサク

冗談じゃ無いよ

ユウサク

これから新居を探しに行く

ユウキ

新居?

ユウサク

もともと転勤の話を受けていたんだ

ユウサク

でも、母さんもいるし決断に迷ってたんだけど

ユウサク

ミユキから事の顛末を聞いて決めたんだ

ユウサク

俺たちは引っ越す

ユウキ

え、ちょっと待ってよ

ユウキ

引っ越す?

ユウキ

どこへ?

ユウサク

言うわけないだろ

ユウサク

言ったら、俺たちの家に転がり込んでくるだろ

ユウキ

ユウサク、冗談でしょ?

ユウキ

ミユキさんのことなら、母さんはあなたのことを思ってやったのよ?

ユウサク

俺のことを思って?

ユウサク

嫁イビリをしてただけだろ

ユウキ

私のことを捨てる気?!

ユウキ

私よりミユキさんを取るって言うの?

ユウキ

片親の子供なんてろくな育てられ方してないわよ?

ユウキ

ユウサク、後悔するわよ?

ユウサク

ミユキのお母さんなら何回も会ってる

ユウサク

母さんとは比べ物にならない良い人だよ

ユウサク

母さんの息子だって方が恥ずかしいよ

ユウキ

ユウサク!待ちなさい!

ユウキ

今からそっちに行くから!

ユウサク

来ても、俺もミユキもいないよ

ユウサク

すでに家を出たから

ユウキ

お願いユウサク…

ユウキ

考え直して…

ユウキ

土地を売ったお金だっていつまで続くか分からないのよ?

ユウキ

そのお金がなくなったら母さんはどうすればいいのよ

ユウサク

自業自得だろ?

ユウサク

後先のことを考えずに今を楽しめばいいなんて考え方だからこういうことになるんだ

ユウサク

なんで、俺を頼るんだ?

ユウサク

もしかして金が尽きたら、今度は俺たちに寄生して一緒に暮らそうと思ってた?

ユウキ

だって、普通子供は親に産んでもらった恩があるんだから

ユウキ

そうするもんでしょ?

ユウサク

やっぱり

ユウサク

都合良すぎだろ

ユウサク

ミユキに散々酷いこと言っといて

ユウサク

自分が困ったら、その後の世話はしてもらおうと思ってたの?

ユウサク

マジでどうかしてるよ

ユウキ

ミユキさんに代わって!

ユウキ

あの子なら話せば納得すると思うから!

ユウキ

同じ女同士理解し合えると思うわ!

ミユキ

ミユキです

ユウキ

ミユキさん!

ユウキ

私はあなたをいじめてたわけじゃないのよ?

ユウキ

これから似たような壁はいくつもあるのよ?

ユウキ

それを越えられなきゃ妻として女としてダメになると思ってたから

ユウキ

少々厳しかったかもしれないけど、社会っていうものを教えてたのよ?

ミユキ

確かに!

ミユキ

色々と教えていただいたのは事実ですね?

ユウキ

そうでしょ!?

ユウキ

だから、ユウサクに考え直すように言ってよ

ユウキ

ちょっと分かりません

ユウキ

何でよ!

ユウキ

私貧乏人なんでお金持ちの人の気持ちはよく分かりません

〜後日談〜

ミユキ

お義母さんはその後、ユウサクの会社や私の会社に連絡したり突撃したり

ミユキ

方々に迷惑をかけたようですが

ミユキ

周囲の協力もあり私たちの所在を知ることはできなかったようです

ミユキ

仕方なく節約生活を始めたそうですが、そう簡単に自制できるはずもなく

ミユキ

友達に金を借りまくり、その結果どんどん人が離れ、最終的に誰も会ってくれなくなったそうです

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